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~淫らなゲームは終わらない・12=逆調教01=~*

男が少年を連れてくる間、暫し野島と笠井に沈黙の時間が訪れている。 笠井は膝立ちの体制ではあったが両手をベッドに着き、興奮しきった己の躯体を持て余していた。 野島は、そんな笠井の様子を片方の口角を上げニヤリと見守る。 間もなくその沈黙が破られ、男がノックし笠井が調教している少年が運ばれてきた。 少年は目隠しをされ、眠ったまま笠井が嵌めた淫具を咥え込み、肌は上気して赤くなっている。 「お連れしました」 男が笠井の横に少年を横たえ、一言野島に告げた。 野島は少年を一瞥すると、笠井に聞く。 「今回は随分と尿道拡張を行っているようだが、何か理由があるのかね?」 「いえ…、とても気持ちがいいようだったので・・それだけです…、ただ…」 「…ただ?」 「私の見立てでは、彼は尿道にプラグを嵌めたままの方が、感じやすいのだと思います」 笠井は少し落ち着いてきたのか、しっかりとした口調で答えた。 「そうか…、笠井がそう言うのであればそうなんだろう…」 野島がそう一言の言葉を吐くと、笠井はまた言葉を連ねた。 「今の野島さんとのやりとりで、今回の調教は全て見られていたのだとハッキリ分かりました…」 「ふふっ…、察しがいいな。しかし、残念ではあるが今回だけではない…」 野島はまたくつくつと笑いながら席を立ち、傍にあったグラスを手にし、高級ワインを注ぎながら笠井と少年が横たわるベッドに腰掛けた。 「…そうだったんですね……私はまんまとその罠に陥ったと…この先、何をするおつもりですか…」 笠井はそう言いながら、怪訝そう且つ憂いを帯びた瞳で野島を見る。 野島は笠井の顎に手を掛け、顔を上げさせて言葉を吐いた。 「この先の調教は私の目の前で行う・・それが私の希望だよ・・」 野島は目を細め、とても穏やかでありながら燃える欲望を瞳に宿している。 笠井はもう観念するしか道はなかった。 ここでは野島の部下もおり、逃げられるような道も逃れる手だてもない。 そして、自身が作った媚薬が血流を駆け巡っているのだ…、笠井は諦めた声音で言う。 「・・分かりました」 野島はその様子に笠井の頬をスルリと撫で、声をかける。 「・・・いい子だ」 そう言われると、ブルッと笠井の肌は泡立った。…少年期に大人の男性に弄ばれた記憶が脳裏を過る。野島から目を背けると、自身の興奮が昂ぶるのを感じつつも少年に目をやった。 眠ってはいるが、少年は媚薬による催淫の中で躯体をピクッ、ピクッと反応させていた。媚薬をたっぷりと与えられた後孔は少し大きくしたプラグに馴染んでいるようで、躯動に合わせてそれを美味しそうに咥えているのが目視できる。 ここからは少しづつプラグを大きくしていくという段階にあったが、この少年の場合には、もしかしたらそのまま野島に味わってもらっても大丈夫なのかもしれないと笠井は考えた。 「野島さん…この子はとても飲み込みが早いので、一度味見はいかがですか…?」 野島はワインに口を付け、ため息交じりの声で言葉を返した。 「笠井…何度も言うが、私は目の前で調教を見たいんだよ…」 「しかし…、もう後孔も慣れてきている様子ですし、あとは拡張を繰り返す単純な状態になってしまうので、野島さんが見ていてもつまらないのではないかと私は考えます…」 「そうか…そういう段階まできているんだな…?」 「はい…」 笠井と野島の言葉のやりとりが続く。 野島は話ながら笠井のすぐ横に座り直すと、笠井の胸元にキスをし、肉茎を握り込み、先端を親指で愛撫しながら言葉を連ねる。 「……笠井…、プラグではなく、これで拡張できるだろう…?」 「…ぁ…ッ!?」 ネチネチと音を立てながら、野島の手にしっかりと肉茎を握り込まれ鈴口を愛撫され、思わず笠井は声をあげた。 「…あ…っ、ぁあっ……」 少し落ち着いてきていた笠井の躯体がまた悦びを求め始める。 