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(死にそう、ああ、違う、俺、死ぬ……っ)  九蔵は背筋をピクピクと微かに震わせて、肉悦の極みから降りられないままただただ溶けていくしかない。  ろれつが回らなくとも懸命に訴える。  足を閉じられないようガッツリ膝を挟まれている上に中を引っかかれて、肉棒を扱かれ、更に精神を犯されて。 「いかせ、って……っにゅうぃ……っ」  唯一縋る相手は愛おしい悪魔だけだ。  何度も何度も名前を呼び、九蔵はニューイを恋しがる。 「むぅ……そんなにかわいく呼んでも、許してあげない。九蔵が私の好きに触っていいと言ったのだ。舌で触ってはいけないと言わなかっただろう?」 「ぅひ……っいじわり、ころ……んっ…も、いかへれっ……」  ニューイの吐息や唇の擦れ。  それだけでも九蔵は、官能で頭がどうにかなりそうだった。  ゾクッ……! と絶え間なく粟立つ背筋を波打たせながら腰を揺すり、ニューイが与える快感を健気に受け止めて淫らに喘ぐ。  舌と両手を別々に動かさないでくれ。快楽の波紋が広がり、どこもかしこも敏感に呻いて指の先まで熱くなる。  いくら気持ちよくとも一滴だって発散できない今、それらすべては拷問だ。 「し……ぬっ……は、っ……っ」 「うっ……!? そ、それを言われると困る……九蔵が死んでしまうのは嫌なのだよ」  九蔵が官能に炙られ息も絶え絶えに悶えると、ニューイは打って変わってあわあわと慌て始めた。  背に額を擦りつけしばし考えたあと、尾てい骨から尻までをベロリと舐めながらキューンと甘える。 「じゃあ、もう許すのだ。それにその……ほんとはちっとも怒っていないのだよ?」 「っ…も……う……っ」  だから死ぬなんて言うのは嫌だと、そう言いたいらしい。  そんなことを言われると、九蔵は簡単にニューイをますます好きになる。  今までは素肌をなぞる程度だった。  愛おしいルビーの双眸に自慰を映し出されるだけでのぼせ上っていたが、それが今はこんなにニューイの体温を感じられる距離にいる。  自分に覆いかぶさるニューイと直に素肌が触れ合うと、汗ばんだ肌が喜悦に戦慄き、好きだ好きだとくっついて止まない。  汗を舐められ筋肉の痙攣を抱かれ、みっともない声や熱すぎる体温まで全て余すところなくニューイに伝わってしまう。  羞恥で焦げつきそうだ。けれど気持ちいい。九蔵は恥ずかしくて、気持ちいい。  恥ずかしい九蔵をニューイだけが知っているという事実が気持ちいい。  もっと知ってほしい。  誰とも交わったことのない体と心がこんなにも卑猥になっていく様を全て見られたい。ニューイに見られたい。 「あっ……ぃあ…あぁっ……」 「****」 「っあ、う、ぁあ……っ」  ──俺を見て。  ニューイが呪いを解いた瞬間、限界を超えてなお胎動していた精がドクッと弾けた。

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