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第26話 子育ては、続く?
3ー5 子育ては、続く?
俺は、服を着替えると、その足でグーリスじいちゃんのところへと急いだ。
グーリスじいちゃんは、いつもの部屋にはいなかった。
俺は、じいちゃんの部屋にいた使用人たちにきいてグーリスじいちゃんを探した。
グーリスじいちゃんは、珍しく中庭にある聖樹のもとにいた。
この聖樹は、あの、神子のなる木だ。
俺は、初めて生まれてきたばかりのアメリと出会ったときのことを思い出していた。
最悪の記憶だ!
忘れてしまいたい。
「どうした?レンタロウ。怖い顔をして」
グーリスじいちゃんは、のんびりと俺の方へやってくると俺に訊ねた。
俺は、グーリスじいちゃんの問いには答えることなく、じいちゃんに訴えた。
「俺、今すぐに王立学園に入学したいんだ!」
「学園に、かな?」
グーリスじいちゃんが頷いた。
「いいじゃろう。もう神子も成長したことだし、お主が次のステップへすすみたいと思うのも無理もないことじゃ。すぐに手配しよう」
「マジで?」
俺は、グーリスじいちゃんに抱きついた。
「ありがとうな、じいちゃん!」
「じゃが、困ったことが1つだけあるんじゃ」
グーリスしいちゃんが困惑した様子で俺を見た。
「神子殿がな、お主が王立学園に入学するときいて、自分も学校へ行きたいと言い出されてな」
はい?
俺は、目が点になっていた。
どういうことですか?
「もちろん、我々は、神子をお諌めしたのだが、どうしても、と聞き入れられんのじゃ」
グーリスじいちゃんが俺の肩をぽん、と叩いた。
「というわけで、引き続き子守りを頼むことになるんじゃが、すまんな、レンタロウ」
なんですと?
俺は、あんぐりと口を開けてグーリスじいちゃんを見つめていた。
嘘だと言ってくれよ!
「でも、もう、アメリは、成長したんじゃ?」
俺は、そっとグーリスじいちゃんのことをうかがった。
グーリスじいちゃんは、俺をまっすぐに見つめた。
「実は、神子が成長してからもマナを求めて乳を吸うことは珍しいことではないらしい。お主には、負担をかけて申し訳ないんじゃが、神子の思し召しじゃ、ありがたくお受けするしかない」
嘘だと言ってくれよ!
俺は、天を仰いだ。
どうやら子育ては、まだまだ、続くらしい。
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