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第5話
それからというもの、アトリエに連なった自室の掃除、料理は先生と半々で作った。
モデルのデッサンの大変さを日々、痛感するようになった。
四つん這いになり、腰を高く突き上げたまま、動かないよう、言われるが、静止したまま10分以上も経てば、腰を落としたくなる。
つい、気を抜いてしまい、
「腰が落ちてるぞ、祐希」
先生に注意される。
「じゃ、お尻をこちらに向けて、振り返ってみようか」
言われるがまま、先生にお尻を突き出し、顔を振り向かせる。
先生が僕を見ながら筆を走らせる。
不思議なことにモデルを重ねるごとに勝手に勃起してしまうようになった...。
「いいね、動かないようにね、祐希」
四つん這いになり先生にお尻を突き出し、先生を振り返ったまま、はい、と返事をする。
「もう少し脚を拡げようか」
言われるがまま、四つん這いの脚を拡く。
「ああ、そうだ」
先生はキャンバスの後ろの椅子から立ち上がると一輪の花を持ってきた。
ああ、口に咥えるやつかな、と思いきや....。
先生は僕のアナルにゆっくり、赤い花を差し込んでいく。
「うん、いいね。白い肌と赤い花がよく映える」
てっきり口に咥えるもの、と思っていた僕はギョッとしたが、先生はご満悦で筆を走らせている。
後から見せて貰った、というか、見せられたが、突き出したお尻には赤い花が刺さり、振り返った僕の顔は思いがけず、切ない表情をしていて、自分でも驚いた。
「いい絵が描けたよ、ありがとう」
「え、い、いいえ...」
先生のポーズの催促に僕は精一杯、応えた。
というのも、アトリエ・ブロッサム 助手、と印刷された僕の名刺を作ってくれたからだ。
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