1 / 2

第1話

牡羊座より愛を込めて 【注意】【下半身が羊なタチ、異物挿入、野外、獣姦(大型犬)、♡を含みます。苦手な方は注意】  妙なアプリをダウンロードしてしまった。  いや、男の浪漫が詰まった、それはそれはエロいゲームアプリだったのだけど。  ゲームアプリは数あれど、ゲイ向けアプリはなかなか無い。女の子は可愛いと思うが性欲の対象にならない時任純は、ゲイ向け、あるいはBL向けであるなら、好みの有る無しに関わらずとりあえずダウンロードするように心掛けている。  線の細い美少年や精悍な青年、ちょっと肉がたるんだ熊系親父など、彼らに愛を囁いたり、乱暴に犯したり、調教して屈服したりすることが純のライフワークだった。  数々のゲイやBL系のアプリをダウンロードしたため、メールアドレスには新作の宣伝メールが送られてくることもしばしばだ。  今回のゲームは“黄道十二性座”という、いかにもな言葉もじりのゲームだった。  サイトをクリックすれば、十二星座のシンボルを背にキャラ絵がある。儚い系美少年や苛烈な美少年、穏やかな美青年に精悍な美青年、渋い中年やスカーフェイス中年、男の娘や人外風味などキャラは様々だ。  これは攻略のし甲斐があると思ってダウンロードしたわけだが………。  きらきらと虹と光のエフェクトが舞う輝きは、ゲームを嗜む物なら誰もが知っている。  この展開は高位なキャラなり武具なりが手に入った証拠。つまりはレア召喚の輝き。  ダウンロード記念の無料10連ガチャで大当たりを引いたと言っても過言ではない。とんでもない大ラッキーの気配がした。  ただし。  その光り輝くエフェクトがスマホの外側に展開され、そこに側頭部に黒い螺旋状の冠の姿、上半身は艶めかしい人間なのに下半身は黒い獣毛に覆われた偶蹄目の足をした美青年が、艶やかに微笑んでいなければ。  丸まった大きな角といい、黒毛に覆われた下半身と蹄といい、誰が見ても牡羊座のキャラなのだと分かる。いや、もしかしたら似たラインで山羊座の可能性もあるが。  牡牛座を含め、黄道十二星座は偶蹄目が多過ぎだと今さら気づいた。  いや、それよりも逼迫した問題が純の目の前にあった。  牡羊座のキャラは分かる。ぎりぎりスマホから飛び出る映像も最新鋭の3Dと納得できなくもない。むしろ等身大のキャラ立ち絵とかただのご褒美ではないか。  自称タチの純にとって大問題はそこでは無かった。  “黄道十二性座”、それは確かに18禁のエロゲーだった。様々な性座の特性を持つキャラを攻略し、性座のシンボルを最も多く集めた物が天空の覇者となる。  むろん攻略にエロは必須。18禁のレーベルでエロ無しとか、純は認めない派だ。  だから18禁ゲームのキャラがちょっとくらい淫らなのは分かるのだが……。 「はぁん♡ 結構タイプぅ♡ これは当たりを引いたかも? ふふふ、俺がずっぽりお前のカーワイイ尻にチンポ嵌めてやるからさぁ……イイ声で鳴けよ?」  毛むくじゃらの羊の下半身から伸びるもは、猛々しいまでに大きくくびれた陰茎だった。  右手で長大な陰茎を掴んでグッチュグッチュ扱きながら、涎でねっとり濡れそぼった舌を出して左の人差し指を舐めしゃぶる姿は、誰が誰がどう見てもビッチ偶蹄目で満場一致だろう。  いやいや、スケベなお兄さんは純の好物だった。  なるほど。確か古代では羊を女に見立てた獣姦があったと聞く。羊はエロスのシンボルなのも無理なからぬ事。つまりコイツはエロい羊のおにーさん。そこは想定の範囲内だ。  ならばこのゲームは本来の星座に合わせたキャラメイクなのだろう。  だが、待って欲しい。  