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第22話 普段の何気ない日常を描くという難しさ:管理人
あ、LINEがきた。
あぁ、同居人Mくんか。
『あるある 会話が聞こえない、APD、LiD』
「ぼく、これなんですよ。電話対応してても、聞こえずらいんですよね。」
APD(聴覚情報処理障害)、いわゆる、
人の会話が聞こえない、聞き取れない、言っている言葉が理解できない、という現象だ。
1対1で静かな空間で対話する状態だったら、けっこうフツーに言葉のやり取りができるのだが、
これを超える環境だと、聞こえてくる情報量に、頭が追い付いていけないということ。
周りが都会や電車内で、人の声以上に騒がしい場合や、
相手が2人以上で同時に会話される場合、
などがそれに該当する。
この環境になったら、相手の言う言葉が、聞こえてこない。
言葉の意味がわからなくなったり、音として聴こえてくるようになったり、
場合によっては無音になって聞こえなくなったりする。
そうそう。これ、オレもそうだよ。そう応えた。
だから、メモ書きにしてくださいって頼んだりしてた。
「そうです。僕もそれなんですよね。」
実は、オレ自身もこれなので、いろいろ調べていたが、
判定してくれることがなかなか実現されずらく、
歳が50歳を超えると、他の障害と区別がつかなくなるので、
判定に年齢制限もあると書かれてて、諦めたんだよね。
「そうなんですか?」
まあ、お陰でというか、普段だとおよそこういう感じということで会話はできるけど、
仕事でこの状態だとキツいよねーという認識だなあ。
オレも、普段がこんな感じというのは、自分にとってはフツーなことなんだけど、
他の人と感じ方が違うということなんだなあ。
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