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【第2部 ハウス・デュマー】6.氷の割れる音
『ああああああ佐枝さん! どこにいたんですか!』
三波らしくない文字列だ。連打するなんて。そんなことを思いながら俺は返事をタイピングする。
『ごめん、家をあけてた。例の件、これから送るから』
TEN-ZEROのサーバーへアップロードするファイルのヴァージョンを確認していると、終わらないうちに返事がきた。
『了解ですありがとうございます大丈夫です! 会社はOKです! ただ昨日は藤野谷さんが佐枝さんに連絡取れないとうるさくて、僕までとばっちりです』
藤野谷の名前にキーボードの上で俺の指は一瞬硬直した。むろん三波がそれに気づくはずはない。
『佐枝さん、すみませんがビデオに切り替えてもらえませんか? 昨日チームのチャットに出てた件、ここにブツがあるんですが、写真とるのかったるいんで』
『いいけど』
俺はそう打ちこむとビデオに切り替えた。
『あれ、佐枝さん?』
画面の中の三波は青背のファイルを背景にして、俺をみるなり怪訝な声を出す。
「ん?」
『あ、すみません。その……顔、変えました?』
俺はふきだした。
「俺の顔、これしかないけど」
『そりゃそうですよね……今日はメンテ中で代替機だけど、なんて返されても困るところでした』
三波は首をかしげる。そんな動作をすると鋭角な印象を与える美貌が少し幼くみえる。
『すみません、たぶん藤野谷さんに昨日ずっと愚痴られていたんで、今日の僕には佐枝さんが救世主の後光を放っているんだと思います』
喋りながら今度は三波がふきだした。『馬鹿なことをいってすみません』
「いいけど。藤野谷がどうしたんだ?」
たしかに昨夜家に帰ると藤野谷から何回も不在着信が入っていた。しかし俺は今朝になってもそれを全部無視して、三波の業務チャットに返信しているわけだが。
『着信来てませんか』
「来てる。でもメールに用件は入ってないし、急ぎの用じゃないだろう」と俺はいう。藤野谷の意図はわからないが、三波には俺が気にしていないと思ってほしかった。「こっちが優先だと思ったんだけど」
ほんの一瞬三波は眉をよせて不審な色をうかべたが、すぐに刷毛で塗り替えるように表情を変えた。
『佐枝さん、僕を優先してくれてありがとうございます! 何度かいってますけど僕は佐枝さんのファンですから!』
と俺が赤面するようなことを平然といい放ち、即座に真顔に戻る。
『それで例のブツのセッティングについてなんですが――』
三波の説明を聞きながら、俺はつまらないことに気がついた。三波は藤野谷のことを「ボス」と呼ばなかった。
ハウス・デュマーで加賀美と別れたあと、俺が家に帰りついたのは暗くなってからだった。
翌日の朝になるとヒートの気配は完全に消えていた。俺は心底ほっとして峡へ検査の予約を入れた。急に襲ってきた衝動がこんなに短期間でおさまったのは緩和剤が効いたせいか、それとも加賀美のおかげなのか。
これまで誰ともあれほど……濃厚なセックスをしたことは一度もない。薬で性周期がコントロールできているあいだは、強い衝動をもてあますことがほとんどなかったせいもあるだろう。
とはいえ、思い出すと恥ずかしさに誰もいないのに顔がほてるほどで、俺は何も考えまいとした。後悔と安心のいりまじった自分にもよくわからない気持ちをもてあましながら、それでも加賀美の連絡先は帰宅して最初に登録した。ハウスでの彼の申し出に対してもどうすればいいのか決められないのに、趣味や話が合う相手と切れたくないという望みは強く、身勝手な気もしたが、加賀美の好意に甘えてしまえという内心のささやきには抗えなかった。
俺は疲れていた。
一日家をあけただけなのに不在着信やメール、業務チャットがたまっていた。仕事は家でやる上に、社交などほとんどないから、よほどのことがなければ俺は外出時もモバイルを持ち歩かない。
三波にチャットの返信を送る前に、着信履歴を眺めて俺は憂鬱な気分になっていた。藤野谷からの着信は俺がハウスへ行った夜にも入っている。
何か勘づいたのだろうかと俺は一瞬疑ったが、すぐに打ち消した。ハウス・デュマーで藤野谷がすれ違ったのは欲情したオメガなのだ。たとえそのオメガが俺に似ていても――藤野谷は俺のことをベータだと思っているし、気づかれないように俺は細心の注意を払ってきた。大学時代はとくにそうだった。
藤野谷の着信を無視して代わりに俺は三波にチャットを送った。三波からは秒速で返事がきて、そしてさっきのやりとりになったのだ。