人間の物より長くくびれた獣らしい陰茎をはぁはぁしながら扱くエロ羊。あれは絶対にチンポ優位心棒者だ。  そこが問題だった。  純は自称タチだった。  つまりチンポ使う方なのであって、チンポを使われる方ではないのだ。    長大な陰茎を扱きながら、指先をねっとりと舌で舐る牡羊座の男は、蹄を鳴らして純に近付いてくる。  人間とは形状が違う獣の先端からは、ごぽごぽと白い精液を垂れ溢していた。  純は獣医ではなく普通の大学生だ。ゆえに獣の陰茎に詳しくないが、その精液の溢れ方が異常なのだという事は分かる。   「あっは♡ 怖がらなくていーよ? うんとキモチヨクさせてやるしー♡?」  発情し蕩けた声で言われても純の股間はぴくりとも反応しない。  これがスマホの画面なら神絵、神ボイスと滾っただろう。しかし実際に身の危険を感じるレベルで発情した半獣半人に迫られたら、腰など引けて当然だった。  壁に張り付く純に牡羊座の男は可愛らしく首を傾げて言った。 「あー、そかそか。こんな狭いところじゃムードないな。うんうん♡、ムード大事♡――やっぱり交尾は……」  唾液で濡れた指を鳴らすと、獣の視界が流れるように動いた。 「へ? う、うわっ!」  流れていた視界が固定化されたと思ったら、純の背中を支えていたアパートの壁が消失し、体制を崩した純はそのまま“草むら”に尻餅をついてしまった。 「な、なんだ、ここ……?  見上げれば晴れ渡る青い空。草原にはさわやかな風が吹き渡り、草原の向こうには白亜の館があった。 「白羊宮でもヨカッたけどー、交尾は外がイチバンだろ♡」  1Kのアパートにいたはずが、広大な草原に尻餅をついている状況に頭の理解が追いつかない。  混乱したまま狼狽える純に、男は自分の体から引き抜いた羊毛へふぅっと息を吹きかけた。ピンポン玉くらいの羊毛は、救命ボートが膨らむような勢いで一気に純の周囲に広がった。 「さ♡ 交尾しよ♡」 「ひぃ……いぃ……ヒィッ!」  純の悲痛な呻きがふかふかとした羊毛の中に消えていた。  キングサイズのベッドほどの大きさはあるだろうか。円形状の羊毛は糸を紡ぐ事もなく刈り取ったそのままの状態で、ふわふわフカフカと草むらで盛り上がっている。  その中央に純は俯せで埋まっていた。裸のまま、大の字で羊毛の大玉の埋もれる非現実的な状況。  柔らかな羊毛に肌は沈み込み、羊毛が絡んだ両手足は鉄で戒められたみたいにびくとも動かない。  胴体部分の胸や腰は多少は動くが、動くたびに素肌に羊毛のちくちくした感触に過敏になった肌を撫でられておかしくなりそうだ。  しかも俯せ状態で埋まった純の陰茎は、羊毛の中にすっぽりと勃起状態で覆われていた。まるで羊毛で出来たオナホールに突っ込んでいる錯覚に襲われる。  当然、腰を揺らせば羊毛で陰茎はむず痒い刺激を受ける。  だが何よりも純を喘がせているのは、羊毛で撫でられる乳首でも羊毛に覆われた陰茎でもなかった。  一塊の羊毛が純の尻穴の奥に押し込まれ、その内側を掻き毟りたくなる掻痒感が耐え難いのだ。 「うっふっふー♡ お尻、もじもじさせちゃって♡ そろそろチンポの出番かなー?」  俯せの純に跨がり、純の背中で亀頭を扱いて遊ぶ牡羊座の男。  純の背中は溢れた精液でどろどろだ。   「男娼を仕込むのに、羊の毛を穴に入れるとさぁ? 中でむずむず痒くなって、チンポで掘って貰いたくなるんだよねー? 獣チンポで羊毛を取り出してやろうか?」  男娼を育てるために尻に中へ羊毛を仕込み、その痛痒い刺激を利用して快楽を覚えさせる――純が尻を震わせている理由はそれだ。 「……取れ、よ……コレ……あたま、おかしくなるッ!」  