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第1話

外では雨の激しい音が続き、ゴロゴロと重苦しい音がなり始めた。 「ひぅ!」 ベッドで頭を羽毛布団に突っ込み小刻みに震える生き物が雷雨(らいさめ)。名前とは裏腹に雷や雨を嫌い雨が降り始めると憂鬱そうな顔をする。 「頭隠して尻隠さず」 そう言いながら、雷雨の知りをポンポンと叩くのは反打(たんだ)。雷雨と幼馴染で、同じ高校に通う小学生の時からの親友だ。 「お尻も隠して!」 小刻みに震える雷雨の為に、布団を引っ張りお尻までかけた。 「大丈夫だってすぐにすぎるから」 反打は雷雨の背中を布団越しに撫でた。 「そこにいてね!絶対にどっか行かないでよ!」 雷雨は震えながらも、声を上げている。元気そうでなによりだと反打は立ち上がり、カーテンを少し開けて外を覗いた。 「今日どうする?泊まってく?」 ここは反打の家の反打の部屋。 「任せる!」 雷雨は怯えきって、考えるのを放棄していた。 「じゃあセックスさせてくれる?」 反打が聞くと、雷雨はもぞもぞと動き布団から顔を出した。 「何?よく聞こえない!」 涙目で凍えた子犬のようだった。 「セックスしたくない?」 「今そんな話してる場合じゃないでしょ!?」 雷雨が叫ぶと同時にバーンと音がなり、部屋が暗くなった。 「ふにゃ!」 雷雨は雷に打たれた猫の様な声を上げて布団に潜った。 「停電かよ。ブレイカー見てくる」 「やだ!行かないで!一人にしないで!」 雷雨が布団の中から叫ぶ。 「そしたら暗いままだぞ」 「暗くてもいい!側にいて!離れないで…!」 だんだん怯えたように震える声になり、反打は雷雨の隣に座った。 雷雨の布団をめくり中に入り込む。そして、丸まった背中から覆いかぶさるように雷雨を包みその上から布団を被せた。二人ですっぽりと布団の中に潜り込んだ 「じゃあセックスさせて」 雷雨の耳元でささやくと、雷雨は顔を反打の方に向けた。 「なんで?」 「好きだから」 「今言うことじゃないでしょ!」 雷雨は半泣きで、唇を噛み締めた。 「今言えば許可してくれるかな?と思って。何度言ってもさせてくれないじゃん」 反打は丸まった雷雨を抱きしめた。 「友達じゃん、そんなことしなくたっていいでしょ!」 「友達以上になりたいんだけどなー」 反打は雷雨の頭にキスをする。雷雨の震える体が少しおさまってきていた。 「僕は、このままがいい」 雷雨は顔を布団に伏せた。 「奥手だな雷雨は」 反打は雷雨の頭を撫でて、何度もキスをした。 頭の匂い、首筋の匂い、頬の匂いを堪能する。 「だ、だいたい、本当に好きなら我慢できずにしちゃうものじゃないの?」  雷雨は顔を伏せたまま耳を赤くして言った。 「そこまで好きじゃないって事でしょ!」 「それは聞き捨てならないな」 反打は体を起こして、雷雨の体を返しベッドに仰向けにさせた。 雷雨はハッとしてカーテンのしまった窓を見る。いつ雷がなるかわからない、それに怯え全身を震わせた。 「やっ、やだぁ!」 「俺が手を出さなかったのは、好きじゃないからだって思ってたの?」 反打は雷雨の両手を顔の横に押し付け拘束した。 雷が小さくゴロゴロと鳴っている。 「やだ!怖い!」 「何が?俺がか?」 「雷!」 雷雨は頭を左右に振って、手を振りほどこうとするが強く拘束され身動きが取れない。 「このまま無理やりしたら俺がお前を好きだって認めてくれるわけ?そしたらお前どうするの?俺と付き合うの?レイプした俺と?」 雷雨は目から涙を流した。ピシャっと雷の音が響き、体を強張らせる。 「レイプじゃない」 雷雨は唇を震わせていた。 