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第20話 アメリ
2ー9 アメリ
俺は、光の精霊王と契約したことで魔法書も問題なく読めるようになり、もう学園へ入学するための障害は、全てクリアできたように思われた。
だが、まだ、一番の難関が残っていたのだ。
それは、神子だ。
神子は、俺の身を挺した協力のもとにすくすくと成長し、今では、2歳児ぐらいの大きさにまで成長していた。
「れーたん、れー」
神子は、赤毛もふさふさしてきてけっこうかわいくなってきていた。
なんか、年の離れた弟という感じかな。
丸いビー玉みたいなキラキラした瞳で俺を見つめて頬笑む姿は、まさに天使だった。
よちよち歩いて俺のもとへとやってくると、神子は、俺の膝の上に乗っかって胸に顔を埋めてくる。
うん。
贔屓目でなくてもかわいいな。
だけど、これは、決して、母性の目覚めとかではないのだ。
俺は、自分に言い聞かせていた。
これは、ただの小動物をかわいいと思うのと同じだ。
「れーたん、まんま」
「ああ?ちょっと、待て」
俺は、そこまで言って言葉を切った。
あれ?
なんで、こいつには名前がないわけ?
みんな、こいつのことかわいがっているわりに名前をつけてはいないな。
ただ、神子様としか呼んでいない。
俺が、シャツのボタンを外して胸をはだけると、すぐに、神子は、そこに吸い付いてきた。
「はぅっ!」
「ん・・ちゅぱっ・・ちゅっ・・」
音をたてて神子は、うまそうに俺の乳を吸っている。
俺は、呼吸を荒げてぎゅっと神子を抱き締めて吐息をついた。
「ふっ・・あ、んぅっ・・」
俺は、最近じゃ、神子に乳を吸われながら何度も気をやってしまうことがあった。
たぶん、気のせいだと思うけど、神子は、舌で俺のことを舐めたり、小さな歯で甘く噛みついたりと、俺の快感をあおってくるのだ。
まさか、な。
俺は、ちうちう、吸ってくる神子を抱いて身を捩っていた。
「あっ・・あぅん・・そんな、強く、噛んじゃ、だめっ!」
俺は、びくん、と体を震わせた。
神子は、いっそう強く、そこを吸った。
「んあぁっ!」
俺は、びくっと背をそらせる。
「も、だめっ!」
俺は、神子を抱いたままいってしまった。
だが、神子は、俺の胸から離れなかった。
「んっ・・お願い・・も、はなれ、て・・」
神子は、、ちゅぱっと音をたてている。
はぁっと俺は、熱い息を吐いた。
でも、神子は、離れる様子がなかった。
「あっ・・も、いってるからぁっ!」
神子は、ちうちう、吸いながらちらっと上目使いで俺を見上げた。
目が。
笑ってる?
そんな、まさか、な。
俺は、思い直して神子を押し離そうとした。
「今日は、もう、おしまい、だぞ・・アメリ」
「ふぁっ?」
神子が俺の胸から顔を話して丸い目で俺を見上げていた。
俺は、神子の頭を撫でて微笑んだ。
「お前の名は、アメリ、だ」
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