純の尻が悩ましく揺れていた。柔らかな羊毛そのものがベッドなせいか、左右にも前後にも上下にも、どんな方向でも純は尻を振ることが出来る。  その屈辱が純にとってよかったとは言えないが。  だが動くたびに糸のままの羊毛が敏感な部分に擦れ、そのたびにむず痒い刺激を受けることになる。 「か、かゆいッッ、お、俺、の――尻がぁっ……か、ゆ、い、ッッッ」  羊毛の拘束から逃れるために、上半身を反らせて立ち上がろうとしたが、意外なほどに強靱な羊毛はそれを許さない。  多少は浮いた上半身も拘束の力に勝てず、大きな反動と共に羊毛の中に弾みながら戻ってしまう。 「ひぁッ、あ、あぁあぁっっんッッ」  反動のせいで縦割りに羊毛を掻き分け、純の陰茎が柔らかな糸の中へと突き刺ささった。  陰茎全体を擦るむず痒い羊毛のいやらしさ。オナホールでもこんな刺激は味わったことがない。 「あはぁ♡ 俺の毛を相手にずこずこチンポ突きぃ? 妬けちゃうネ♡」 「んん、ひ、ヒィィィッッ……やめ、やめて……ッ!」  自分の羊毛に嫉妬した男が、立ち上がって蹄を純の尻の割れ目に食い込ませてきた。尻の割れ目に挟まる己を蹄を見て、牡羊座の男が爆笑していた。 「もう♡ 俺の獣チンポはオアズケとかぁ♡ 滾っちゃう♡♡」  純の尻を踏みながら、泡のように精液を拭き溢す陰茎を自分で扱いて笑う。その美しく整った顔は蕩け、発情で潤んだ瞳にはハートマークが浮かんでいた。 「ほーら♡ 羊毛でずこずこキモチいーいんだろ? もっと尻を振って俺の羊毛と交尾しちまいな♡」  蹄で純の尻を押すたびに、羊毛の中に純の下半身は埋まっていく。弾力のある羊毛は押せば凹み、力を抜けば元に戻ろうと膨らむ。  まさに羊毛の中で陰茎を扱くようなもの。 「だ、だめ……ッッ、それ、――だ、だめっ! で、出る……でちゃ、うゥゥッッ」 「あはー♡ 羊毛相手に交尾でイッちゃうとかー、メスですかぁ? メス家畜ですかぁ? ホラホラ、もっと交尾して着床不可の無駄な種付けしろよ♡」  容赦なく尻を踏んで羊毛のベッドをスプリングのように弾ませ、羊毛の中で純の敏感な竿をちくちくと刺激する。それどころか蹄で踏まれるたび、尻の中の羊毛までもが動き回るのだ。  羊毛のせいで痒く、痒さを紛らわせるために羊毛が刺激し、刺激されたせいで更に痒くなる――それの繰り返しだった。 「んぁ、ッッ、だ、め……ち、ちんぽ……かゆ、い……あつい……こわれ、るぅッッ」  純が羊毛の中へ惨めな射精するのと、蹄を離していきり立つ獣の陰茎で串刺しにするのと同時だった。    それは射精による快楽だったのか、挿入された快楽だったのか。  理性を飛ばした声が顔を埋めた羊毛の中に消えていく。 「ふっふー♡ 俺の獣チンポ、イイだろ? お前のとろっとろの穴もキモチいーよ♡」  人間とは違う長大な陰茎が熱くうねる純の肉穴に沈んでいく。 「ひ、ぁ……そん、な……あ、ぁあぁ……ッ、おれ……タチ、なの……にィッッ!」 「武器と数の暴力が揃わない人間なんて最弱だって♡ 体を守る毛皮もない無能デショ? せいぜい、俺のチンポをキモチよーくさせる穴家畜くらいしか役に立たないし?」  極論だが、牡羊座の男の言葉は正しい側面もある。人間の強さは武器を作る知恵と武器を扱う器用さだ。  武器と知恵のアドバンテージがなければ脆弱な皮膚に鈍重な体。爪も牙も毒も持たず、戦う力も逃げる早さもないのなら、ただより強くて早くて牙を持つ個体に捕食されるだけだ。 「だーいじょうぶ♡ 俺のチンポを扱く穴の仕事が出来たら、ちゃあんと飼ってやるからさぁ♡」  純の腰をつかんで男が腰を揺する。  