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幕間:認識

   その日、本村洋は走って塾へ向かった。  いつもより10分早く家を出た。  洋は気になっていた。  自己満足の筈だった。  だけど、気になった。  塾に飛び込み、洋が前から三番目の席へ駆け込む。  洋が、薫の手紙を見つけた瞬間、  11時間前の薫の願いは叶い、  自己満足だった洋の想いが繋がった。  こうして、 二人の奇妙な文通は始まった。

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