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それでも、愛おしいのです。
嫌い嫌い嫌い。
俺のことを睨みながら、言葉にせずとも伝わってくる。
憎くて憎くて仕方がないという、その目。
その目が、本当に、堪らない。
堪らなく、愛おしい。
嫌いで 憎くて 仕方ない のに
受け入れてしまっている自分が
もっと嫌いなのだろう。
俺はお前のことが好きだよ。
愛してるんだ。
愛しくて愛しくて仕方がないよ。
俺が堪らず漏らしたその言葉。
あぁ、
心底嫌なんだろうなあ。
思わず、笑みが溢れてしまった。
俺はこんなに好きなんだけどなあ。
伝わればいいのに。
嘘だと、嫌がらせだと、そう思ってるんだろう。
だから、伝わればいい。想い知ればいい。
こんなにも本気だと。
伝わって、余計に嫌悪すればいい。
そして
その目で
俺だけを、見ていればいい。
-END-
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