初めてのアナルセックスのはずが痛みは感じず、まるで受け入れることを慣れた器官のように柔らかく獣の陰茎を飲み込んでいくことに純は混乱した。 「……あ、は……ッ、あぁ、ああぁぁっっ……ッ」  ぞくぞくと背中を快楽が駆け上がる。  ゲームでさんざん気持ち良くなる選択肢を選び、「もっと感じろ」とか「淫乱だな」とか、そんな台詞を言わせてきたのに、自分が感じて淫らになっている。 「さぁて。俺の羊毛ちゃんはどこかなー♡ ココかな? コッチかな?」  純の声の変化を見ながら、男が長大な先端で純の中を突くように玩ぶ。  羊毛の刺激で爛れたように感じやすくなっていた体が面白いくらい跳ね回るが、そうやって動く程に羊毛のベッドに触れている肌が擽られた。 「んぁっ♡……あ、ッッ、や、め……♡」 「あはぁん♡ だいぶ俺好みの声になってきたじゃーん♡♡」  蕩けた声の褒美とばかりに、尖った肉の先端で見つけた羊毛の塊を腸壁に押しつけるように突く。 「ひゃ、め……ッッ♡ それ、だめ……ッッ!」  むず痒さを与える羊毛に狭い場所を掻き回されて脳が沸騰しそうだ。純は知らなかったが、その不思議な羊毛そのものが媚薬の一種なのだ。触れた箇所からむず痒さと共に発情し、その刺激を散らすためにもっと大きな刺激が欲しくて尻に揺れてしまう男娼作りの毛玉。 「……はぁん♡ もう、俺の羊毛ってサイコーでしょ。触った瞬間からキモチいーし? もっとキモチよくなろーぜ? 具体的には獣チンポのオ♡ネ♡ダ♡リ♡♡」  陰茎の先端に羊毛を絡め、それで純の穴の中の全てに擦り付けて淫らな肉穴へと堕としていくのだ。 「んぁッ……んんひぃッ♡ だめ、ダメ、なのにぃぃ……かゆ、い、ところ……ケモノ、ちんぽッ、ぐりぐりし、てッ!」    「あっは♡ かわいい声♡」  俯せで羊毛に埋まるようにしていた純の体を抱え上げ、ぐるりと純の体を入れ替える。  羊毛のベッドに腰を下ろしたのは牡羊座の男。その男に大股開きの背面座位の格好を取らされ、純は悩ましい悲鳴を上げた。  自分の格好に羞恥を覚えたのではなく、相手の股ぐらに座る格好になったせいでより深く陰茎に穿たれたのだ。 「んんんぉッ♡ ん、ひぃッッ♡ ち、ちん、ぽ……刺さる、ッ」 「ふふー♡ 最初に言った通り、ずっぽり♡♡」  羊毛のベッドをスプリング代わりに小刻みに弾ませれば、その反動で純の中が獣の陰茎で音を立てて突き上げられる。  一つ突かれるたびに気概や矜持が壊れ、いつの間にか自分で腰を上下させてオスの印を貪った。  もはや自称タチだったと言う話は信じられないほどの乱れっぷりだ。 「ほーらぁっ♡ こんな原っぱのど真ん中でッ! 子種が無駄になっちゃう駄チンポおっ勃てて! 尻の穴まで晒してずっぽり獣チンポで交尾する気分はどうだよ!」  ズッズッズッとリズミカルに突き上げられると、それに合わせて「あっ♡ あぁっ♡ あぁんっ♡♡」と蕩けきった声が続く。  目に沁みるほどの青空と、肌を刺す太陽。草の揺れる音と匂いの中で、野生の獣のように交尾している自分を思うと、先走りを撒き散らす自分の陰茎も情けないほど振ってしまう。 「やぁらしー♡ 二度とメスと交尾できない駄チンポの、意外な活用法発見したんじゃねーの♡」 「んぁッ……すご……獣、ちんぽッッ♡♡ すごいぃぃッッ♡」  体に中から生まれる未知の快楽に溺れ、既に純の声はオスを呼んで交尾を強請るメスの鳴き声になってしまっていた。 「い、イく……俺、イッちゃ、うッッ……けもの、ちんぽで……イくぅッ!」 「よーし♡ イけッ♡ ケツハメセックスでイッちまいな!」    