俺はパソコンの画面を切り替えた。TEN-ZEROのプロジェクトで俺がやるべき作業は終わりつつあるのだが、技術班は俺の旧式な機材や設定を最新版にアップデートしろとうるさかった。この先の進捗確認が楽になるし、セキュリティも強化したいという。
彼らにはこれまでも遠隔操作で俺のパソコンの設定を変えてもらったり、逆にTEN-ZEROのサーバーを俺が遠隔で見られるように設定してもらったりもしたが、ついこの前、直接そちらへ行って何とかいう機械を(俺には技術的な内容はよくわからなかったが)交換した方が速いかもしれません、とチームのひとりが持ち出したせいで、俺の家に技術者を呼ぶのは避けられそうもなかった。都合がつく者がいなければ三波と鷹尾が来るという。
この家に住んで八年になるが、峡と佐枝の両親以外の他人をこの家にあげたことは一度もなかった。まあでもいいか、と俺は思った。藤野谷が来るわけじゃない。
今は藤野谷には会いたくなかった。声も聞きたくなかった。
でも三波なら、話をするのも、この家に入れてもいい、と思える自分はどうかしているのだろうか。
おかしなもので、藤野谷からはっきりつきあっているのだと聞いても、俺はあいかわらず三波を気に入っているのだった。彼は藤野谷と俺のあいだに何かあったと勘づいているのかもしれないが、そんな気配をみせるでもない、いってみれば大人の対応が俺にしてみると好ましかった。
どうも三波は学生時代、ハウスでさんざん遊んでいたらしい。鷹尾を交えた雑談のはずみに彼は一度「あれは若気の至りで、今は飽きました」といったが、そんなところも俺にはまぶしく感じられこそすれ、不快ではなかった。
そもそも大学の頃だって、藤野谷が誰それとつきあっているなどという噂を聞いたところで、俺はその相手を妬ましいと感じたことはなかったのだ。たぶん俺とまったく縁のない世界の話だと思っていたからだろう。三波が藤野谷の横に立っているのはとても自然にみえた。自然なアルファとオメガのペアに。
それに――だいたい、ひとのことをいえるものか。おまえだってまんざらでもなかったじゃないか。
俺の中で別の声が小さくささやく。
加賀美に抱かれて。嬉しかっただろう?
加賀美にならおまえは自然にオメガとして扱ってもらえる。外出するたび、抑制剤や中和剤が効いているかと神経をとがらす必要もなくなるし、バレるのではないかとひやひやしたり、父親たちの事情を知られるのを恐れる必要もない。それに……加賀美はきっとおまえの渇望を満たしてくれる。太くて熱い……あれで奥まで……
(隠さない方が、きみは素敵だ)
ふいに彼の匂いや腕の温もり、さらに内側を突かれる甘い感触がよみがえって、俺は椅子の上で呼吸を荒くし、体をよじった。
ラボは鏡のように空を映す窓で一面を覆われた大きな建物の中にあった。階下のクリニックでビジターカードを渡され、淡いブルーの検査着に着替えていくつもの小部屋を行ったり来たりする。内診と超音波検査まで終えると三時間以上かかった。
最後の診察を担当した男の医師は初めてみる名前で、匂いと雰囲気からアルファだとわかった。加賀美がつけた鬱血はほぼ消えていたが、軽く触診され、うなじに器具をあてられると背筋がぞくぞくする。抑制剤の服用にもかかわらず周期が不安定になっていることを話す。医師は画面に俺のカルテを呼び出している。子どもの頃からの記録があるせいでとても長い。
夕方には結果が出るといわれていたので、最初から峡と食事をして時間をつぶすつもりだった。クリニックの外で待っていた峡が俺の顔をみるなり、はっとしたような表情をした。
「どうかした?」
「あ、うん。いや。何でもない」
俺の顔について三波もおかしなことをいっていたが、峡もとなるとさらに気になる。俺はつっこんだ。
「どこかおかしい? 俺はふつうだと思うんだけど」
「えっ」峡はなぜかどぎまぎした様子をみせた。
「いや、変じゃない。その……あれだ、零も葉月に似てくるのかと思っただけだ」
「葉月は今の俺よりずっと若くして死んだだろう」
俺は他人のことのようにいう。実際他人のような気がしていた。
「零は若くみえるからな」
「峡は葉月のことをどれだけ覚えてる?」
「俺か?」
峡はラボのカフェテリアへ向かった。片方は全面窓で、自然のままの雑木林を見下ろしている。この建物は自然保護地区のすぐそばに建っているのだ。
「子供だったからあまり覚えていないんだ、とくに葉月がよくうちに来ていたときは。写真をみせてくれたのはなんとなく覚えている。きれいなひとだった」
「葉月が死んだとき、峡は何歳だった?」
「高校生だったよ。もう長くないと藤野谷家から連絡がきて、母さんと亡くなる直前に病院まで見舞いにいったんだが、俺のことがわからなかったみたいだった。無理もないな。葉月は高校を出ると藤野谷家に囲われるみたいになって、佐井にはめったに戻れなかったし、その後もいろいろあったし……」
