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第1話

「薔薇が欲しい」  唐突に俺はヤツに言った。ヤツは「何言ってんの?!」って顔してこっちを振り向いた。 場所は校舎の屋上。ホントは入っちゃいけない場所だけど公然の秘密みたいな、鍵はかかってるけど皆窓から出入りしてる場所。 今ここに俺らの他、誰もいないのは単に授業中だから。 俺・高坂透羽(こうさか-とわ)と、こいつ・上原弦(うえはら-げん)は音楽の授業が嫌で今サボってる最中だ。ちなみの学年は一年。でも来年も一年をするつもりはない。今日は特別だからサボったんだ。 「薔薇ってなんだよ」 「俺、今日誕生日じゃん」 「ああ。だから帰りはお前の食べたいもの奢ってやるって言ったよな?」 「うん。それプラス薔薇が欲しいっ」 「何で?」 「あーーー、理由は強いてない」 「俺、お前が食べたいもの食べたら、その時点で財布は空な気がする」 「一本でいいんだよ、一本で」 「だからその理由」 「強いてないって。あっ、強いてがあった。強いて。強いて言えば付き合って一か月記念っ!」 「女みたいなこと言うなよ」 「侘びしい俺の部屋に彩りをくれっ」 「俺の部屋にも花どころか緑もないけどな。そんなの男の部屋なら普通だし」 「普通でも普通じゃなくてもいいんだよっ! とにかく俺は薔薇が欲しい! だからくれっ!」 「……いいけど、じゃあ食べるな。食事なしで」 「いや、食事は食事で一品くらい食べさせて欲しいっ」 「……贅沢なヤツだな」 「それは謝る」 「じゃ、体で払うか?」 「何のために」 「付き合ってるんなら、『いいよ』くらいのリップサービス!」 「あーはいはい。いいですよ。俺でいいのならズブズブどうぞ? それともチュパチュパするか?」 「お下品なヤツだなっ」 「すみませんね。学がないもんで」 「何言ってんだ」 「なあなあ。初めてのおねだりくらい一発OKしろよっ」 「分かった分かった。じゃあ学校終わったらな」 「やった!」 〇 「ぇ……これ?」 「駄目かよ」 「いや、予想以上だったからびっくりしてるって言うか…………」 「以上ならいいだろ?」 「いいけど……」  照れる弦を初めて見た気がする。 付き合って一か月だけど、同じクラスだから知り合って半年くらいかな。 俺より頭ひとつ背が高くて真っ黒なツンツン髪が印象的なヤツで俺からアプローチしたら簡単に乗ってきた。 最初はお互い知りたがりな年頃だからだと思ってたけど、それだけじゃないなって最近思うようになった。  ファミレスで食事して俺の家に来ることになっていたんだけど、途中に花屋があって「買ってくれるのかな?」と思っていると「外で待ってろ」と言われて首を縦に振った。 待つこと数分。 店から出てきたヤツが持っていたのは一本の薔薇なんかじゃなくて束になった真っ赤な薔薇だった。で、最初に戻る。 「高かっただろ」 「思ってるほどじゃない。高級な薔薇一本よりも中くらいの薔薇いっぱいのほうがいいだろ?」 「確かに」 「礼」 「ぁ、ありがとうっ!」 「じゃ、行こうぜ」 「うんっ」  なんか……気分がいい。思っていた以上のものをもらえると足取りも軽くなるってもんだ。  薔薇が欲しいと言ったのは、実は受け売り以外何物でもない。  テレビで彼氏にちょっとした無理を言ったら聞いてもらえるかどうか。そんな話題で盛り上がっていた。 その内容が『薔薇のおねだり』だったとい言うわけ。 『もらったからどうだ』とか、『もらえなかったからどうだ』と言う結果まで覚えていないんだけど、俺もしてみたいと思った。  してみて良かった!  何を試すってわけでもないのに無理を聞いてもらえるかどうかが勝負だと思った。予想以上の成果に『にんまり』が止まらないでいると提案された。 「それ、半分風呂に入れて薔薇風呂しないか?」 「薔薇風呂?」 「ああ。湯船一面に薔薇の花びら散らすやつ」 「あ~ぁ。それ、いいね」  晩飯時にならないと誰も帰って来ないのをいいことに、今日は俺の家でことに及ぼうと企ててたからちょうどいいと思った。  ちょい古めのマンション。オートロックとかついてもいない七階建ての七階。鍵もカードキーとかじゃなくて一般の鍵で玄関を開けると中に入る。 「今日誕生日なんだろ? 親とか早く帰って来るんじゃないのか?」 「平日は平日だから普通だよ。ケーキはどうだか分かんないけど」  玄関から左右にある部屋のひとつを開けるとそこに鞄を放り込む。続いて弦もそこに鞄を置くと違うドアを開けてそこに入る。 