牡羊座の男が畳みかけるように動きを速くし、ぐちゃぐちゃに腸壁を擦っていた羊毛の塊が前立腺に触れたときだった。   「んぁッッ♡ あひッッ♡♡ アァああぁっアァァァッッ♡ イ、ク……ケツはめ、され……マジイキするぅううぅッッッ」  全身を硬直させ、だらしない顔で太陽に向かって噴水のように射精する。凄まじいまでの開放感と快楽に腹部の痙攣が止まらない。 「んんっふっ♡ マジイキご褒美♡ 獣ザー汁で溺れちまえ♡♡」  どくんと自分の中を苛む獣の陰茎が膨れた気がする。人間では考えられない量と勢いの射精を受けた純は、今度は潮を吹きながら失神していた。  気を失う意識の中で、「んー、星4ってトコ? 星5にするには、もうちょっと厳しい方がいっか♡」と、そんな不穏な声を聞きながら。  目が覚めて、最初に感じた違和感は首や腕に固い感触があったこと。次は草原を見る視界が低い位置にあることだ。 「……あ、え……?」  首を回そうとして、自分の首が牧場でよく見るマス目状に組んだ木製の柵から顔を突き出しているような格好なのだと気づいた。  枠の穴から顔を出し、左右隣の枠の中からそれぞれ右手首と左手首が出ていて、羊毛で編んだ太い毛糸で縛られていた。 「常々、思ってんだよネー。人間はさぁ、犬を嗾けて(オレ)たちを追い回すだろ? だったらたまには人間に犬を嗾けてもいいんじゃねーの?」  揶揄を含んだ声の方に視線を向ければ、隣に茶毛の大型犬を連れた牡羊座の男が妙に色気のある顔で立っていた。しなやかな手が大型犬の背中を撫でているが、短毛ゆえに筋肉が目立ち、厳つい顔をしたその犬は、なぜか純を獲物を見定めた目を向けてくるのが言いしれぬ不安を呼ぶ。  牡羊座の男は股間の陰険こそ収まりを見せてはいるが、表情から完全に理性が戻って居るとは言いがたい。 「たまにはさぁー、人間も、犬に追い込まれるといいんじゃね♡」  笑いながら男は大型犬の背中を叩いた。それが合図だったのか、のそりと大型犬が純に向かってくる。  ――純は一連の流れをうっすらと理解していた。伊達にBLやゲイゲームで遊んできた予定調和とも言える勘が、びりびりと脳に警鐘を鳴らしてきた。  そう、ゲームでは何度も見た。何度もその選択肢を純が決めてきた。  数こそ多くはないが、マニアックなユーザーのために作られた――。  獣姦。 「や、……やめろよっ! それは――それだけはいやだあぁあぁぁッッッ」  暴れて柵からを顔を引き抜こうとするが上手くいかない、それどころから首を抜こうと闇雲に体を揺すったことで、四つん這いの高さにある純の尻が誘うように揺れてしまっていた。 「おお! 尻を雄犬に差し出してやる気十分だな! これなら星5はイケそう♡」  男の言葉の意味も嘲弄も耳に入らない。ただ近付く犬が怖かった。 「あ、あぁ……っ」  純の尻へ鼻先を押し込み匂いを嗅ぐのは、交尾前の犬の習性だ。  交尾可能としたのか、人間よりも筋肉質の舌が力強い動きで純のアナルを舐め始める。 「ひぁ……ッッ、……よ、よせッ! いや、だ、っ!」  まるで餌でも舐めるようにざらつく舌が過敏なアナルを舐めると、純は腰を捩って逃げようと必死に体を揺すった、だが何をしても無駄な動きにしかならず、恐怖と嫌悪で溜まらず啜り泣いてしまう。 「あ、言い忘れたけど、その犬、俺の精液が大好物だから? お前の中に残った分を嘗め回すだろうなぁ♡」  軽い口調で放たれた言葉は、ただ、ただ、絶望でしかなかった。    犬の荒い呼吸が尻の割れ目に触れ、純は奥歯をならして恐怖に震える。  先に牡羊座の男が述べたように、彼の精液を探しているのだろう。