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…………………
結局、頷いただけでは納得してもらえず、「どうされたいですか?」ともの凄くイイ笑顔で聞かれ、何回お願いしてもしてくれなかった。
……挙句の果てに「…っ、ちんちん、できもちよく、なりたいから…指で…して、おし、おしえ、て」なんて羞恥心で狂い死んでしまいそうなセリフを最早泣きそうになるまでに言わされ続け、やっとしてもらえることになったのだった。
「…っ、ぅ…」
(さっくんはあいかわらず…いじ、わるだ…)
でも期待でちんちんが硬くなって、じわりとお腹の奥が熱くなる。先端から汁が出る。
だって、できると思ってたのに、ただ痛いだけのむずむずするという苦痛を味わうという拷問に、かれこれ一時間かけていたのだ。
(…しょうじき…はやく、イきたい…)
イきたくてたまらない。
「ちなみに、録画の許可は…」
「っ、し、しないに決まってるだろ!!」
「……」
「そんな子犬みたいな目してもぜったいに許可なんか出さないからな!」
「……畏まりました。ではその分しっかり拝見して堪能させていただきますね」
「それはそれで恥ずかしい、し、言い方おかしい気がするんだけど…」
借りてきた猫のようにむむ、と眉を逆立てていると
おいで、と微笑んで伸ばされた手に従い、指示通り、執事のすらっとした長い脚の間にちょこんと座る。
「………」
「……な、なんだよ…」
「はぁ…やっぱり夏空様の香り、さらさらとした髪…透き通るような肌の透明感…やわらかさは最高です…」
「う、ううるさいぞ!…っ、は、はやくして…く…れ…」
(…なんか、早くやらしいことしたいって急かす変態男みたいだ、オレ…)
ハタとそのことに途中できづき、言葉尻が勢いを弱めてすぼんだ。
後ろからぎゅうっとされ、すっぽりと腕の中に収まる自分に相変わらず嫌気が刺してくる。
…こうすると余計に自分の体格の小ささが露見されて嫌だ。
「…夏空様…」
「……」
ぎゅう。
「…温かい体温…美しい御顔……嗚呼やっと帰ってきた…」
「……」
ぎゅうううう。
「夏空さ」
「ええい!!!いつまでも夏空様夏空様と…」
やる気あんのか!とむっと顔を歪ませながらばたばた手足を動かして振り払う。
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