「レイプじゃないから止めて…」 「はー?意味わかんねー」 反打は拘束を解き、雷雨に布団を被せた。 「いつまでも怯えてんなよ」 反打は静かに言って、部屋を出ていった。 雷雨は震えながら布団にくるまった。 暗い部屋にピカッと光だけが入り込み遅れて雷の音が響いてきた。 「やだぁ、反打…怖いよぅ」 部屋にぱっと明かりが灯る。停電が回復した様だ。 階段をのぼる足音が聞こえ、部屋のドアが開く。 「やっぱブレイカー落ちてるだけだった」 「うん」 反打は雷雨の居るベッド脇に座った。 「怒ってる?」 雷雨は布団から顔だけだしてカタツムリの様になり聞いた。 「怒ってないよ」 反打はスマホを見ながら答える。その声は普段と同じ。 「臆病だよな、雷雨ってさ」 「ごめん」 「攻めてるわけじゃないって」 反打は顔を上げ天井を見た。 「雨雲レーダー見るとあと1時間位は続きそうだぞ、雷」 「じゃあそれまで布団にいる」 「どうぞお好きに」 反打はスマホに目を戻しゲームを始めた。 雷の音が遠くなり始め、雨音もおさまってきた。 「雷雨、雷やんだぞ」 布団をめくると、雷雨は丸まったまますやすや寝息をたてていた。 「ったく、襲うぞ」 反打は雷雨の体を仰向けに返し、唇に唇を寄せた。 しかし、途中で止まり頬にキスをした。 ため息をついて身を起こすと、雷雨が恨めしそうに反打を見ていた 「起きてたのか?」 「据え膳!」 雷雨はそれだけ言った 「くわぬは男の恥?」 「反打だって臆病じゃん!」 雷雨は体を起こしてベッドから降りた。 「トイレ行ってくる!」 雷雨はドアを乱暴にしめて部屋を出ていった。 「怒ってんのか?」 反打は頭をかく。 「これは両想いって事で良いのか??」 反打は頭を抱えるが、雷雨がその気を見せた事がない。直接的な事は何も言わないし、手を出せずに居た。 「あーもう!はっきり言えよ!」 一人の部屋で叫んで、脱力しベッドに仰向けに倒れた。 「もう知らん!」 反打は寝返りをうってスマホゲームの画面に向かった。 雷雨は数分後戻ってきた。 「たんだぁー」 と甘えた声をだして、隣に寝転び背中に抱きついてきた。 「何だよ」 「ゲームしよ」 「もうしてる」 「一緒にできるゲーム!」 「マリパ?マリカー?大乱?51?」 「何でもいい」 「適当だな」 反打は身を起こそうとすると、ぎゅっと体を捕まれ体を戻された。 「襲うぞ」 雷雨の手はぎゅっと反打の服を掴んだ。 「いいよ」 雷雨は小さく答えた。かすかに聞こえた声に反打はドキッとして鼓動が早まった。 「よく聞こえない」 反打が言うと雷雨は手を震わせた。 「じゃあいい」 「良くないだろ」 「いいの、このままがいいの!」 「じゃあ俺がほかの男好きになって、デートして、キスして、セッ」 「やだ!……それは嫌」 雷雨の声は震えている 「泣くなよ」 「泣いてない」 鼻をすする音が聞こえる。 反打は、お腹を抱きしめてくる雷雨の手を撫でた。 「俺たちもう高校生だぞ」 「まだ高校生だよ」 「じゃあいつになったら良いの?俺、雷雨に嫌われたくなしい、泣かせたくないし、笑ってて欲しいんだけど」 雷雨は黙ってきゅっと反打を抱きしめる。 「セックスしたらどうなるの?」 「それは雷雨次第じゃね?俺はもっと好きになると思うし、大事にしたいと思うし、この先のことももっとちゃんと考えるけど」 「重い」 「うっさいな」 反打は悪態をついて雷雨の腕を掴んだ。 体を返して、雷雨の体に覆いかぶさる。 「もういいや」 反打は雷雨と唇を重ねた。 初めての感覚、ふれあい。柔らかいそこに吸い付き、角度を変え、味わう。 雷雨もそれを受け入れ、味わう様に口を開いた。 そこに舌がぬるりと入り込む。 