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第6話

モニタ越しにみるアオイ科の花は沢山種類がある。 種類によっては紗江の描いた特徴の花もありそうだが、中々見つからない。 数種類の花を見てると、その美しさに思わず育ててみたいと脱線をする。 立葵が良い。しかし、大きくなるので反対されるかもしれない。 葵は学校帰りに道端でも見かける。芙蓉は中々見る機会は無い。 そう言えば、何時だったか、今よりももっと幼い頃に使用人から聞いた。 何故この家に芙蓉が無いのか。 庭の剪定をしている職人を見ながら使用人の袖を引いた。 母の好んで居る花が庭には植えていない。 それを不思議に思ったのか不服に感じたのかは分らない。 答えは何だったか。 確か、父が一日花を嫌ったからだ。 短命の花は縁起が悪い。 死を思わせるから。 「あっ……」 メッセージカードに描かれた花と同じ花が見つかる。 僅かに波打つ椀状の五弁花。 濃い赤の斑点と黄色い中心部。 朝に咲き夕方には終える半日花。 アオイ科によく似た花が咲く。 ハンニチバナ科、学名はシスタス。 一般名称はロックローズ。キスツス。 和名は午時葵。

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