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第113話
でも、と反論する水無月の言葉を佐竹は押さえつけて、
「なんで俺から逃げたんだよ? 結婚してもお前との関係は続けてやるって言ったよな? 急にお前が居なくなったから俺は痛くもない腹を周囲に探られて、打ち消すのが大変だったんだ」
なるほど、変な噂で迷惑被った奴がいたっていうのは佐竹自身の事だったのか。
二人の小競り合いの様子を、ドアの内側にピタリと耳を引っ付けて聞いていた。
「それにな、木崎はやめておけ、馨」
「っ、お前には関係無い!」
「関係? 大いにあるね。木崎が俺に似ているから、お前はあいつに惚れたんだろう?」
――、ド直球に聞いてくるな。
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