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9.長の世話をする鬼にも抱かれることになりました
カヤテは僕が食べる物を見ながら小さめの木の板に何やら書きつけていた。もしかしたらメモを取ってくれているのかもしれないと思ったら嬉しくなった。こんなに気にかけてもらえるのはリンドルがいるからだってことはわかっている。だからリンドルにもお礼ができればいいなと思った。
でも、僕がリンドルにできることってなんだろう。
首を傾げたら、
「それはお口に合いませんか?」
カヤテにそう声をかけられてしまった。僕は慌てた。
「いえ、おいしいです。ちょっと考え事をしていて……ごめんなさい」
「気に入ったものがあればお教えください。天使さまには最大限便宜をはかるよう言われております。遠慮はいりません」
「ありがとうございます」
そんなことを言われたって相手は鬼だ。これだけ大事にされているのだから十分だと思う。でも僕が好きなものを伝えればそれだけ手間は減るかもしれない。
「この……小麦粉を練った? ものですか。こちらはパリパリしていてとてもおいしいです」
「煎餅ですね。わかりました、作った者に伝えておきましょう。天使さまはしょっぱいものと甘いもの、どちらがよろしいでしょうか」
「甘い味にもできるのですか?」
「はい。ほんのりとした甘みですが」
「どちらも好きです」
軽食、というよりごはんを食べたみたいにおなかいっぱいになってしまった。食べすぎてしまったらしい。
「もうよろしいのですか?」
「はい……もう何も入りません……」
「……天使さまは随分と小食なのですね。わかりました」
木の板が速やかに片付けられ、水の入ったコップを渡された。
「水は多く飲むようにしてください。天使さまの体液が私共の活力になりますので」
「は、はい……」
カヤテにそう言われて顔が熱くなるのを感じた。体液って、体液って……僕自身から出るのは蜜って……尻穴からは愛液と言っていた。またあんなに抱かれてしまうのかと思ったら尻穴が甘く疼いた。
「っ?」
「天使さま?」
「な、なんでもない……デス」
身体疼いたなんてとても言えない。
「天使さまは少し身体を休めていてください。食休みが必要です」
「はい」
リンドルからそう言われ、僕は素直に布団に横たわった。僕の体力がないのはもう仕方がない。でも抱かれるのがこんなに体力勝負だなんて知っていたらもっと鍛えたのに、とも思ってしまう。
「ねえ、リンドル」
「はい、なんでしょう」
「僕は村で必要最低限の仕事しかしていなかったけど、本当はもっといろいろ仕事した方がよかったんだろうね」
「何故そう思われたのですか?」
「だって……抱かれるのも体力が必要だなって実感したから……」
「それはそうですね。特に鬼の体力は無尽蔵ですから、そちらは申し送り事項にしておきましょうか」
「村に伝えることはできるの?」
「はい。連絡用の魔道具は持ってきておりますので」
「そうなんだ……」
カヤテがそれを聞き咎めた。
「連絡用の魔道具だと?」
「私は聖職者ですからね。教会との連絡用に常に身に着けております」
「それは我らにあだなすものではないのか」
リンドルは笑った。
「これは異なことを。鬼は根絶やしには決してできませんし、そうしようとすればかえって理が崩れるでしょう。魔物は平気で森から出るようになり里を襲うようになります」
「わかっているのならばいい」
よくわからないけど、こんなに恐ろしい鬼たちでもいなければ困るらしい。僕も鬼に嫁ぐ為に育てられたから、鬼がいなくなってしまうのは困る。でも”王”の降臨の知らせがあと何日か遅かったら、僕は普通の人として生きることもできたのだろう。今ではもう全然想像もできないけれど。
「天使さま」
物思いにふけっている僕にカヤテの声がかかった。
「はい……」
返事をすると抱き起され、そのまま口づけられた。
「んっ……」
僕の口が少し開いていたせいかすぐに舌が僕の口腔内に入ってきた。舌に触れられてびくっとした。
「んっ、んっ……」
カヤテは僕の口腔内をひとしきり舐めると、口端から漏れた唾液を舌で辿った。
「んぁっ……!」
「ああもったいない。天使さまの唾液もおいしいですね。もっとください」
「んんっ……!」
肉厚の舌に舌を絡め取られたりして、唾液を飲まれた。鬼は僕の体液が好きみたいだ。
「大事に大事に愛すれば乳も出るようになるのですよね。こんな小さな乳首を吸い続けたら傷つけてしまいそうです……」
首筋を舐められ、鎖骨を吸われ、胸を揉まれた。そして乳首をぺろぺろと舐められる。
「乳首は優しく何度も刺激すれば大きくなりますよ。たくさん愛されている天使さまの乳首は天使さまの指先ほどの大きさにまでなるそうです。乳を飲みたければいっぱい愛でることが肝要ですね」
リンドルが補足した。
「それはいいことを聞きました。毎日いっぱいこのかわいい乳首を舐めさせていただきましょう」
「あっ、あっ、あっ……!」
「痛みを与えないようにしてくださいね。乳首は皮膚が弱いのですぐに傷つきますから」
「わかりました」
「あっ、あっ、あっ、あっ……」
甘い感覚が何度も走り、股間に熱が集まっていくのを感じた。リンドルがそんなことを言ったおかげで、カヤテはそれからしばらく僕の両方の乳首を舐め続けた。
甘くて甘くて、僕自身からもとろとろと何か出始めたような気がした。
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