「んっぁ」 雨の音が聞こえる中、室内にも粘液の絡む音が静かに続く。 部屋の中は二人の熱をおび、温まっていく。 体を重ねるとお互い下の物が硬くなっているのを感じこすり合わせた。 「やばい」 反打はぽつりと言って再び唇を合わせた。 ごそごそと服を脱ぎ捨てる音、二人の熱くなる息遣いが響く。 「なんか、違う」 雷雨が呟く。反打はドキッとして体を離した。 「どういう意味?」 違う?体の相性が悪いってことか?反打の熱が下り、血の気が引いた。 「なんか、もっと違うの想像してた。反打は乱暴に攻めて来るのかなって」 「は?」 キレ気味に言うと雷雨は慌てた様子で目をそらした。 「ごめん、えっと。一人でする時に、その、想像して……。いや!してない!違うの!」 雷雨は更に慌てて両手で顔を覆った。耳まで赤い 「顔見せろ」 反打は雷雨の手を顔から引き離す。 その顔は真っ赤で、目が潤んでいる。 キスをしていたせいか唇も赤くいつもよりぷっくりと膨れていて唾液のせいか艶もある。 「一人でする時、俺で想像してたの?」 「し、した事もあったけど、想像しきれなくて。イけたことはない、かも」 「は!?」 反打は怒鳴り気味に言い放つ 「イけよ」 その言葉に雷雨は戸惑ったのかポカンとして反打を見つめた。 「俺でイけよ!俺は何度もお前で想像してイってたけどな!」 反打は頭に血が登り顔を真っ赤にしていた。 「俺だけかよ」 反打の目が潤み、腕で目を拭った。 「反打、ごめん。だって、反打に悪い気がして」 「悪くねーよ!次からイけよ!俺で想像してイけ!雷雨がして欲しいなら乱暴にだって激しくだってしてやる!」 反打は、下半身で熱を帯びたそれを雷雨のものにこすりつけた。 「ぅんっ」 雷雨は声を小さく漏らして、こらえていた。 反打はため息を漏らし雷雨の腰を持ち上げた。 「そうだな、俺の想像してた雷雨とも違うな」 雷雨は手を口元に寄せて感覚に耐えていた。 「雷雨はもっと泣きながら喘ぎ声を上げて腰揺らして誘ってくるのかと思ってた。思ってたより冷静な対応だよな」 「そ、そんなの想像じゃん」 「雷雨のだって想像だろ。俺のだってさっさと挿れて、痛めつけてとか考えるけどそれしていいの?」 「分かんないよ、反打のしたいようにして」 「うわ、こうなっても無責任なのな。何かあっても俺のせいにするんだろ?」 「しないよ」 反打は雷雨の尻の蕾を指で撫でるときゅっとお尻がしまる。ローションをつけ何度か撫でると蕾がひくひく動き始める。 「俺のこと想像して、自慰して。自慰するのに俺とのセックスは拒んで、雷雨は俺とどうなりたいの?」 ひくつく蕾を撫でると、雷雨の全身も震えた。 「分かんない」 「答えないとこれ以上してあげないよ」 雷雨はマングリ返され、蕾を刺激され身動きが取れない。取ろうともしない。 「うっ」 「雷雨、答えて。俺とどうなりたいの?」 雷雨の目から涙が溢れた。 「わ、分かんないけど、反打を取られるのはやだぁ。……取られない様になりたい」 ずるい答え。 「その為なら何でもする?」 「……何でもする」 雷雨の震える唇からゆっくりと溢れた言葉。 反打は納得して、指を蕾の中にゆっくりと入れた。 「あんぅ」 雷雨は口を手で抑えた。 声を聞きたい気もするが、堪えてる姿はそれはそれでそそられる。反打は指を中で曲げ動かした。 「んんっ」 ビクリとして穴の絞まるところを見つけるとそこを重点的に刺激した。 「ここか」 雷雨は声を抑えきゅっきゅっと穴を締め付ける。 雷雨の口から手を離させ、唇を重ねた。 ビクビクと体が震えるのが分かる。雷雨は反打の背に手を回し、感覚を受け入れ腰を揺らした。 しかし、そこで玄関から物音が聞こえた。 