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水曜日の恋人はいじわる⑤ ハァハァ喘いでいる顔ってレアだから!!♥

「や…、ちが…ッ、誤解、だ…ッ…ァ…!」 誤解のままに遼太に押し倒されて思わず声を上げた。 俺の水曜日の恋人こと三田遼太(書記)が今日は早速エロを始めようとしている。 放課後の生徒会室に入るなり、カーテンはサッサと締め出し、ドアに鍵をかけてクソ重い棚をズルズル引っ張って扉前に置いた。 いつも完全密室の準備をしてくれるけど、今日はいつになくエロを開始する準備が早い。 椅子に座って「準備早いな」とボーッと見ていた俺を「ちょっと立てよ」と言い、後ろから抱き着いて来たと思ったらベルトに手を掛けた。 中々射精しない『男の鏡』のようなヤツだから、早々に開始してくれるのは大歓迎なのだけど、何を興奮しているのかキスもしないで下だけ脱がせて挿れてこようとするのは、どうなんだ? しかも俺を立たせたままで? 後ろから抱き寄せられ、肩に乗った顔は俺の頬や首筋にスリスリと摺り寄せられている、尻に当たる熱い塊もまた摺り寄せられ、ヌルヌルと穴をこじ開けようとしている。 立ったままで、するなんて無理だろ、思わず「ちょっと待て!この体勢は無理だって!」と訴えたら作業テーブルの上に上半身を押さえつけられる格好なった。 振り返るとブレザーを脱いでネクタイを緩めている遼太が早くも挿入しようとしていて驚いた。 いつもはキスやら愛撫やらが異様に長いのに珍しい。 先週の水曜日は、お父さんの容態が悪いと言う理由でエロを自粛中とやら言いながら、長時間まったりとエロいコトをしていった。 今日は容態が安定したらしく生徒会室に入るなり自粛解除を宣言して早々に抱き着いて来たけど、少し手荒い? 別に何をされても良いのだけど、後ろからするのは腹の中に入り過ぎて苦手だ。 何を考えているのかは分からないけど、この格好が興奮するのならしょうがない、堪えてやろうではないかっ!! 俺も男だから受けて立つ! ――数分後―― ……!……ッゥ…!!…!!! …ッ!、無理…ッ!!! 穴の位置関係からして挿入しやすい場所にあるのは分かるけど、奥まで入り過ぎて怖い。 上半身を作業テーブルに預けているから、挿入角度をズラそうにもズラせないし、体格差のある遼太に押さえ込まれると動けない。 抽挿されるままに体を揺らして堪えて来たけど、もうダメ、本当に無理。 固いテーブルに当たる頬が痛い、刺激で体はビクつき反応するけど、気持ちが乗らない。 繋がっている箇所はグズグズと音を立てているけど、気持ちいいより怖い、何より遼太が遠い。 途中で止めるのはどうかと躊躇ったが堪えられそうもないので声を出した。 「…ごめん、遼太、格好変えてくれ…。」 「ん?嫌なのか、この格好?」 「…顔が見えた方がいい…。」 「そうか、分かった」と答えが返って来て、ズルッと引き抜かれて作業テーブルの上に座らせられた。 なんで作業テーブルの上なんだ?と疑問に思っている内に遼太の口がガッツリと俺の口にハマる。 …あ…♡、…♡、♡、♡♡♡ 後ろからするより、キスする方が全然気持ちいい♡ 思わず遼太の、もふもふした髪に手が伸びる。 テーブルの上座っている俺よりも背が高い遼太、キスをしながらブレザーやらネクタイを器用に脱がしてきて、同い年なのにモテるヤツは違うと考えていたら、またしても作業テーブルの上で続きをしようとするから慌てて降りた。 テーブルを指さして遼太に言った。 「何?なんでテーブルの上なんだよ?」 「いいじゃん、テーブル上ってさ。」 「いやだよ、仕事する場所だし。」 「仕事なんかしてないだろ?」 「してるよ、たまに。」 「昼間に、ここでカトちゃんと居たのは仕事だったのか?」 垂れた目だけど今は怒っているのが分かる顔を向けられて少したじろいだ。 カトちゃん?誰?、昼間? 今日の昼間に生徒会室に来たのは遼太と副会長の女の子、名前は加藤葉月だったかな? 加藤だからカトちゃん、なるほど! 普通に日常会話をしていただけなのに、なんでそんなに怒るかな? 半裸のままで話すのはどうかと思ったが、誤解があるなら訂正しないといけないと感じた。 「普通に話をしていただけだが…。」 「距離が近かったし、笑ってたぞ。」 「そうかな?笑ってた?俺が?」 「俺には、怒った顔とか困った顔とか、ハァハァ喘いでいる顔しか見せないのに。」 ん?怒っている原因はそれか? 昼休みに副会長(女の子)と話していたのが気に入らなかったみたいだ。 って、おいっっっ!! ハァハァ喘いでいる顔こそレアだろ? 親も見たことない顔なんだから、ありがたがれよ! それにしても、そんなに笑わないか?俺は。 作業テーブルでシようとしているのはテーブルを使わせない為? 遼太の手が俺を捕まえようと伸びて来る、捕まったら作業テーブルの上に戻されそう。 俺も男だから女の子には優しくするものだと躾られて育っている、笑っていたのは愛想笑いのはず、副会長に付き合って欲しいとは言われているけど好意は持っていない。 抵抗も空しく普通に捕まりテーブルの上に押し付けられる俺。 無駄かもしれないが声を上げた。 「や…、ちが…ッ、誤解、だ…ッ…ァ…!」 作業テーブルの上、ガタイの良い遼太に俯せにされて両手を掴まれ身動きが取れない。 「今日はここでする。」と耳元で告げられて遼太は意外に嫉妬深いなと思った。

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