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そうして誘惑したあと。
ニューイは尻の中を触ることで女のように男も感じられることを、知らなかった。
男が出さずにイけると知っていたくせになぜ人間ボディの事情は知らなかったんだ。予想外すぎる。こちとらズブの素人だと言うのに、羞恥プレイが過ぎるだろう。
まさか後ろで感じる仕組みを説明しなければならないとは、思わなかった。
イチルの時はどうしていたのかと思ったが、他人の性事情を聞くのは気が引ける。もしかしたらプラトニックな関係だったのかもしれない。夢では溺愛していたこともあり、可能性は濃厚である。
ゴホン。話が逸れた。
そんなわけで──だ。
「う……くっ……」
現在の九蔵はズーズィ印のローションを下半身に纏わせながら、自ら中をまさぐっていた。
「はっ……ニューイ、もうちょい深く突っ込んでいい」
「もうちょい、もうちょい……むむ、難しいな」
正しくはニューイも、である。
九蔵の中には今、自分の指とニューイの指の二本が入り込んでいた。
触ってほしいが怪力で無茶をされるのは嫌なので、力加減や前立腺の位置を教えておく魂胆なのだ。九蔵自身は洗浄の際に風呂場で触れている。初めましての前立腺の衝撃も経験済みだった。
「もうちょい奧は……このくらいかい?」
「んひっ……!」
ズブッ、と深くニューイの指が突き刺さり、背筋が粟立つ。根元まで埋め込んだらしい。おかげで押された自分の指がしこりにくい込み、九蔵は甘えた声を上げた。
(び、びっくりした……!)
「ここは深いのであるな。突き当たりがない……」
「くぅ……う……っ」
「九蔵のここは入口はキツ過ぎるくらいなのに、中は柔らかいのだ。むむむ……」
「いやあんま、グチャグチャしねーでくんないかね……っ」
指先をクイクイと曲げたり伸ばしたり遊ばせ、九蔵の中の締めつけを探るニューイ。興味深いみたいだが、触られているほうはたまったものじゃない。
ただでさえニューイを見ないように視線を下げているのに、そのせいで出入りする指を直視するのは羞恥の極みだ。
(……っあー……っこんなの見てたら、めちゃくちゃ触りてーぞ……)
ゆるくしなりを帯びて頭をもたげ始めている自身を前に、九蔵は熱い体を痺れさせた。
思う様、擦りあげたい。
吐精するまで後戻りできないほど体に火をつけて、ニューイの指を感じたい。
そんな欲望を叶えるため、九蔵は自分の後孔から指を引き抜き、竿に手を添えてゆるゆると上下に動かす。
「ん、ぁ」
「九蔵、するのか? 気持ちよくなりたいなら、私が魂を触ろうか……?」
「それは大丈夫……ニューイ、指二本……や、三本挿れてくれよ……」
「ひぇ……わ、わかったのだよ」
耳まで赤くなった状態で俯いたまま誘いをかけると、素直に中をまさぐる指が三本へ増えた。狭い直腸が男の三本の指を呑み込んで異物感がより強くなる。
「はっ……ん…ふ……」
喉の奥がゴクッと鳴った。
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