人間の舌とは違う硬さを持つ舌が、鏃のように純の奥を割って張り込んでくる。 「ひぁあァッ!! し、舌、がぁ……ッッ」 「人間の脆弱な舌と違って、犬の舌は疲れ知らずだからなぁ。延々と舐めてくれる犬の舌に嵌まっちまうかもネ♡」  見世物を見る観客の声で語った言葉の通り、長い舌は純の中を嘗め回しても一向に疲れる気配がない。まるで肉壺に隠した人外の精液を探すゲームでもしているように、犬の舌がぐりゅぐりゅと肉を押し広げ性器の残滓のを舐め取っていく。  純の下肢は自分で制御が出来ないほどに震えていた。収まりが付かない股間から草むらに先走りが糸を引いて落ちていく。それを見れば、嫌悪や恐怖だけが純を襲っているとは言い難いだろう。  それほど延々と責め舐める犬の舌は、忌避感を上塗りする快楽を与えるのだ。 「犬の舌でケツ穴穿られて、だらっだらに我慢汁垂れ流すとは、やっぱ人間って家畜以下だわー♡」  純が顔を出している柵に腰掛け、間近で犬相手に感じているトロ顔を覗き込まれる。  牡羊座の男が純の口に手を入れ、唾液塗れの舌を引っ張り出した。 「ほーら、雄わんこ様に相応しくなれるよう、舌をだそうな♡」  引っ張り出された舌に羊毛が巻き付き、その羊毛の先には小さな錘がついていて、それこそ犬みたいに舌を出したまま引っ込めることが出来なくなった。 「ん、ぉ……っ、ぉ……あぇぇ……っ」 「へえ! 人間が家畜になるとそーゆー鳴き声なんだぁ♡」  舌を出したまま呻く純を見て男は蹄を木の柵に打ち鳴らして哄笑していた。 「んぇ……ッ、え、ぇ、……んんぉ……ぁッ」  舌を出したことで涎を撒き散らしながら純が硬直する。見れば精液混じりの我慢汁を垂れ流しながら、中イキをしているようだった。 「あっはぁ♡♡ 犬の舌でイッたのかよ♡♡ まじで? 笑えるネ♡」  男の嘲りも耳に入らない。柵からはみ出た顔は理性が乏しい蕩けた表情だった。  リズミカルに蹄が柵を打ち鳴らす。それが合図だったように純の下肢から犬の舌が引き抜かれ、代わりに尻に獣の固い毛を感じた。  頭の上に滴る犬の涎。犬の前足は純の頭の上にある柵の最上部に掛けられていた。  その位置に犬の前足と純の頭上に涎が落ちる犬の舌があると言うことは、純と犬の下肢は同じ位置にある事実。  それに純が気づいた時には遅かった。いっそう大きく蹄が柵を蹴り、大きな音が合図だったように犬の下肢が前に進んだのだ。 「あ、が……ッ、あ、ッ……ん、え、えあぁあっっっ!」  逃げる隙も哀願する余裕もなく、犬の陰茎が純を貫いていた。 「ん゛、ぐ、えぇ、ェェェェッッ!」  みっしりと体内に埋め込まれた獣の支配力に、純は舌を出したまま潰れた悲鳴を上げた、  牡羊座の男が言うように、発音が不明瞭なそれは屠殺された家畜の断末魔にも似ている。  純に覆い被さった大型犬は、人間では得られない小刻みな早いピストンで突き、純の中を突き上げて蹂躙していく。  羊毛で全体がむず痒くなっていた粘膜を野性味溢れる力で擦られるのは、生まれて初めて感じた堪らない刺激と快感だった。 「ん゛ぁッ♡ ァ、ッ♡ ん゛ーっっ♡♡」  人間が畜生に、犬に犯されるというプライドを踏み躙られた惨めな行為なのに、逞しい陰茎で抉り続ける犬の動きに翻弄され、異常な行為のはずが快楽に負けた脳が痺れてくる。  犬に犯されて発情しきった顔は不様に蕩け、尻に獣毛を感じながら突かれるたびに涎と我慢汁を溢して声を上げ続ける。  脳は背徳的な快楽に蝕まれ、真面な判断が下せない状態になっていた。自分が人間なのか、家畜なのか、それすらも曖昧で分からなくなっていた。  