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第58話 運命はただそこに⑧

「僕が君を愛する幸福を、今から享受させて欲しい」  ルシュディーの褐色の肌がほんのりと赤らみ、濡れた瞳で僕を見上げる。と、ルシュディーが苦しそうに短い呼吸を繰り返した。 「ッ、スウードに……発情、させられ、た……っ」  ルシュディーの赤い唇が艶めかしく思えて、唇を重ねた。犬族の本能か、味を確かめるように唇を舐めると、ルシュディーが口を開けて誘うように舌を絡ませる。  甘美な刺激が舌先から頭蓋の奥の脳に伝わっていくようだった。堪らない気分になって、何度も押さえ付けるようにして唇を重ねる。と、ルシュディーが僕の下でびくんと小さく身体を震わせた。  正気に戻って唇を離すと、目に涙を湛え恍惚として熱い息を吐き出していた。 「うそっ……キス、だけでイっちゃたぁ……っ」  身体が燃えるように熱かった。呼吸を荒げながら、汗で張り付く服を脱ぎ捨てる。ルシュディーも脱ぎたいのか、斜めに巻くような形状の服の止めてある肩紐を解こうとするが、上手く力が入らないのか紐を引っ張ることができない。僕が肩紐とズボンを縛っていた紐を解き、服を取り去った。  機能的に意味があるのか分からないくらい布面積の小さな下着が露わになる。そしてそこは精液と愛液で元の色が分からないほどで濡れていた。 「はぁ……スウード……早くっ、欲しぃ……」  ルシュディーは両端の紐を引き下着を脱ぐと両脚を開いて、秘部を露わにする。小ぶりな陰茎は先程達した時の白濁を纏い、肢の付け根の孔は期待するようにひくついていた。そっとそこに触れると、指先に液が纏わりついた。 「……濡れてる」  指を押し込むと、簡単に根元まで入ってしまう。 「あっ指、太ぃっ……!」 「ごめん、痛い?」  ルシュディーは首を横に振り、僕の首に腕を絡ませる。 「スウードに、触られるだけで……気持ちよすぎてッ……またすぐイきそっ、なる……!」  初めて交わった時のルシュディーは随分と余裕そうに見えたが、今は発情期のせいか息も絶え絶えの様子だった。その姿が僕の本能を刺激し、焚きつけた。更にもう一本の指を挿し入れ、中を弄るように動かす。 「あぁっ、スウードっ……気持ちいッ……!」  仰け反りながら喘ぐルシュディーを見下ろす。褐色の肌に浮かぶ、上向いた淡い紅色の乳頭が目につき唇を寄せ舌で舐め上げた。瞬間、ルシュディーの中が収縮し、腰がびくんと動いた。 「それだめっ……! すぐイくっ、から……!」 「あっああ、すまない」  さっと唇を離すと、ルシュディーは何故か顔を真っ赤にして不機嫌そうに口をへの字にしていた。そして、僕の頭を自分の胸に押さえ付ける。 「ホントに止めるなって……! エッチしてる時は、嫌とか駄目とか言ってもしていいから……!」  経験が浅い僕には分からないが、そういうルールがあるとは。確かにルシュディーも口ではだめと言いながら身体は拒絶していなかった。 「分かった。ルシュディーが何を言っても、もう止めない」 「ッあ、あっ」  両胸の突起を片方を舌で、片方を指で弄り始めると、中がその刺激に反応するように動き指を締め付ける。中を拡げるように内壁を指で押すと、ルシュディーの腰がびくんと動いた。何かしこりのようなものが壁の向こうにあるようだった。 「そこだめっ……押すなぁっ……!」 「ああ、分かった」  指先でしこりを刺激するように何度も押し上げる。ルシュディーは嫌とか駄目とか言いながら、身を捩って悦んでいた。 「あっあっ、はぁんッ……!」 ルシュディーが激しく腰を痙攣させる。同時に中が収縮し、指が強く締め付けられた。

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