峡は気を取りなおすかのように首をふり、トレイを持つ。
「おごるから好きな物を食べろ」
「おすすめは」と俺はたずねる。峡が仕事に戻った後もそのまま時間をつぶした。
検査の結果は、異常といえるほどのことはなかった。
ヒートの間隔が短いとか作用が激しいというのは俗にいう〈オメガ系〉の症状で、遺伝的な要因なのだと医師はいった。良性悪性、いずれも腫瘍はない。最近不安定になっている原因はわからなかった。「運命のつがい」の話をするべきかどうか俺は迷って、結局しなかった。
抑制剤の種類や量を検討しなおし、困難症の治療として処方するのなら保険が効くという。ただしその場合、中和剤は処方されない。
「俗に偽装パッチ、匂いを消す、といわれるものですが、れっきとした薬であって単なる匂い消しではありません。実際はもっと複雑に作用しています。副作用の報告件数は少ないですが、ゼロではないですし、長期間の使用は勧めません」
しかし俺の感触では、中和剤を使った方がヒートは楽になる上、頭に霞がかかって集中できない期間も短くなるような気がしていたから、抑制剤よりも中和剤が使えない方が痛かった。オメガ男性が抑制剤と中和剤を併用したとき、副作用としてあげられるものに不妊がある。これは峡にも何度か聞かされた話だ。
何度聞いても俺にはぴんとこなかった。第一、子供はひとりではできない。カタツムリじゃあるまいし。俺がいったい誰の子供を産むというのだろう?
クリニックを出る時に新薬の臨床試験について案内を渡された。抑制剤の治験で、入院して二週間ほど隔離されるらしい。今の仕事が一段落すれば参加するのはどうか、と今度は外の喫茶店で峡に話したが、叔父はあまりいい顔をしない。
「零……中和剤と抑制剤でヒートが楽になるとしてもだ。おまえのように長期にわたって服用しているケースはほとんどないんだ。この先何が起きるかはわからないぞ」
「このままということだってあるんだろう」と俺は答える。
「子供を作れる可能性は確実に減るぞ」
「峡だって独身で、子供もいないじゃないか」
思わずそうぼやくと、峡は苦い顔をした。
「まあ、そうだがな……」
「ヒートのあいだ、他に何もできなくなるのが嫌なんだ。仕事ができないくらいならまだいい。まともな絵も描けないなんて……」
「だからこその〈ハウス〉じゃないか。そういえば行ったのか? 直前のヒートは大丈夫だったのか?」
「行ったよ」
俺は短く答えた。思いがけず顔が赤くなり、隠すためにうつむいた。
「ハウスの話はいいよ。大事なのは描けるかどうかなんだ。描けないのがいちばんつらい」
「零のその情熱がどこから来ているのかは謎だな」
峡は俺の顔をしげしげと眺めた。
「俺にいわせれば、いくら絵を描きたくても体がどうかなったら元も子もないと思うんだが。葉月は写真が好きだったから、似てるのか?」
「空良はどうなんだ」俺はもうひとりの親の名前を出す。「俺は葉月の写真でみた顔しか知らないんだけど」
「悪い。俺もよくわからない」と峡は答えた。
そのあとも薬の服用を続けることについての小言めいた話をしばらく聞かされたあと、やっと俺は解放された。叔父が俺に過保護なのは昔からのことだし、心配されているのだと思うと拒否もできなかった。実際、のめりこんだときの俺は、自己管理については褒められたものではない。
子供のころの俺は絵を描いたり何か作っていると簡単に寝食を忘れていたから、よく周りの大人を呆れさせたり心配させたりはした。ここ数年のあいだも、そこまでやらなくていいんじゃないか、とエージェントの暁にいわれたこともある。
そういえば藤野谷はそんなことを俺に一度もいわなかった。大学で一緒にやったプロジェクトでも、俺があいつと一緒にいるかぎり、無茶ぶりをしてくるのは藤野谷の方だった。なのに少し離れていると軽い風邪をひいただけでも心配するのだ。
俺は藤野谷に無茶ぶりされるのが嫌いではなかった。
ゆっくりと日暮れの時間が遅くなる。
家に帰るとまた藤野谷から着信が入っていた。俺は履歴を眺めた。どうせたいした用事でもないんだから返事をしても害はないと考えてみても、指は動かなかった。
藤野谷の声を聞きたくない――いや、本音は聞きたくないわけじゃない。ただ、彼と話せばまた何か起きてしまうのではないかと、そんな気がして怖かったのだ。
なのに何が起きるのを恐れているのか、俺は自分でもよくわからなかった。
