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16.乳首もいじられちゃう

 性欲処理とは?  いや、うん、まぁ気持ちよかったけど……。  寝る時また尻穴がじんじんしてたいへんだった。身じろごうものならきゅん、と甘い感覚がすぐに背筋を駆け上って、声を出さないようにするのがまた……。リックはそんな俺の葛藤に全く気付かずちゅ、ちゅと何度も口づけてくるし。って気づかれても困るんだけどっ! 気づかれたらまた尻穴舐め舐めされちゃうかもしれないし……。  洗浄魔法と体力回復の魔法はかけてもらったから身体はすっきりさっぱりである。本当に何事もなかったように朝も普通に起きて訓練に参加した。  問題は俺の気持ちなんだろうなと思ったけど、やっぱり道具を使うのは違うんじゃないか? とか首を傾げたりした。  わからない時は聞きに行けばいいやとまた医務室に寄ってみた。 「やあ、君か。今日はどうしたんだい?」  柔和な笑みを浮かべた優男。キリーン先生は今日も普通に医務室にいた。 「連日すいません」 「気にすることはないよ。私も気になってはいるからね」  医学的見地ではないだろう。好奇心であっても話を聞いてくれる存在というのは貴重だと思った。 「ええと、リックとのことなんですけど……」 「うん」  性欲処理という名目で昨夜も一緒に過ごしたが、リックは俺を開発する道具を持ってきた。恥ずかしかったが、キリーンに聞かれるままにどういう道具だったか説明した。道具の名前は知らない。  そんな恥ずかしい物について何故すらすら答えられたのかといえば、キリーンの目に全く色を感じなかったからだ。純粋に道具への興味だけで聞かれていることがわかったから答えられたのだと思う。 「丸いものが繋がっていて、というとビーズかな。確かに肛門の性感を高めるにはいいと思うよ。張型は一般的だし、別におかしなことはないんじゃないかな」 「……そう、ですか」 「ああでも、身体が傷つくようなことをされそうならそれは性欲処理ではないから抵抗はした方がいい。なんなら私を呼んでくれてもいいよ」 「ありがとうございます」  真摯にそう言ってくれたので、俺は一度でもキリーンを疑ったことを恥じた。性に関してはキリーンに聞けば間違いないのだろう。  その日の夕飯時、ナツに会ったのでキリーンに相談しているのだということを話すと、何故か微妙な顔をされた。 「うーん、まぁ……悪い先生ではないかな……」 「天使さまを大事にしているんだろう?」 「まぁそれは当然だし。天使さまの身体のことはよく考えてるかな……」  どうも歯切れが悪い。 「? なにかあるのか?」 「……リックと仲良くな」  そう言ってナツは食べ終えたトレイを片付けに行ってしまった。俺は首を傾げた。 「もー、カイエってばそんなにいろいろ気になることがあるなら僕に聞けばいいのにっ。カイエへの愛なら誰にも負けないよっ!」 「そういう話じゃないから」  愛とか恋とかそういうんじゃなくて、ただ単に夜俺がリックにされていることはただの性欲処理なのだと納得したいだけだった。キリーンににっこりと笑まれて、 「それぐらいなら性欲処理でも使うと思うよ」  と言ってもらえたのでほっとした。でも、なんで俺はほっとしたんだろう。 「カイエ~、今夜もいいよね?」 「……うん」  痛くされなければ何をされてもおかしなことはないって。だから俺は今夜もリックを部屋に招き入れた。 「んっ、んっ……」  ベッドに優しく押し倒されて口づけした。長い肉厚の舌に舌を絡め取られて吸われるのがなんとも気持ちいい。リックの舌は規格外に長いから、すぐに唾液が垂れてしまう。それを舐め取られたりして俺は感じていた。 「あっ……」  服なんかすぐに剥かれてしまう。 「カイエ、今度バスタオル胸まで巻いて待っててよ」 「は? なんで?」 「その方がより色っぽいじゃん。胸出すの恥ずかしくなっちゃうぐらい乳首開発もしたいしー」 「乳首開発なんかするなっ!」 「えー。僕カイエのおっぱい飲みたい~」 「おっぱいとか言うんじゃないっ!」  なんか恥ずかしい響きなんだよな。おっぱい。なんでだろう。  今日は胸を重点的にいじることにしたらしく、しつこかった。 「あっ、あっ、あっ、あっ……」  胸を優しく揉まれながら、乳首をちろちろと舐められる。乳首がすぐにぴん、と立ってしまい、それをリックが喜んで舐め転がした。ちゅくちゅくと舐めたり、吸ったり、舌でつぶしたりされて身体がびくびく震えてしまう。 「やっ、吸っちゃ……あんっ……」  強く吸われると痛いけど、ちゅっちゅっと優しく吸われると快感がすぐに後頭部に届く。甘くてじんじんしてとても困る。もう片方の乳首も指で優しく摘ままれくりくりといじられてたまらない。 「リック、やっ、ちくびっ、やだぁっ……!」  感じちゃうからそんなに念入りにいじらないでほしい。リックはぺろぺろと乳首を舐めてから顔をちょっとだけ上げた。 「カイエ、気持ちいいね。素直に感じてくれればいいんだよ? 僕はカイエにいっぱい気持ちよくなってほしいんだから」  そう言ってまたぺろぺろと乳首を舐める。 「あんっ、やっ、やぁっ……!」  でもなんか乳首は特に恥ずかしい。それがうまく伝えられないまま、今夜もリックに全身触れられてしまったのだった。

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