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第一章

昔々とある国に数多の男を誘惑し、ろう絡した少年がいた。 娼館で育った少年はありとあらゆる技を従業員である兄や姉同然の人たちに授けられた。 授けられたそれを手慣れたように使う、金髪にローズピンクの瞳をした可愛らしい少年は、やがて魔性の桃色ビッチとよばれることになる。 桃色ビッチは不思議と姉や兄同然の人がかかって死んでいったその手の病気になることもなく、好色な人々を引き付けて人気は高まっていく。 桃色ビッチは、金の髪色がとある男爵、瞳のローズピンクが男爵が熱心に通っていた頃にいた娼婦の瞳の色に似ていたため、男爵家にひきとられることになった。 そこでも桃色ビッチは男爵家に繋がる人々と桃色の交流をもっていくことになる。 学園に入学した桃色ビッチは、王子に目をつけ、王子とそのまわりの人々に付きまとい誘惑した。 ところ構わず、なかば無理矢理に桃色の交流をもっていった。 一人だけ神に遣える神官の少年だけは流されることはなく彼とは桃色の交流はなかったようだが。桃色の交流に流された少年たちとは違った意味で、桃色ビッチ少年を気にかけていたらしい。 その事を問題視した王子の婚約者が卒業パーティーで桃色ビッチのふしだらな桃色の交流を告発 し、断罪した。 桃色ビッチに誘惑され桃色の交流をもった王子や貴族は一時の気の迷いとされ全員桃色ビッチの被害者とされた。 彼は桃色ビッチと呼ばれる稀代の悪少年として処刑されることが決まった。 処刑を見届けるため、王と王妃、王子と婚約者を含むすべての王族、興味本位の民衆が処刑場所の広場に集まった。 処刑される直前、牢獄から桃色ビッチを処刑されるために運ぶ馬車が、処刑が行われる広場に到着した。 次の瞬間、馬車は開いたが、馬車のなかにはだれもいなかった。 その場に集まった民衆や、王子たちが一瞬シーンとし、やがていたるところから怒号が聞こえる。 そして、いつもさりげなく王子たちをいさめていた神官の少年がいないことにだれも気づかいまま。 そして次の瞬間、みんなは大きな揺れを感じ、聞いたこともないような大きな音が響き、空に灰色が広がる。 それは火山が噴火する音で、そのまま広場を中心に火砕流で飲み込まれる。 広場に興味本位で処刑を見に来た人々、その場にいた王族や国の主要な人々のすべてをあっという間に飲み込み、国の大半を煙で焼いていった。 それはただの自然災害とも、神の怒りとも言われる。 やがて、怒った神が最後の愛しの神子だけを眠らせ守っている、という噂はわずかに生き残っていた人々がちりぢりになり各地に噂が広がることになる。 そして、百年の時がたち、噂も伝説のような扱いをされるようになった頃、ひとりのアルビノの魔術師が流浪の末にその国だった場所にやってきた。 それは好奇心なのかはたまた別のものなのか。 いま、真実の扉が開かれる。

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