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最終話 未来

 黒はこれからも野望の為に沢山の屍を積み上げ続ける。俺ですら止めることはできないだろう。それでもこれから先も共にいる上で聞いておかなければならないことがある。 「黒の野望って何?そろそろ教えてくれてもいいんじゃないかな」 「愛する者を誰一人として失わなくていい世界を作ること。私の様に愛する者を手にかけなくていい世界を創造すること。叶うことはないだろうがな」 「それでも近づくことはできると思ったんだよね」  神様染みたことをいう黒は神になりたいわけじゃない。あくまでも当事者として叶えたい望みなのだ。そして神は助けてくれないということも知っている。だからこそ教会を訪れることも祈ることもしなかった。助けてもらえるかわからない状況で祈るより、自ら行動を起こすことを選んだのだ。 「周が誰にも殺されることのない世界を作りたい」  黒はその為なら例えどれだけ犠牲者が出ても厭わない。その先の未来で愛した者が他者に脅かされることのない世界を作れるかもしれない。だけどそれはかなり後のことになるだろう。もしかしたら我々が生きている間には成しえないことかもしれない。  それでも理想の世界の為に生きていく。どんな茨道を越えることになっても変わらず突き進む。  破壊の王の旅はまだまだ続く。神の怒りを買い地獄に落とされるその日まで、彼らの未来は終わらない。  死が二人を別つまでーーー                                END

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