犬と交尾するするという嫌悪も恐怖も快楽に飲み込まれ、獣欲に支配された純は種付け用の家畜となんら変わらない。 「キモチよさそーなエロ顔♡ 犬に交尾キメられて喜ぶ変態家畜ちゃん♡」  揶揄する声も犬の荒い息づかいと自分の喘ぎに負けて遠く聞こえる。  柵から顔を出したまま、純は理性の無い顔を晒して喘ぎ続けていたが、快楽の中に不意に襲ってくる違和感に目を見開いて叫んだ。  ボコッと腹が膨れた気がして全身が戦慄く。 「あ、ぅ、……んぉッ、お、お、ぉ……ごッ、あぁッ!」    みっしりと埋まっていたはずの肉の筒が、新たな力でさらに拡げられて膨れていた。奥ではなく手前の方にボールでもねじ込まれたような感じがする。その違和感が分からないまま、ただ潰れた呻きを漏らすしかない。  それは犬の陰茎に見られる亀頭球というものだった。  陰茎の根元に有って交尾中に膨れ、確実に受精させようと抜けなくさせてしまう。  むろん、純はそれが何か知らなかった。知らないまま、それが異様なのだと理解する。 「おめでとーぉ♡ 気に入られたみたいじゃん? ズッポリ♡嵌められちゃって。そーなったら10分以上抜けねぇし、そのままずーっと射精し続けてくれるんだぜ? 嬉しいだろう? 犬の精液で腹ボテになっちまうかも♡♡」  男の声に純は反応できなかった。  大量に注がれる精液に白目を剥くようにして意識を失いかけていたからだ。   後ろ向きなって完全に結合して射精する犬に、自分から尻を擦り付けながらも意識を飛ばす人間は、犬の陰茎が気に入ったのか、草むらに失禁してまでイキ狂いつつ意識を刈り取られていた。  意識を失った純がギロチン台で項垂れるように柵から力なく首を俯いている。大型犬による長い射精は続いていたが、牡羊座の男には関係がなかった。  大事なのは、失神した純の体から剥がれるように浮き上がった一枚のカード。   カードには獣姦する純の絵と五つの星が並んで描き出されていた。 「ふふー♡♡ 星5ゲット♡」  浮かんだカードを手に取り、牡羊座の男がカードにリップ音を鳴らして艶めかしいキスをする。   「これで天空の覇者に近付いたかなー♡」  “天空の覇者”  それは地球ではない、どこかの異世界での話。  淫欲に満ちたその世界では、快楽をエネルギー体として最も多く集めた物が覇者となる。  時には夢に、時には現実に、数多の世界を渡り淫らなエネルギーを競って集め覇者となってきた。  今回の覇者を決める場所は地球。     この世界の流儀に倣って餌になりそうな人間の元にゲームとして現れ、快楽を搾取し星の数でその力を示す。  もちろん、星の数が多いほど“天空の覇者”に近付くという訳だ。  ライバルである他の性座も人間から快楽を搾取しているだろう。 「ふふー。もっともっと集めないとね♡」  見れば大量の射精に満足したのか、犬が人間である青年から離れるところだった。  間欠泉のようにごぷっと犬の精液を噴き出す人間の意識はない。いいや、これは人間ではなかった。  これからは、この異世界に住む者たちに快楽を搾取される家畜なのだから。  この牧場で放牧しながら飼ってやろうと思ったそこに、蹄の足下から虹の光が立ち上る。どうやら、また召喚されるようだ。 「お、またダウンロードかな♡ さぁーて、もっと星を集めるかぁ♡♡」  七色の光が現れゆるりと牡羊座の男を包み込み、そして霧散しながら消えていった。                 《牡羊座終了》 **************************************************** NEXT→牡牛座の男 ……偶蹄目が続くな……

ともだちにシェアしよう!