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身長はまだ成長期がきてないだけで …これからもっともっと高くなるはずなんだ。 ぽんぽんと頭を上から偉そうに撫でられることもない。 執事に膝の上に乗せられて何故か絵本を読み聞かせされたり、 積み木を並ばされたり お姫抱っこされながらぐるぐるされてわーぎゃー叫ばされたり 色んな服を恍惚とした表情で無理矢理着せ替えさせられたり しない。 …ようになる…はずだ。 流石にずっとこのままということはないだろう。 …考えただけで恐ろしい。 眉をぎゅっと真ん中に寄せて、むぅと唸る。 そうならないために、 毎日ちゃんと背が伸びるようにお祈りしながら、腹がたぷたぷになるまで『さっくん特製すぺしゃるミルク』をたくさん飲んでいるのだ。 …このままじゃ執事であるさっくんより低いし、主人として示しがつかない。 早く可愛いじゃなくて、格好いいって言われるようになりたいな。 「……ふん」 しかも、正孝に言われたのは身長のことだけじゃなかった。 ”お前は執事に弄ばれてるんだよ” いつも、悉く言われる言葉。 「…何回も違うって言ってるのに。ごうじょーなやつめ」 おれはさっくんに良いようになんかされてない。そもそも主人はオレだ。 執事に良いようにされてるんじゃなくて、これをさせるのがただ日課になってただけだ。 (……でも、) 少しだけ心が揺らぐ。 ご飯を食べさせてもらうのはまだ良いとしても、ちんちんをいつも執事に触らせているのはおかしいと、正孝は言っていた。 (…そうなのかな。あれだけ強く言われると、正孝の言うことも一理あるかもしれないと思えてきてしまう…) 実際正孝はひとりでもうできるらしいし。 確かに今まではさっくんに毎日してもらってた。 だから、ひとりでやれるかと聞かれたら、…いまいち自信がないのも事実だった。 「や、でも、」 俯いて、唇を噛む。 いかんいかん、とぶんぶん首を横に振って、怖気を振り払った。 「…っ、よし、やるぞ」 ごくり。 今一度、唾を飲みこむ。 思いのほか、大きな音が鳴る。 …一応先程エロ雑誌を読みふけっていたことにより、勃起の準備は十分だった。

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