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…ぎゅっと目を瞑ったまま…、背中にぽふんと当たったクッションのような感触に、そっと瞼を開く。 首に回していた腕を外した。 「………?」 寝かされているらしい。 周りをきょろきょろすると、…そこはソファーの上だった。 横になってる身体のすぐ横…ソファーの背もたれの縁を掴んださっくんの手。 と、同時に、オレの太腿のすぐ外側らへんに膝を乗せてきたせいで、軽くその重みでソファーが沈んだ。 「…え…、なんでここに、」 「…美味しそう…」 (…“美味しそう“…?) どう考えても、今この場に食べ物なんかない。 …なのに、そう呟きながら、熱く濡れた瞳はこっちに向けられていて、 しかも、 「…っ、…な、」 なんでだ。 なんでこうなった。 …さっくんが、右脚を股の間に差し込んできて、上に馬乗りみたいに跨ってきた。 というか、覆いかぶさってきた。 (…な、なんで押し倒してくるんだ…!しかもまた膝が、股の間に…っ) いつもいつもそうするから、足を閉じられないだろ…!!さっくんのばか! 「…っ、ぁ、…ちょ、だ、」 体勢が安定すると、手が、オレの顔のすぐ横に置かれる。 もう片方の手で頬に触れてきて、…今にも唇が触れそうなぐらいに顔を近づけてくるさっくんから視線をそらし、 その胸板を押そうとして、 「…っ、わ、」 ちょっと横を向くと、通せんぼをしてるように顔の横のソファーについてるさっくんの手の向こう側は、端までの距離がほとんどないことに気づいた。 あんまり暴れると落ちそうな気がする。 オレだけじゃなくて、さっくんもだ。 ここで力一杯に突き飛ばしたら確実にどっちかが落ちる。 (……簡単に抵抗できないようにするために、わざとここを選んだんじゃないだろうな) なんて疑いつつ、あわあわと身体を捻ってなんとか安全に逃げようとした。 ……すると、 手を、下からすくい上げられ、絡めるようにして繋がれる。 そして、 「え、」 ……頭の上に、両手首を片手で掴まれて纏められた。 「…?!っ?!」 挙げられた腕にぎょっとすれば、目の前の顔がにっこりと綺麗に微笑む。

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