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第14話

結月が穂高に心を開いていく中、執事の有坂に勧められ、庭には季節の花々を植えた。 「いつか桜の木も植樹されては如何でしょう」 有坂の提案に穂高も頷いた。 広い庭の丸いテーブルのウッドチェアで花を見ながらお茶をしたり食事をしたり、結月にもいい気晴らしになるだろう。 ブランコも作らせているし、もっと遊具を揃えてもいいかもしれない、と晴天の下で穂高は考えた。 「穂高様、お食事の用意が出来ましたよ。結月様もお待ちです」 穂高を幼少から知る、家政婦が庭先に立つ穂高に声をかけた。 ダイニングテーブルのあるリビングには白のトレーナーとデニム姿の結月が穂高を待ち、穂高の姿を目にすると笑顔を見せた。 「待たせたね、結月。食事にしようか」 「うん!」 結月は好き嫌いもなく、ナイフとフォークを使う様も熟れている。 13歳とはいえ、きっちり躾され、育てられたのだろう。 「美味いな、結月」 「うん、どれも、とっても美味しい」 はにかむ結月に穂高も笑顔になった。 そして、結月の誕生日が迫ってきていた。 「それで。誕生日に欲しいものは見つかったかい?」 「ううん、なんにも」 「そうか、それは困ったな...」 「穂高先生がこうして一時的にでも、僕のことを大切にしてくれて。僕はそれで充分です。それ以上、望んだら、僕、天罰喰らいそうです」 まっすぐに見つめ口元を綻ばす結月に穂高は心臓を鷲掴みされるようだった。 結月の物質に囚われない純真さが穂高には眩しかった。

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