10 / 38

俺の親友が

「んー…、考えたよ、うん、ちゃんと返事するから、今はいいじゃん」 「へぇー。付き合うんだ?」 「は!?べ、べつに…」 「わかりやすい、わかりやすい(笑)いいよ、俺はそれでもいいって思う。お前が一晩考えて出した答えだろ?三春よろこぶよ」 「でもさぁ…やっぱさ」 「しっかりしろよ!男だろ!腹くくれよ!1度は決めたんだろ」 背中に思いっきりしばかれた。 地味に痛い。けど、ありがたいかも。 「ごめん、弱気になってた。ありがとう」 「おう。頑張れ。俺も真面目になろうかな」 「え、なに、きも」 「うわ、ひど!もういいよー、志々雄きらい!」 「子供か」 「まだ子供だもーん。あ、ごめん、ちょっと。授業には戻るから先行ってて」 「分かった」 真中に軽く手を振る。あ、なるほど。彼女のとこか。さっき別れたいって言ってたけど、ほんとかな。 真中のことだから別れてもすぐ恋人出来るんだろうな。周りがほっとかないってか。モテすぎだろ。アホっぽいのに、どこが良いのか女子のポイントが分かんねぇよ。 教室に着き、ケータイを見る。 さっきの返信が来ていた。 【よく寝れたよ。真琴さんと話したからかな?早く土曜日なってほしいね】 うぐっ…可愛い…! 俺も早く会いたい。柔らかい身体をぎゅっと抱きしめたい。癒されたい。 【土曜日なんてあっという間だろ。楽しみにしてる】 カッコつけて返して何か恥ずかしいな…。 てか小学校ってケータイ持って行ったらダメだろうが。あいつ持ってんのか…。 【今からドキドキしちゃって授業集中できないかも。真琴さんもそうだといいな】 あいつ!! 何で…!くそ…照れるじゃん…。 【ばーか】 あいつに恥じらいはないのか。 俺ばっか騒いでバカみてぇ。 授業前のチャイムが鳴ってケータイを仕舞う。 そういえば、真中アウトじゃん。 鳴り終わり同時に教室の扉が開いた。 「セーフ!先生は!?いねぇ…焦ったぁ」 戻ってきた。てか、あいつ、顔…。 明らかにしばかれた痕が…。 「真中ー、お前、いい顔なってんじゃん(笑)」 「うっせーな、ケジメだよ」 クラスメイトのヤジにヤケクソに返す真中。 今までの相手でもこんなことなかったのに。 あいつ、本命できたんだ。 俺の前の席に座ったところで、ニヤケ顔が隠せなかったが声をかけた。 「真中。お前もやるじゃん。本命できたんだろ、言えよ。応援してるからさ」 「あー…情けねぇから言いたくなかったんだよ。ちゃんとケジメ付けてからお前には言うつもりだったし。親友だろ、いつかは話してたって」

ともだちにシェアしよう!