登録したばかりの加賀美の番号をみて、ここへ発信する誘惑にも一瞬かられた。もやもやした考えを振りはらおうと首をふる。シャワーを浴び、鏡をみつめると、自分では何が変わったのかもわからない、俺の顔が見返していた。毎日見ているせいだろう。何が変なのかまったくわからない。峡も三波もいったい何をいおうとしたのだろう。
キッチンでフライパンと鍋を取り出す。作るのは例によってセロリのスープだ。まな板と野菜を洗う。手を動かしながらも俺の思考はとりとめもなくさまよった。ショウガやニンニク、香りの強い野菜を刻みつつ、ふと思いついたのは、もし藤野谷が大学時代、俺でなく三波のようにつきあっている相手がいて、そいつにコンペで組もうともちかけていたなら、俺は確実にその相手を妬んだだろうということだった。
あまり認めたくなかったが、試験やゼミの共同発表の前にキャンパスで藤野谷を囲んでああだこうだといい合っている同級生には、俺はひそかに嫉妬していた。大学では俺と藤野谷の講義がかぶることはめったになかったから、彼らが藤野谷と同じ場所にいて、対等な立場で一緒にやっているように見えるのはひどく羨ましかった。アルファとかオメガとか、運命だのつがいだのといった話を度外視できれば、俺にとって一番重要だったのは、藤野谷と対等の立場で一緒に何かができること、何かを作り出せることだった。
今の藤野谷はTEN-ZEROの経営者で、三波は社員のひとりだから、あの同級生たちとは立場がちがう。だいたい社会に出てしまえば、ことに会社のような組織の中では、学生時代のようなフラットな関係をもつのは難しい。
それにもし藤野谷と三波のつきあいが真剣なものなら、三波は藤野谷の両親、特に母親に関わることになるはずだ。少なくとも藤野谷にはその気はあるようだったが、三波はあの女性とやっていけるのだろうか。
TEN-ZEROの仕事で三波と関わってつくづく感じるのは、三波は新世代のオメガだということだった。前向きで享楽的で卑屈さがない。オメガへの優遇 措置 は当然だと思っているし、〈ハウス〉は割り切って遊べる便利な場所だと思っている。
それに三波の言葉の端々からは、アルファが往々にして持っている支配的な雰囲気が気に入らないのも感じ取れた。「僕は庶民ですからね。点が辛くて」というのが三波の口癖だが、仕事に人一倍真剣なのもあって、手ぬるいアルファには特に容赦がないようだ。オメガ特有の柔らかい雰囲気が多少救っているとはいえ、辛辣なのに変わりはない。
彼のことだ。昔のように、オメガはアルファに所有されて子供を産むために存在するとでもいうような扱いなど、絶対にみとめないにちがいない。
三波のそんなところは藤野谷の母親とは正反対だった。
俺は藤野谷の母を高校一年のとき一度だけ見かけたことがある。文化祭のときに控室で藤野谷と話しているところにたまたま居合わせたのだ。
藤野谷家のような名族の奥方だからと、俺は勝手に上品で柔和な人を思い描いていたが、印象は完全に裏切られた。きれいな人だったが、藤野谷に対して一方的に言葉をいい放つ調子は高圧的で、俺の思っていた母親のイメージからはかけ離れていた。
俺はずっと荷物を隠す衝立の陰にいたので、向こうは俺に気づいていなかったようだ。何の話をしていたのかはわからなかったが、藤野谷は黙って聞き、たまに相槌をうつだけだった。出ていくのも気が引けて、俺が立ちすくんでいると、藤野谷だけが途中で俺に気づき、衝立のすき間から困ったような、仕方ないだろ、とでもいうような視線を投げてきて、俺はめくばせを返した。
藤野谷の口から母親の話が出ることはめったになかったが、高校のときに一度か二度、アルファの名族を存続させるオメガとしての自負心の強さに参っていると漏らしたことがある。藤野谷にいわせれば母親の「家」へのこだわりは不可解なものらしい。彼の両親は仲がいいともいえず、しかも母は名族の出身でもなく、なおさら「藤野谷家」にこだわる意味がわからない。そんな風に話した。
今にして思うと、藤野谷がオメガを避けるようになったのは母親の影響も大きいのかもしれない。そして三波が藤野谷の母と色々な意味で真逆だとすれば、それだけでも、藤野谷には必要なことにちがいなかった。
鍋からいい匂いが立ちのぼってくる。俺は作り置きの鶏ハムを切り、パンをオーブンで温めた。いつものようにキッチンで食べようとして、急にひどくからっぽな気分になった。
料理一式をトレイに乗せてリビングに戻る。TVのチャンネルを回しては消し、ネットの動画をクリックしては止めながら、しばらく迷っていた。冷めかけたスープを何口か食べて、やっと心がきまった。
俺は加賀美のアドレスにメッセージを送った。署名には零と書いた。
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