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【2020/05 友よⅢ】③ (*)
もう十分すぎるほど熱感と硬度を持っているのに、先端は軽く埋めたり戻したりを繰り返して中に入ってきてくれない。ハルくんは発情して目を潤ませているおれの顔を傍らから覗き見ている。
「アキくん、なんて言えばいいかわかるかな」
「も、むり、いれて…」
焦れて体の奥が疼いてたまらない。情けなく震える声でねだると、尻を手の先で強く叩かれた。
「そうじゃないでしょう、アキくんはいつからそんな悪い子になっちゃったのかなあ」
いつからってさ、そんなのとっくの昔からでしょ。知ってるくせに。でも、そう言われる度にひどく興奮する自分がいる、
「答えがわかるまで叩いてあげる、100数えるまでに思い出そうね」
ハルくんはそう言って繰り返し、おれの尻を打った。あっという間に10、20と数が重なり、痺れ始めた膚を時折ハルくんが指の背で擽ると、他では得られない甘美な快楽が体を駆け巡り、脳髄まで痺れさせた。
「アキくん、どうしたの、お口から涎垂らしちゃって」
尻を打っていた指先で顎先に伝う液体をそっと掬うように口元を撫でると、その指を強引に口にねじ込んできた。強引に抉じ開けて、直に、口内を隅々まで探って蹂躙する。溜まっていた唾液が溢れ出て滴る。
「ね、そんなになっちゃうほどほしいのに、まだわからないの?」
そのとき、ぬぷ、と音がして先端だけいきなり中に押し入ってきた。しかし、それ以上は入れてくれない。脈打つ感触が伝わり、渇望が激しくなる。
「ほら、いれてあげたよ?これでいいの?」
「やぁ、ちがう…」
口答えするおれの尻を改めてハルくんが強く打った。再び打擲しながらハルくんは囁く。
「ねえ、もう少しで50だよ、100数えて、わかんなかったら、今日はもうやめるよ、いいね」
言わなければいけない言葉はたった一つ。わかっている。でもそれを言うのはギリギリまでひっぱって、それから。80を過ぎた辺りでおれはようやくその言葉を言った。
「ハルく…ごめんなさ…い」
「ん?なあに?もっと大きな声で言って?」
ハルくんはまだ手を緩めない。
「ごめんなさい、ハルくんごめんなさい」
「ん?それだけ?」
手を止めて、心底愛おしいものを見る目で、おれを慈しんで見つめる。
「いいこにするから、もう、ゆるして、くださ…」
「ふーん、ほんとかなあ」
そう言いながら、少しずつ、その答えを待ち受けていた砲身をゆっくりゆっくりと奥へと押し進める。中の膨らみに張り詰めた先端がこすりつけられて一気に快楽を押し上げる。
やがて奥の肉襞を味わいながら突き当りに到達したそれが、ほしかった重みのある刺激を腹の奥に与えた。
「うそじゃないもん、おねがい、もう、むり」
もっと奥を突いて、探って欲しがって無意識に腰を振っている自分がいる。
「アキくんはほんとにはしたないねえ、いいよ、すごくいい」
ハルくんは全体重かけておれに乗っかって、腰を動かし始める。左右から脚で押さえつけられ逃げ場がない状態で、完全に拘束されてされるがまま犯される。
「世界一かわいい、愛してる」
荒い呼吸の合間合間、きれぎれに何度も繰り返しハルくんは言った。
一定のリズムで与えられる重みのある衝撃と、花瓶になった膨らみと粘膜の襞を繰り返し捏ね回される快感、否応なく聞こえてくるその音で掻き立てらてる羞恥とで何も考えられなくなる。
全身を反らせて達するおれを押さえつけて、ハルくんは容赦なく続ける。余韻も引ききらぬ体を強引に喚起し、繰り返し達し忘我して耽溺するのを愉しんでいる。
おれが気を失いそうになると、容赦なく再び尻を抓り、打ち、肩や項を強く深く咬んだ。
「やだぁ、も、やめて、おかしくなっちゃう」
「いいんだよ、なっちゃえよ、そしたらおれが養ってやる」
何度目かの絶頂の末、おれは堪えが効かなくなって声を上げて、大量に体液を溢れさせた。自分では止めることが出来ない。生暖かいものが溢れ出て腿を汚し、同時に意識が霧散していく。
薄れ行く意識の中で。ハルくんがおれに微笑みかけているのが見えた。
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