「んっ」 反打は顔を上げ、ドアの方を見て耳を済ませる。 靴を脱ぐ音、ビニール袋の音、傘を振る音。 「母さんが帰って来たのかも」 反打は雷雨から指を抜いた 「んっ」 雷雨から甘い声が漏れる。 「ごめん、ちょっとまって」 反打はベッドから降りようとするが、雷雨は腕を掴み、ベッドに引き戻した。脱いだ服もベッドに乗せ、かけた布団の中に隠した。 「大丈夫だよ」 と雷雨は反打にキスをして抱きしめる。 「少し待ってみよう。靴見たら僕が来てるの分かるはずだし、多分来ないよ」 「ああ、そうかも」 普段ならもう少し帰りが遅いはずだった。こんな日に限って帰りが早いとかお約束的展開リアルには望んでない。 運の悪さに愕然とし反打は雷雨を抱きしめると、雷雨はくすりと笑った。 「なんだよ」 「いや、面白いなーと思って。ドキドキしちゃうね」 雷雨は楽しそうに言った。 「雷雨、やる前と反応変わりすぎ」 「だって、今更止めたくないよ」 「でも流石にここから挿れるのは……」 「じゃあ、お互い手でしよう。ローションあるし」 ローションを垂らし、擦るそこがクチュクチュと音を立てる。 お互い擦り合い、キスを交わすと再び熱を帯び、布団の中が熱くなる。 「布団邪魔くさい」 「でも突然入ってこられたらごまかせないよ」 「なんか、もう臭いでバレそうな気もするけど」 そう言いながらもお互い手を止めることはできない。快楽へすすめる刺激は体を震わせた。 「雷雨、手止めんな」 「だって、反打の早いぃ」 雷雨は甘い声が漏れる。しょうがねーなと反打はお互いのをくっつけ両方しごき始めた。 「キスして、このままイくぞ」 「うん」 雷雨は口を開け舌を絡ませた。上からも下からもクチュクチュと音がなり、その旋律がしばらく続いた。 「もぅ、苦しい」 雷雨は息をはぁはぁ漏らし、甘い声を上げる。 「そろそろイきそう。雷雨は?」 「僕もう、イク」 「我慢すんな早くイけ」 反打は雷雨の熱を吐き出させようと強く刺激した。 「やだぁ、一緒がいい」 「俺は雷雨より先にイくのは嫌だ」 先程からそのためにイきそうになるのを堪えていた。 「僕は一緒がいいの!」 「わがまま言うなって」 「そっちがわがままじゃん」 反打は手を早め、堪えきれず熱を吐き出した。それとほぼ同時に雷雨の熱が吐き出されるのを感じる。 熱を吐き出すとお互いいいを荒げ、強く抱きしめあった。 「やば、気持ちいい」 「反打は温かいね」 雷雨はふふふと笑いながら反打にキスをした。 「反打はって誰と比べてるんだ?」 「ん?抱き枕」 雷雨は笑っていった。ヤキモチ妬いたように聞いてしまった反打は恥ずかしさで、雷雨を組み敷いた。 「犯してぇ」 「また今度ね」 お互いティッシュで出たものを拭き取っていると、階段を登ってくる足音が聞こえた。 「やばっ」 と反打は雷雨に布団をかけた。 慌ててズボンをはく。 が足音は部屋の前を通り過ぎていった。 「もう、慌てちゃって」 雷雨はくすくすと笑った。 「ったく、また雷でも鳴らねーかな」 「そういう事いうと、自分に悪い事が起きるんだからね」 「はいはい」 服を着終えて窓を開けると、雨は上がっていた。 「雨上がってるぞ」 「今日は泊まってく、激しくて腰痛めちゃったから」 と雷雨は寝返りをうって背を向けた。 「そんな激しくしてねーだろ」 「これからされるの」 雷雨はそう言って布団を頭からかぶった。 「できるわけねーだろ、親がいるのに」 「今日とは言ってないじゃん。今日したかったの?」 雷雨は振り返りニヤリと笑った。 「腹立つな!次覚えてろよ!」

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