「お前はまだいいよ。まずお湯を入れなきゃ」 「そっか。焦ってんな俺も」 「ま、時間ないからね」 「まあそうだ」  いったん自分の部屋に二人して戻ると俺だけ飲み物を取りに廊下の突き当たりにあるリビングへと向かう。 腹のほうはファミレスで満たしてるからいいとして、ちょっとした飲み物はやっぱり欲しいと思うから炭酸を二本冷蔵庫から取り出すと自分の部屋に戻った。 「宿題どうする?」 「してからしよう」 「時間ないしな」 「そうそう。あ、花瓶!」  花瓶は洗面所にいくつかあったのを思い出してそれを取りに行く。 ついでに薔薇も持って行って半分は風呂用に残して後の半分は花瓶に差して部屋に戻った。 「お湯どうだった?」 「見てないけど、そろそろだと思う」 「じゃ、行くか」 「その前に言えよ。綺麗だなって」  花瓶の薔薇を見せると「うん」と頷かれて「綺麗だ」と言われた。 それが薔薇に言ってるはずなのに、まるで俺に言われてるみたいでちょっと恥ずかしい。思わず口を手で覆って顔を背けてしまうほど体裁が悪い感じがした。 「花瓶置けよ。キスしようぜ」 「ぇ、今?」 「今」 「ぁっ」  少し手荒く花瓶を机に置かれるとガシッと抱かれて唇が降ってくる。 「んっ……んんっ……んっ……」  唇が触れたと思ったら舌が絡まる。 後ろからしっかりと頭を固定されてグイグイ口の中を犯される感じ。 「しっとり」と言うよりは「ねっちょり」として満足に息も出来なくなる。 それでもヤツは離してくれなくて肩をドンドン叩いてようやく離してもらえた。 「ばっ……かっ! やめろって!」 「ちぇっ……」 「お前、おちょくってるのか?!」 「そのくらいで騒ぐなよ。風呂行くぞ。お湯が溢れるぞ」 「あ、そうだった!」  パタパタと急ぎ足で風呂場まで行くと本当にお湯が溢れる寸前で、それをどうにか直前で阻止することが出来た。 「あっぶねぇ……」 「これは少し湯を抜かないと駄目だな」 「うんまあ……まあそうなんだけどさ……」  結局三分の一ほど湯を抜いて薔薇の花びらを浮かべる。 「なんか……スゲーな」 「どう凄い」 「雑誌に出てくるVIPの風呂みたいだ……」 「俺もそう思う……」  ちょっとの間見惚れて、それからまた時間を気にする。 「ぁ、時間時間っ」  ふたりして制服を脱ぎ去ると風呂場に入って体を洗い出す。 最初はシャワーをかけ合ってボディーソープで体を洗いながらの髪も洗い合い、いよいよ湯船に……と俺が入るとそれだけでいっぱいになった。 「おいおい、俺入れないじゃん」 「先着一名様ってところだね。お前はもう一回体洗えばいいよ」 「くそっ」  でも俺の誕生日だから許されるこの優越感。  のんびりと湯に浸っていると我慢出来なくなったヤツがいつものように背中側に滑り込んでくる。 ザバッ……とお湯が零れて花びらも滑るように外に出ていってしまう。 「あっ! あ~ぁ」 「悪い。もうちょっとお湯減らそうぜ」 「花びら戻していい?」 「ああ」  必死になって床に零れ落ちた花びらを拾って湯船に戻すとやっと落ち着いて湯船に入り込む。 「最初に減らす湯の量を間違えたな」 「まあそうだけど」  やっとおとなしく風呂に浸かることが出来る。 だけど元来長湯じゃない俺はもう少ししたら出たいなと思う反面、この薔薇のいい匂いにもう少し浸かっていてもいいんじゃないかって思う気持ちがない交ぜになっていた。でもそんな間もヤツの手はお湯の中で俺の体を弄っていて股間はしごかれてるし、尻にはモノを押しつけられてるしで、ソコだけ感じまくってるって状態でもあった。 「ここで一発出しとく?」 「湯の中で? ヤだよ」 「汚れるしな」 「湯も汚れるけど花が汚れるじゃん」 「そういう?」 「そう。グダグダ言ってると時間なくなるし」 「分かった分かった。じゃ今日はベッドで激しくいくか」 「……いつもと一緒でいいよ」 〇  花びら風呂をそのままにして全裸のまま部屋に戻る。 俺は馬跳びするみたいに前屈すると広げた脚の間に入り込んだ弦がたっぷりと自分のモノと俺の尻にジェルを塗りたくって急ぎ場やに入り込んでくる。 「うっ……ぅぅっ……ぅ」  根本まで入れると腰を掴んで出し入れが始まる。 これがまた最初から下からの突き上げでいいトコ狙ってくるもんだからブルブルと身が震える。 「お前、コレ好きだもんな」 「ああっ……好きだよっ。この角度っ……突き上げっ……いいっ……後ろから突かれるのっ……好きっ…………!」  屈んで突き上げられながら両手で膝を掴む。 けど自分のモノもしごきたいから片手で近場の机を掴むと、もう片手で自分のモノをしごきにかかる。 