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「ふぁ……っ……っ……眞栖人く……」 「歯止めなんかかけないで、頭どろどろにして、愉しみたくなる……」 「ぁっ、ぁっ……ん……っ……っ」 「柚木……どんどん溢れてくる……」 「ぇっ、ぁっ……あん……っ……ひら、くん……」 「それだけ感じてくれてる……そうだな……?」 位置を変わった二人に再度挟み込まれ、もっと過激に尽くされて。 完全に逃げ場を失った柚木は何回も達するしかなった。 「あ、柚木、また……」 「今、いったろ、ブルブルしやがって、可愛い奴」 達する度、わざわざ逐一喜んで、さらなる愛情溢れるご奉仕に励んでくる双子にだらしなく途方もなく熟れていくオメガの秘部。 (……何もかも、ぜんぶ、初めてすぎる……) こんなずっと色々されたら……。 何も考えられなくな……。 「……きもちいい……」 「怖い」を連発して嫌がっていたはずの柚木はぽろりと呟いた。 体格も能力も何もかも違うアルファの間で逡巡も忘れ、掠れ気味なため息を連ね、上気した肢体を陶然と弛緩させた。 「頭も体もふわふわ……蝶々になったみたい……」 キス以外はすべてが初めて、その上、連続絶頂を強いられて身も心も溶けかかっている柚木に眞栖人は小さく笑う。 「蝶々の気分とか、やっぱり幼稚園児レベルだな」 純潔なオメガのうわ言があんまりにも愛しくて、よしよしと頭を撫でそうになった双子の弟。 一方、双子の兄はと言うと。 済し崩しに溶けかけていく柚木に限界近くまで煽られていた彼は、ふにゃふにゃした蝶々発言にとうとう限界を超えた。 「もう待てない」 恍惚の海を彷徨う柚木は上体を起こした比良をぼんやり目にする。 「……ふにゃ……」 「柚木、俺を受け入れて……?」 「ぅぅ……?」 夢現にどんぶらこしていたへっぽこオメガの意識は、ソレを一目見た瞬間、情け容赦なく現実へと引き戻された。 「……あわわわわわ……」 チャコールグレーのテーパードパンツがボクサーパンツと共にずり下ろされて出現したソレに……恐れ戦いた。 (きょ……凶器……!!!!) 「そ、そんな危ないもの仕舞って、今すぐ縮めて、比良くん……」 オメガのものとは比べ物にならない、完全形態にほぼ近いアルファのペニスに混乱している柚木に比良は冷静に答える。 「無理だ」 別格のアルファである比良でも初めてだった。 柚木以外の人間に興奮したことがなく、双子の弟と違ってクリーンな性歴、つまり彼も純潔の身にあった。 「柚木に俺の純潔を捧げたい、今」 底知れない熱を孕んだ双眸で、心臓を射貫く勢いで、番の片割れを見つめる。 的を外さない比良の圧倒的目力にへっぽこオメガは甘い戦慄に(たちま)ち蝕まれた。

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