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プロローグ・4

   今まで何度も聞いた言葉。  いつも優しい、優希のセリフ。   彼はいつも、俺の事を解かってくれる。  誰より傍にいてくれる。  そう、ほんのさっきまで恋人だった子より、ずっとずっと……。  そこで息を呑んだ。  ベーグルの塊が喉に詰まり、要人はげほごほと盛大にむせた。 「大丈夫か」  飲み物を差し出し、背中をさすってくれる優しい手。  ごめん、とその日はそれで終いにした。  自分でも仰天する、でも妙に納得もいくその感情。  その日は、それで蓋をした。  でも、日に日に湧き上がり、膨らんでゆく気持ちが抑えられなくなるまで、そう時間はかからなかった。 『優希が恋人だったら?』  幼い頃からいつも一緒にいた二人。  誰より通じ合い、誰より解かり合っているはず。 『あなたみたいな素敵な人に、やっぱり私はつり合わない。他にもっと、お似合いの人がいるはず』  生徒会長と副会長という俺たち二人。  そんな人間につり合うのは、似合いの相手は、もうお互いしかいないんじゃないか?  想い始めると、募る。  募れば、苦しくなる。  苦しくなると、吐き出したくなるこの気持ち。  

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