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第34話 レコーディング①
レコーディングは2日に渡って行われる。
1日目は、アルバムに入っている15曲の内、8曲を収録。
残りの7曲+ユニット曲の収録を2日目。
これを5人分収録する。
何故2日間をレコーディングで埋めているかというと、ありがたいことに、ほぼ毎日仕事が入っているためだった。
レコーディング収録を入れるスケジュールを、前もって桜田マネージャーが仮で確保してくれていた。
しかし、その前後全てに仕事が入ったため、何日間に分けて撮る予定だったが、2日間で集中的に行うことが確定した。
桜田マネージャーは、それを見込んで仮でスケジュールを確保してくれていたから、本当に仕事が速いし、できるマネージャーだ。
そして、レコーディングスペースも普段使用しているところではない、広いレコーディングスタジオで行われる。
ブースが8個あり、1人1人同じ時間で進んでいく。
レーベル会社も、事務所も総出で取り組んでくれる。
俺たちに、ここまでしてくれること、本当に感謝でしかない。
そのため、この2日間は、朝8時〜深夜1時前後までひたすら収録。
自宅では大声を出せないため、少し早く来て発声練習をすることにした。
俺よりも早く来てくれて準備をしてくれているスタッフに挨拶し、控え室に向かった。
「あー。あー。ら、ら、ら」
発声練習をしていると、音弥が入って来た。
「おはよう、早いね」
「おはよう、先に声出しときたかったから」
「俺も、純斗と一緒。家じゃ声出せないからね」
控え室には、俺と音弥の発声練習の声だけが響いていた。
数分後、一輝、永人、レオンの順で控え室に入ってきた。
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