笠井の肉茎は日本人男性の平均よりかなり大きい。そして、笠井はいつも優越感に浸るため、いつも少年の調教が終わると自身の肉茎を意識がない少年に挿れ、イかせることなく数分肉壁を味わってから発注者に少年を引き渡していた。 「…わ…私……に…拡張を…しろと……?」 「…そうだ。いつもしている事だろう?物分りがいい子にはご褒美をあげよう…」 野島は目を細めていやらしく不敵な笑みを浮かべると、部屋の隅に控えている男を呼んだ。 「お呼びでしょうか…」 すぐに男が野島の前に片膝をついて控える。 「拡張の手伝いをしてやれ…」 笠井は自分のしていた事すべてを見られ、罠に嵌ってしまった屈辱を胸に抱きつつ、逃れられない性的興奮から次には何をされるのか分からないままに男の行動を目で追った。 「承知致しました」 男はまず、眠った少年の腰を持ち上げ、笠井が挿入できる位置に移動させる。 動かされた少年は深い眠りの中から徐々に現実に戻り、色香の漂う呻き声をあげた。 「…ん…っう……、んあ……ん…」 野島は少年の頭を優しく撫で、笠井に命じた。 「ふふ…、さぁ、私の前で拡張をするんだ」 笠井はまさか自分が拡張の道具にされるとは思わずいたが、野島に握られている肉茎は少し乱暴気味に少年の後孔に近付けられた。すると、笠井の背後に周った男の手が伸び、少年が咥え込んでいるプラグを優しく引き抜く。 「…ッ!!…っや…ぁあっ…ん…っ」 少年が思わず声をあげるが、すぐに男が笠井の腰を移動し、野島の手で笠井は少年の熟れた後孔にズル、リと挿入させられてしまった。 「…っあ!!」 笠井は思わず声をあげる。挿入した少年はまだ太さに慣れておらず、笠井の肉茎をキツく締め上げてくる。笠井の躯体に快感が迸り、ブルッと身震いした。少年もあまりに質量の違う大きなものを挿れられた衝撃で、小さく呻く。 「…ん…ッ!?ぅう…ッ…」 少年の反応は痛いというよりも、明らかに媚薬が勝っているようで薄く染まった肌が更に紅潮してゆく。 「笠井…どうだ?初物を私より先に手に入れた気分は…」 「………」 笠井は答えられなかった。以前までは発注者に渡す前の優越感や背徳観で楽しんでいた行為は、今まさに全く逆になり、発注者に命令されて少年に挿入させられたのだから無理もない。ただただ、自身のモノがキツい少年の肉癖に締め上げられ、そこからジワリと広がる性的興奮を我慢しながら動くことさえも何もできない。 「…笠井、いつもの威勢はどこにいったんだ?」 野島は相変わらず目を細め、とても笠井の反応を愉しんでいるようだった。 「では、始めさせて頂きます」 男の声がふいに笠井の背後から聞こえ、おもむろに笠井の後孔にたっぷりと媚薬を含んだ笠井特製のローションを纏った男の太い指が2本挿入される。 「…ぁあ…っ!んあ…ッ…」 笠井は思わず喘ぎ、躯体に流れる媚薬に侵食された血潮が、悦びという刺激を脳内に叩きつける。男の太い指ががズル…ッ、ズチュッと内壁を抉る度ビクビクと反応し、少年の後孔に咥えられた肉茎は根元のベルトでギチギチと締め上げられ、徐々に興奮が煽られる。 笠井の呼吸はどんどん浅くなり、はっ、はっと短い息継ぎをするが、昂められてゆく身悶えるような性的刺激に眩暈を起こしながら、少年の腰についた手と震える両膝でなんとか体制を保つのがやっとだった。 「…笠井、どうしたんだ? いつものように愉しんでみないのかね?」 野島は欲望のままに声をかけながら笠井の手を掴むと、上から垂れている手錠に再度両手を拘束した。 「そろそろご褒美をあげないとな…」 野島が一言呟くと、背後の男が笠井の後孔から指を引き抜き、代わりに猛ったモノを押し付けた。 「…っあ…、ぁあ…ッ…」 男のモノがゆっくりと笠井の後孔に挿入ってゆく。 「んあ…っ、ぁ…あ……」 笠井の肉茎は後孔からの刺激で更に大きくなり、少年の中で硬く勃っていき、少年はその熱量を受けて淫靡な声を洩らした。 