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16.夏とプールと日焼け止め(3)
特に夏場における水泳の授業は炎天下の中で行われるため、お肌が日に焼けやすい。
なので、ミオのすらりとした脚線美を紫外線から守るためには、プールの水質を汚染しない、安全な日焼け止めを塗って遊泳させてあげるのがベターだろう。
幸いな事に、ミオの水泳授業まであと二日ある。
明日は帰りがけにドラッグストアへ寄って、水につけても落ちにくい日焼け止めを買ってきてあげよう。
「ねぇお兄ちゃん、これ似合ってるかなぁ」
「うん。子供らしくてかわいいと思うよ」
実際にプールで泳ぐ時は、頭に水泳キャップをかぶるんだろうけど、正直、かぶっていない今の水着姿の方がかわいい。
「えへへ、ありがと。お兄ちゃんにかわいいって言ってもらえて、ボク、すごく嬉しいよ」
そう答えるミオは少し照れた様子で、手を後ろに回してもじもじしていた。
うーん。いつもながら、実にしぐさがラブリーだ。
授業を見に行けない俺のために、わざわざ水着姿になってくれたミオの優しさも身にしみる。
このまましばらく眺めていたい気持ちはあったが、さすがにこれ以上は変に意識してしまいそうだったので、部屋着に戻ってもらう事にした。
と言っても、その部屋着もTシャツ一枚に、下はギリギリはみパンしないくらいの短いショートパンツなので、これはこれで刺激が強いのだが。
暑くなってきたから仕方がないとは言え、こんなに薄着のショタっ娘と同じベッドで眠るというのは、やはりドキドキするものである。
もう、うすうす自覚しつつあるから今さらだが、やはり俺はショタコンなのかも知れない。
――そして翌日の夕暮れ時。
一時間ほどの残業を終えて退社した俺は、いつもの商店街にあるドラッグストアに立ち寄り、日焼け止めのコーナーに向かっていた。
ってなんだこの品揃えは。いくら紫外線の気になるシーズンだからと言っても、これは多すぎじゃないか?
一口に〝日焼け止め〟と言っても、いろんな種類があるんだなぁ。
大まかに分けてみると、このお店では、クリームタイプとジェルタイプの二種類が売れ筋なようだ。
ただ、その二種類のどっちの方がより水に強く、より日焼けを予防してくれるのかが、さっぱり分からない。
まずいな、ここで迷って時間を食うような事があれば、今日の晩ご飯の時間が遅れてしまう。
ミオがお腹を空かすといけないから、こういう時は知識のある店員さんに助言を仰ぐとしよう。
「あのー、すみません」
俺は、日焼け止めコーナーの隣で忙しそうに品出しをしていた、店員のお姉さんに声をかけてみた。
「はい! 何でしょうか?」
「子供用の、プールでも使える日焼け止めを探しているんですけど、どれがいいのか分からなくて……」
「プールですか? お子さんが水泳の授業をされるって事ですよね?」
「そうなんです。できれば水に浸かっても落ちないやつがいいかなーと」
「でしたら、〝ウォータープルーフ〟の日焼け止めがいいと思います」
「ウォータープルーフ。耐水性って意味ですね」
「はい。特にスーパーウォータープルーフの日焼け止めは、プールで泳いでも落ちにくいんです。後は持ち運びのしやすさとか、お子さんの肌質に優しいものが人気ですよ」
そう話すと、店員のお姉さんは、商品棚から一本の日焼け止めをピックアップした。
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