1 / 1
sleepy...?
寝る準備を整えて、二人で潜り込んだ狭いベッドの上。
ころり、と颯真の方へ寝返りを打った。
「……ねぇ、颯真」
「……んー?」
「あの……」
「ん?」
「……あのさ」
「ん?」
ふわ、と。小さな欠伸が聞こえたら、ううん、とそっと首を振る。
「……なんでもない。……ほら、早く寝よ」
「……ん?」
早く早くと、気取られないように颯真の腕にすり寄って、ずむ、と腕と布団の隙間に顔を埋める。
「…………司?」
「ん?」
「…………ホント、かわいいね」
「っ」
優しくて蕩けそうな声で幸せそうに呟いた颯真が、さらりと髪を撫でてくれる。
「ねぇ司」
「ん……?」
「オレ、もっと司とイチャイチャしたいんだけど」
「っ……でも、さっき」
あくび、と。びっくりして飛び起きたら、ふふ、と優しく笑う颯真の顔に気付いて。
気恥ずかしくて、ぱふん、布団に倒れて掛け布団を目の下まで引き上げる。
「ねぇ、司」
「…………何?」
「気ぃ遣わないでよ」
「……」
「イチャイチャしたかったら、イチャイチャするから」
「…………イチャイチャしたかった訳じゃ……」
「ん?」
「…………」
オレを窺う、柔らかくて優しくて、でもほんのちょっと意地悪な視線から目を逸らして、口の中でもごもご呟いてたら。
つん、とおでこをつつかれて、しぶしぶ颯真に目を戻す。
「もっと、オレのこと欲しがってよ」
「ッ」
「大丈夫。オレも司のこと、いつでも欲しいんだから」
「っ……」
「おねだり……してくれたら、オレ、めちゃくちゃ嬉しいから」
「ぁ……」
にこり、と微笑った顔が、ふわふわした柔らかくて優しい手のひらで、頭を撫でてくれるから。
「…………そうま」
「ん?」
「……ぎゅって、して」
「ん」
ぎゅーっ、と。愛しげに笑った声が紡いで、寝転がったままの不自由な体勢で、それでも精一杯抱き締めてくれる。
「……それから?」
「ぇ?」
「ぎゅって、するだけ?」
「……………………今、は」
「ん?」
「今、は……ぎゅって……して」
「……りょーかい」
ふふ、と楽しそうに笑った颯真は、頼まなくても優しくて軽いキスを、そこらじゅうにくれるから。
「ん、ふ……っ」
「……ね」
「ん……っ?」
「もっと……オレ、司のこと欲しいんだけど」
「ッ……」
「司は、オレのこと欲しくない?」
さわ、と。お尻を撫でた颯真の熱い手のひらに、蕩けた息が零れて。
「司のこと、欲しいんだけど……いい?」
「ぁ……」
ぞくりと背中が震えるような、低くて甘い声を、耳に直接注ぎ込まれて。
顔が熱くて、そこら中がぞくぞくして。
震えた。
「そ、ま」
「んー?」
「……そ、ま」
「ん?」
「…………ほし?」
「ん。司のこと欲しい」
「んッ」
頷くと同時に。
自分から唇を奪いにいったら。
驚いていた気配が、徐々にあの、獣じみた気配に変わっていくから。
(……あぁ……好きだなぁ……)
求めて求められる気持ちが爆発するみたいな、この一瞬に、いつも心が跳ねて暴れる。
口内を蹂躙する舌に翻弄されながら、ふ、と笑ったら。
「司?」
「……ん?」
「どしたの? 嬉しそう」
「…………ん」
嬉しい、と呟いて笑ったら。
獣のカオしてた颯真が、いつもみたいに幸せそうに、顔いっぱいに笑ってくれた。
「オレも」
嬉しいよ、と紡いだ唇が、優しく唇を啄んで、手のひらが優しく頭を撫でてくれた後。
ぎゅう、と。強く抱き締めてくれた腕と、伝わってくる布越しの熱に、そっと震えた体を。
さらに追いたてるように手のひらが這っていった。
ともだちにシェアしよう!