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第36話

不意に。 史哉は拓磨の腕を掴み、引っ張った。 「あ、危ないだろ!史哉」 史哉を守ろうと、拓磨はベッドの上で史哉を押し倒す形になる。 「....抱いてよ、拓磨....」 ピンク色に頬を染め、拓磨の目を見つめたまま、そっと呟く。 「もう酔ってんのか?顔、真っ赤だぞ」 「酔ってなんかない。初体験の仕切り直ししてくれる、て言ったじゃん」 相変わらず、唇を尖らせ、生意気な口調。 照れ臭いだけだとわかる拓磨はそんな史哉が愛らしかった。 頬を片手で優しく包むと、史哉の体がぴくり、反応した。 自分からリードするセックスしか史哉は知らない。 穂高からリードされたことはなく、緊張していたが、相手が拓磨なんだ、と拓磨の端正ながら優しい面持ちに安心した。 「....史哉。好きだ」 「僕も....」 キスを交わす前に言葉にした。 奪われるような激しいキスに史哉は翻弄された。 バスローブをはだけ、全身を這う、拓磨の大きく温かい手のひらの感触にも胸が高まった。 首筋、項、乳首にもキスをされ、優しく吸われ、甘い吐息が漏れた。 「ああ....っ、あっ....」 体にキスをし、舌を這わせる度にピクピク跳ねる史哉の紅潮した肌。 本当にまるで処女のようだ、と拓磨は感じながら、懸命に史哉を愛撫した。 太ももをなぞり、口付ける。 バスローブを脱がせ、自らも脱ぐと色白で細い太ももを持ち上げ、ピンク色の蕾に舌を這わせた。 「あ、ああ....っ」 顔も体もピンク色に染め、史哉は拓磨に体を預け、親指を噛んだ。 史哉の蕾に指を入れ、丁寧に解すと、史哉の蕾から愛液が溢れてくる。 Ω特有の花のように甘い香りが部屋中に漂った。 「あっ、...ああっ....」 瞼を閉じ、恍惚とした表情を浮かべ、口元に手を置いていた。 枕元のコンドームに手を伸ばす気配に、史哉は目を開く。 「付けないで」 「....付けないで、て....外出しするか?」 未だ、頬を紅潮させ、虚ろな瞳で首を横に振る。 「付けないで。欲しい。中に欲しい。拓磨の精子」 拓磨の瞳を見つめたまま、懇願した。 「....いいのか?」 「欲しい。拓磨。拓磨の....」 「わかった。わかったよ、史哉」 拓磨は快楽に溺れながらも必死に伝えてくる史哉の唇を塞いだ。 口付けを交わしながら、史哉に勃起を沈めていく。 根元までがっちり押し込むと、史哉は、早く、と急かし、仰け反った。 初めて交わった史哉の中は熱く、蕩けるようだ。 「あ、ああん....あっ、あ....!」 腰を打ち付ける度に、普段は生意気な物言いばかりな史哉は可愛く甘えたような喘ぎ声を絶え間なく零す。 「....愛おしい....」 夢中で自分の背中にしがみつく、細い腕。 「拓磨、拓磨....」 自分を呼ぶ、史哉の切ない声。 どちらからともなくキスを交わしながら、互いに夢中で求め合った。 「あ、あ、イキそう、イキそう、拓磨」 グチュグチュと腰を動かす度に愛液でたっぷり濡れた結合部が音を立てる中、腰をくねらせ、史哉は射精した。 史哉の膣と化したアナルに突然、きつく締め付けられ、追うように拓磨も史哉の中で射精した。

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