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第45話:暴露

……何が、起こってるんだ?  セイジュはベッドの仰向けになったまま、茫然自失状態だった。   ——あの村のみんなが、逆に俺を騙してた……? シクロさんは『戦闘集団』って言ってた……。みんな優しかったのに? それにさっきのタゴンさんの言葉は何だ? 『身体が変わった』、『食べ頃』、それってまるで……  その瞬間、魔法の結界がなされているはずのドアにどすん、と衝撃音が走った。 ——まさか、このバリアを突破してきたりは……。 『ねぇ、ルーニー。やっぱり私がドアを凍らせて、物理で叩き壊す方が早いよ』  セイジュはまたしても愕然とする。雪女のフラムさんの声、そしてその声が呼んだ名は村の長老、せむし男のルーニー爺…… 『フラム、おまえさん長年の女装がたたって雪男の口調忘れたか? まあこの程度の結界なら何とかなる。魔法と妖術は違うからな』 ——雪、男……?! 妖術?! この程度の結界だって?!  緊張に起因する吐き気がしてきた。 ——みんな、六年も一緒に仲良く暮らしてきた仲間なのに、そうだったはずなのに、俺を、助けに来てくれたんじゃないの? 廊下にいた近衛兵さんたちはどうなったの?!  頭が爆発しそうになった瞬間、ベッドの足元の方に、紫色の光が発生した。それはまるで空気を断絶したかのように次元を切り裂き、その奥から、化粧をしていないフラムと、すっと背筋を伸ばしたルーニー爺が現れた。

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