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6-3
「どういう風にする? こんな風に……」
「ぁ」
「ヤラシク触ったりする……?」
「んっ……っ……ぁっ……ちょっ、待っ……」
「……この、少しかたくなっているところを刺激するのか……?」
指の腹でクリトリスをゆっくり突っつかれて柚木はビクリと肢体を痙攣させた。
「ひ、比良くん」
「コリコリしてる……いつもこんな……?」
「んっ、ンっ……っ、っ……ン」
「それとも。俺に触られたから……?」
外されたカーゴパンツのホック、全開にされたファスナー。
魅惑のウィスパーボイスで鼓膜をとろとろにされ、緩めた服の下で密やかに芽吹く陰核をそれはそれは丁寧になぞられて。
柚木はぽろりと本音を零す。
「こ、怖い」
運命のアルファによる愛撫に容易く濡れる秘部。
未経験の性的感覚に平伏す下半身。
「怖い……」
感じながら怖がっている柚木に比良はもっと寄り添った。
紅潮しきった耳たぶに緩々と歯を立て、柔らかな一片の食感を愉しみつつ、指を動かす。
多感で弱いクリトリスを集中的に擦り立てた。
「ぁっ、っ、やだっ、やめ……っ」
「怖くないよ、柚木……そのまま受け入れていい……」
「んんっ……だめ、ソコばっかり……ぁぁ……っ」
「いいよ……? いってみて……?」
柚木はぎゅっと目を閉じた。
比良に言われるがまま絶頂に至った。
未だかつてない絶頂感だった。
自身でおざなりに慰めたときとは比べ物にならない、脳天がぐちゃぐちゃになっていく感覚。
溢れるように、また、止め処なく濡れた。
「柚木の、とろとろになってる……な」
ベッドの上でくたりと脱力していた柚木は。
今まで閉ざされてきた入り口を抉じ開けたそうにしている指先に目を見張らせた。
「ひ、ひ、比良くん……」
「大丈夫。傷つけないよう、ゆっくりする」
「ま……待っ……」
生温く潤む亀裂を緩々となぞり、割って入り、オメガの愛液を申し分なく纏った指が蜜穴にそっと押し当てられる。
柚木は咄嗟に比良の腕を掴んだ。
アルファの訪れに、触れ合っただけで歓喜している全性感帯に途方に暮れた。
(おれの体、比良くんをほしがってる)
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