「あっ……ぁ……あ……んっ……んっ……んんっ……んっ」 「突き上げ気持ちいいっ! もっと奥まで入れたいのにっ……くそっ」 「あっ! あっ……! あっ!」  片脚を持ち上げられると捻るように入れられて中で当たってるところが変わって喘ぎ声をあげる。 「こっちもいいだろ?」 「いいっ! ひっ……あっ! ああっ……んっ!」  グリグリ色んな方向に突っ込まれた俺は自分のモノを握りながら射精した。ドクドクッと手の中に汁が溢れる。そしてボトボトと床に落ちる。 「あああ……ちょっと足りないんだよなっ」  言われて繋がったまま今度はベッドで向かい合うと体をふたつに折っての体位になった。 「ふっ……ふっ……ふっ」  まるで運動でもしているように俺の中にモノを突っ込んでくる弦。 俺は手の中で果てたから後はヤツのしたいように身を 委ねるんだけど、これがなかなか……。  正常位でまたガンガン攻められて、また違うところにモノが当たってる。 でも俺は今出したばっかりだからすぐには回復しなくてフニャチンなままだった。  にしても……だな。ちょっとこいつ長くないか……?  いつもなら俺がイったら同時かちょっとしたらイくのに、今日のこいつと言ったら…………。 「お前……今日長くないか?」 「誕生日だからな」 「ちょっ、なに? 何言ってんだ? あっ!」  正常位から騎乗位に体位を変えられて自分の重さで弦のモノがもっと奥に入ってくる。 「ぅぅぅっ……」 「お前のモノは俺がしごいてやる。だからお前は俺の上で動け」 「そ……んなこと言われても…………」  グニグニとモノを揉まれて袋も一緒に揉みしだかれる。それに身を委ねていると体が勝手に動き出す。 俺はヤツにモノを捕まれながら腰をくねらせて踊った。まるで操縦桿のようにクネクネとモノを動かすもんだから俺もそのように動しくかない。それに酔っているといきなり下から突き上げられてピクピクと体が痙攣した。 「あああっ! ……ぁっ……ぁ」  トクンッと握られたモノから汁が流れた。 後ろに倒れそうになるのを止められて両方の手首を捕まれると下からの突き上げに耐える。 そのまま後ろに倒れながら正常位になって攻められるとカチッと音がしてズブズブッと数回抜き差しされて勢いよく中に射精された。 「ぁぁっ……ぁっ……ぁ」 「孕む?」 「ぁ……ぁ…………」  たっぷりと中に精液を放たれてゾクゾク感が止まらない。 俺はそれからシリコンで出来た男根でソコに栓をされるとヤツのモノを舐めてしゃぶった。 「んっ……ぷっ……ぅぅっ…………」  しゃぶりながら脚で萎えたモノを踏みつけられてまたゾクゾクする。床には金属のコックリングがあった。  ああこれで長持ちしてたんだと、やっと分かった。  おしゃぶりが終わると弦はそのリングを俺につけた。 俺は男根が飛び出してしまわないように手でソレを押さえるのに懸命になっていたし、モノも萎えていたから簡単に取り付けられてしまった。 両脚を大きく広げてシリコンの男根を支える。 コックリングをつけた俺のその格好を見た弦が、何を思ったか花瓶から薔薇を一本引き抜くとバシッと股間に振り下ろした。 「あうっ! うっ! うっ! うっ!」  股間で薔薇が舞い散って棘で血が滲む。それを見た弦が『にんまり』とした。 「もう一回」  バシッ! とされてプルプルと見る見るモノがはちきれそうなくらい膨張した。 だけどコックリングをされているからプルプルするばかりで勃起すればするほどキリキリと根本が痛い。 薔薇の花びらが散るソコを脚で踏み踏みされて涙がポロポロ流れた。 何度も何度も踏みつけられて薔薇でバシバシされて抑制された中、俺はトロトロと射精した。 しごかれて最後の一滴まで絞り出されてからリングを外されて、また勢いなく精液を垂れ流す俺……。 「お漏らしするんじゃねぇよ」 「ぅぅぅっ…………」  おしっこじゃないってば……!  言いたいのにうまく言葉にならない。 思わず力が抜けてしまい男根がズルリと尻から抜け落ちる。 弦は俺のモノからリングを外すとクチュクチュとソコを弄んで乱暴に炭酸を煽った。 「誕生日、おめでとう。俺の時は緊縛させてなっ」と言い残し部屋から出て行った。 「ぁ……ぁぁっ……ぁ…………」  どうやら俺はヤツの誕生日には色々縛られるらしい。 「ふっ……ぅ…………」  今から、楽しみだ。 終わり タイトル「召しませ誕生日」 20210521・23

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