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羨ましかったのです
俺は が、 のことが、 の存在が。
羨ましかったのだと、自覚した。
自分に向けられたことのない視線。
何かしらの感情。
例えそれが、嫌悪や憎しみといったものでも。
何も向けられたことのない俺からしたら
それは、とても とても 贅沢なものだった。
その事実だけが、羨ましかった。
独り占めしたい。
なんて思わない。
嘘。
でも
何かを得たい、与えられたい。そう思ってしまった。
ずるい。ずるい。ずるい。
お前は から、もらっておきながら。
俺が喉から手が出る程に欲しているものを
与えられておきながら、
お前は
要らない
と言う。
お前が簡単に吐き捨てるその言葉を
要らないなら全部拾ってやるから。
だから、俺に。
全部、くれよ。
全部、全部。
-END-
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