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 だけど問題なのは、もうひとつの方。オレの、夜の顔。  実はオレ、魔法男子なんだ。  そう!! 女の子が好きな、膝上のフリフリスカートにどこぞのコスプレですか的なレースばっかりが目立つ桃色のワンピースを身に着け、金色に輝く、先端に星形の飾りがくっついているファンシーなステッキを持ち、魔法を使って敵を倒す、世界平和のために戦うアレだ!  オレは、『それ』になってしまった。 「七瀬様、お急ぎください! 学校が始まります!」  オレの前を移動して急かすのはポポル。親指くらいの小さな身体をしていて、背中にはトンボのような透明で淡く輝く羽根がある。彼は妖精で、魔力を持つ者しか見えない。何を隠そう。このポポルがオレを魔法男子の道へと走らせた張本人だ。

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