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退屈な学校が終わり、さっさと帰路に着いた。
帰り道もスザクのことが頭をよぎり、思わずかぶりを振る。
自分は一体どうしたんだろうとユキトは思う。
寝ても醒めてもスザクの事ばかり考えてしまうのだ。
― スザクさんがあんなことするからだ。
ユキトは、スザクに今すぐ会って文句を言いたい気分をぐっと抑えた。
「あら、普段は高校生なのね」
後ろから声をかけられ、咄嗟に小型のナイフを取り出し、振り返る。
だが、相手の方が先に背中に銃を突き付けていた。
「…ベス…っ」
「あら、アタシの名前覚えていたのね。嬉しいわ。制服似合ってるじゃない」
「貴様…、ぐっ」
ハンカチで口を塞がれた。
何かを嗅がされたようで、視界がぐるりと回った。
咄嗟にナイフでベスの手を斬りつけたものの、そのままユキトは気を失ってしまった。
「っく、アタシの手に傷をつけるなんて、お仕置きが必要ね」
ベスはナイフでつけられた手の傷を舐めながらニヤリと笑った。
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