「ゃ…っぁあ…ん…」 手錠に繋がれた笠井の手が何度も空を掴み、躯体が揺れる。 野島はとても満足した笑みを浮かべながら更に言葉を放った。 「拡張しながら犯される気分はどうだ…?」 その言葉と同時に男の手が少年の腰を掴み、笠井を挟んだ状態で大きく腰をグラインドする。 「…ぁあッ!!」 「んゃ…ぁ…ッ」 笠井と少年は野島と男に見守られながら大きく喘ぐしかできない。 笠井は自由を奪われ、男のするがままに勃った男のモノを暴力的に挿れられ、肉茎も少年の内壁に締め上げられ、もう限界だった。容赦ないピストンが続き、男のモノが笠井の前立腺を突き上げる。 「…も……もぅ…、イ……っ……」 笠井は全身を強張らせ、自身で締めたベルトの存在に後悔しながらビクン!と仰け反った。 「ぁあ…ッ、あ、あ、あ、あ、ぁああああ…ッ」 あっという間にドライでイかされ、頭上で繋がれた手がまた空を掴み、ジャラジャラと無機質な鎖の音が部屋に鳴り響く。男はこの時点で一旦モノを引き抜き、野島の次の指令を待つ。 「もうイったのか…、まだまだお前は若いな…」 野島は、力を失ってガクリと落ちた笠井の頭に手を置き、髪を愛おしそうに何度も撫でる。無情にも繋がれた手から重心が落ち、笠井はそれにぶら下がった格好で項垂れるしかできず、はっ、はっと浅い呼吸が続く。 今回もいつも通りに調教を終わらせれば済む筈だったが、まさか仕組まれた罠に嵌り、犯される結果になろうとは思いもしなかった笠井は、早々にイかされた悔しさで目を瞑り、唇の端をギリリと噛んだ。 「可愛い顔が台無しだ…、笠井…こっちを向いてごらん…」 野島は笠井の顎に手をやり、くいっと上げさせた。 笠井のぼんやりとしたピントが合わない目に、笠井の肉茎でいっぱいになった少年が写る。 少年はいつの間にか激しい行為のためか、気を失っているようだった。 続いて野島の顔が見えると、野島は笠井の顔にぐっと近付きフレンチキスをした。 野島の瞳は妖しく揺らめきつつ、優しさを携えている。 いつも発注者に対して天下を取った気分でいた笠井は、敗北感、湧き出づる止め処もない性欲、謎の多幸感に包まれ、どうしようもない感情が昂ぶっては消え、思考を取り戻そうにも混乱し、全くと言っていい程何も考えられずにいた。 そして、野島は少年を一瞥すると、すっかり意識をなくしている少年の頭を撫でながら言い放つ。 「…続けろ。この子は気を失っている。このまま調教をしていこうじゃないか」 「…の…野島さ…、もう…無…理…で……」 笠井は咄嗟に懇願したが、野島と男はまるで聞く耳を持たず会話が続けられた。 「承知しました」 男は笠井の言葉など耳に入っていないかのように、野島に言われた通りまた笠井にゆっくりと深く挿入してゆく。男は少年の腰も引き寄せ、笠井の肉茎もしっかりと少年に挿入された。 「…ッ……っぁあッ…!!」 「…そろそろ素直になったらどうだね?笠井…」 野島は喘がされる笠井を見ながらワインを呑みつつ声をかける。 その言葉が合図だったように、また男が大きく腰をグラインドさせ、笠井の前立腺にモノを叩きつけた。 「んぁあッ!!…あっ!ぁあッ!!あぁ…ッ!!」 ぱちゅっ、ぱちゅっ、という水音を部屋に響かせながら笠井は侵食されていく。 笠井の頭の中に子供時代だった頃の家庭教師からの行為が走馬灯のように浮かんでは消える。勉強ができなければおしおきと称してエッチなことをしてもらえず、良い点を取ればたくさんの愛撫とフェラをしてもらえ、挿入されていた子供時代だ。 調教師になってからはいつも自分が優勢で、発注者を虜にしてきた。 金はいくらでも手に入ったが、何故か埋まらない心の溝があった。 しかし、笠井は今…自分の意思に反して犯され、それを野島に見られている。 逆調教は進んでゆく。 ーーーーーーーーーー笠井はもう逃れられない。  

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