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会いに行く

 話半分にしか聞いてなかったから確信は持てないけど、たぶん、あの女子は僕らのことを見た。それを言いふらすって言いたかったんだ。  やっぱり、としか言いようがない。  嫌な予感当たってたんだ…。真琴さんが知る前に何とか出来て良かった…。  恋愛は山あり谷ありって言うけど、好きな人にはずっと幸せであってほしいって思うじゃん。 「ただいま」 「おかえりー。あ、三春。いま、人来てるからよろしく」   人?彼女じゃないの? 「彼女?」 「…そんな感じ」  は?意味わかんない。 「前言ってた本命の?」 「そう。だから失礼なことしないでな」  へぇ…それはちょっと気になるかも。 「僕も1個言うことある。真琴さんとの関係、女子に見られてたっぽい。言わないって約束したからもう大丈夫だけど」 「あっ!?まじか!へぇー!大丈夫だった!?お前結構裏表激しいとこあるじゃん!だからキレたんじゃないかって思ってさ」 「止めてくれたから未遂。その子と和解したし、友達なった」 「え、なにその展開。ま、結果オーライだな。良かったな、何もなくて」  頭ぽんぽんされていつもなら鬱陶しいってのけるのに何となくされるままにした。 「今日、お前かわいいな」 「は!?」 「大人しい?志々雄と初対面した時の猫かぶりで可愛かった時みたいな?」 「えー…そんな態度してた?キモイね」 「素直じゃないねぇ、この弟は。あ、そうだ、志々雄がなんかモンモンしてたぞって伝えたからな!」  モンモン?どういう感情? 「兄ちゃん、出かけてくる」 「遅くなんなよ」  兄の本命見てみたかったけど、今じゃなくてもいいしね。真琴さんの方が優先。すぐに支度し家を出た。  ピンポーン 「はーい、ちょっと待って」 しばらくして扉が開いた。急いで出てくれたんだって分かる。少し上がった息にグッとくる。 「こんにちは、真琴さん」 「三春!もしかして、あいつが何か言ってた?」 「え?やだなぁ、僕が会いたかったんです。真琴さんに」  兄に言われたけど、これも間違ってないし。 「そ、そうか…上がれよ」 「お邪魔します…お兄さんは?」 「あー、どうだろ、今日は家帰ってんじゃね」  彰さん一人暮らししてるんだっけ? 「真琴さんは僕に会いたかった?」 「えっ…分かるだろ…この前変な感じになったし…もっとさ…」  イチャイチャしたいって思ってくれてた?  本当に…。 「可愛いですね…大好きです」 「お、おぅ…」  居心地悪そうに身じろぎしちゃって…勃ってるの気づいてるからね…?

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