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第1話

俺高槻尚(たかつきなお)は家族はα家系だ。そしてその跡取りこそがこの俺なのだ。 しかし俺には誰も知らない秘密があった。俺がΩということだ。だが俺はΩとして生きていくわけにはいかない。人種差別が激しいこの世の中ではΩは性欲処理の道具でしかない。しかもα家系でしかも跡取りがΩと分かればどんなことになるか、想像もしたくない。Ωなんて一人で生きていけない。そんなものには絶対になりたくない。でも大丈夫だ。親でさえ自分をαだと思っている。大丈夫。俺は勉強も運動もできる。大丈夫。そう心に何回もとなえる。だがこの秘密を錬侍だけは知っている。親でさえ知らないのに何故?そう思うだろう。全部俺が悪いのだ。 二人が高校生一年になって少したった頃、俺はどこに向かってるのか分からずにあるいていた。本能というのだろうか。体が勝手に動くのだ。その時はただ怠いな程度でそんなに深く考えなかった。ただ、いい匂いがする。 ほしい。それだけだった。その時、後ろから 「尚ー!。なにやってんの?」 錬侍だ。 「ヒッ」 怖い。いつも一緒にいてそんなこと思うはずがないのに。怖くて目を見れない。どうして、、、 「なに?この匂い。甘い。」 バレた?いや大丈夫。まだごまかせる。口を動かせ。そう何度も唱えても体が応じてくれない。 「なんでなんも喋んないの?。てか前から思ってたんだけどさ。尚ってΩなの?」 は?図星だった。反論しようにも体が硬直して動かない。口をパクパクさせることしかできなかった。すると、いきなり錬侍が顔を近づいてきた。 「ふーん。まぁいいや。ところで尚さ、そんなあまーいフェロモン出しといてどこ行くの??」 ニコリと微笑みを浮かべているが明らかに笑っていない。 「いい匂いがするとこ」 勝手に口が動いた。ハッと口をおさえる。言うつもりなんてなかった。なのになんで、、 恐る恐る錬侍の方を見る 「じゃあ行こうか。」 「え?」 何を言っているんだ?こいつ。そんなことを思っていると急に腕を捕まれた。 「いい匂いがするとこでしょ?」 またあの笑顔だ。笑顔なのに怖い。 「もしΩなら発情期の前兆がきてるってことじゃないの?外はあぶないよ?」  「え?」 この言葉を聞いて何かが切れた気がした。 「かはっ!」 体に何かが湧き上がってくる。熱い。熱い。下腹部が妙に疼く耐えられなくて地面倒れそうになる。 「尚!?」 もうどうでもいい。ただ目の前のαが欲しい。 欲のままに、、  いや駄目だ錬侍だけは。大切な友達なんだ。今欲に負ければあとで一生後悔する。逃げないと。明日までに言い訳を決めておけばいい。大丈夫。おちついて。 俺は体の疼きをなんとか堪えて錬侍に背を向けようとした瞬間。錬侍が俺の体にビッシリとくっついてきた。俺のモノだといわんばかりに。そしてうなじを、ガブリ 「あぁぁぁぁぁー!!!!!」 錬侍また笑っている。 「これで俺のものだ。もう誰にも触れせない尚にもわかってもらわないとね。俺のものだってこと」 噛んだあと何回もうなじを甘噛をしてくる。こんな人が居ないとはいえ外で。 「あぁ、アッぅあ!ひぁ!」 噛まれただけなのに体中に電気が走ったみたいだ。それもそうだ俺と錬侍は番になったのだ。なってしまったのだ。もう引き返せない。 俺はここで意識を手放した。

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