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②:13 ~了~

 すっかり雨の止んだ道を、並んで歩く。  残業だったのか、両親が帰ってくるよりも先に佐渡様が満足──もとい、行為に飽きたので、俺はなんとか難を逃れた。 「あ~っ、手首が痛~い。お尻も痛いし、サイアク~っ」 「申し訳ありません」 「何回もナカに出されたし、ホ~ント遺伝子の無駄遣いだよね~?」  どうやら、機嫌は直ったようだ。  俺に悪態を吐きながらも、足取りは軽やかな佐渡様を見つめる。佐渡様の言葉が、引っ掛かったからだ。 「──佐渡様のナカに出せるのですから、遺伝子も本望かと」  俺の言葉に。  佐渡様が、大きな瞳を丸くした。 「……っ。……な、にそれ。萎える~」  一瞬だけ言葉を詰まらせたかと思うと、すぐに佐渡様は俺を言葉で嬲る。 「こんなドヘンタイなマゾい君を満足させられる人なんて、きっとこの世界に一人だけだよね~」  そう言うと、数歩先に進んで俺の前に立った佐渡様が、クルリと振り返った。 「──どう? ボクに好き勝手使われて、悔しい?」  満面の笑みで振り返った佐渡様は、上機嫌そうに訊ねる。  その笑みは、俺の答えを分かっての笑みなのだろう。俺はだらしなく目尻を下げて、うっとりとした表情で佐渡様に答える。 「──最高です」  それを聞いた佐渡様は。  満足そうに、微笑まれた。 【天使に翼を手折られたい】 了

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