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「王子! ご無事で何よりです!! 記憶も戻られていらっしゃるのですね?」 「うん、隠していてごめんね。この世界の両親に迷惑をかけたくなくて……。実は魔力も以前よりも使いこなせるようになったんだ」 「それなら話は早い。ゼレンティーテにお戻りいただけませんか?」  ――ここは何処だろう。ポポルの声がする。 「ごめんね、俺はこの世界で七瀬と生きていきたいんだ。父さんと母さんには、何れ正式な文章を送って知らせるつもり――」  真城がオレの名を呼んだ? 「ん、ましろ……?」  ここは何処? オレ、どうしたんだっけ?  なんでだろう。身体がすげぇ怠い。  閉ざした目を開けようとすれば、思うように目が開かない。 「疲れただろう? もう少し眠るといい」 「ん……」  優しい声に導かれ、オレはふたたび静かに瞼を閉じた。  **第1話・END**

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