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第10話
苦肉の策だが致し方ない。
こんな所万が一にでも誰かに見られたりしたら……。
「は、やく……しろよ……っ!」
「萩のえっち」
愚息から離れた手にホッとしたのも束の間、次の瞬間には足が宙に浮く。
身体はまるで米俵のように笠根に担がれた。
み、見た目より力あるよな……。いくら笠根の方が体格良くても俺だって男なんだ。そこそこ重量だってあるのに。
こんな簡単に持ち上げられるとか……。
「…………ムカつくな」
「んー?横抱きが良かった?ごめんね、あれ結構負担掛かるから、さすがに萩抱えるにはしんどいかなって」
「んなことじゃねーし、出来れば一生やられたくないわ」
笠根の足取りは早かったけれど、それでもトイレまでの距離を遠く思う。さっき一人で用を足しに行った時は全然思わなかったのにな。
幸いトイレに人の気配はない。笠根はそのまま個室の中へ入ると俺を降ろして、後ろ手に鍵を掛けた。
「お、お前まで入ってこなくていいんだよ!」
「えー?だって俺のコレはどうすればいいの?」
浴衣越しでも分かるそれはそれは立派な笠根くん。
「知るか!隣も空いてんだろ、一人でヌけよ」
「どうせ萩もするなら一緒にしようよ。さっきより気持ちいいよ?」
自ら浴衣を開 け、堂々とご立派なモノを見せつけてくる笠根は男のくせに色気がある。ああ、こりゃお誘いがくるわけですわ。悔しいけど、それは何か認めざるを得ない感。
だってちょっとだけ萎え掛けてた俺の愚息が、不覚にも少し元気を取り戻してしまったから。
「な、何する気だよ……!?」
「はは、そんなに怯えなくても本当に気持ちいい事だって。本当は挿れたいけど、今日は無理だから。準備しないといけないしさ」
「……………………」
今、挿れたいって聞こえた気がするけど幻聴だよな。そうに決まってる。いや聞かなかったことにしよう。
「だから今日は一緒に擦り合いしよう?」
ずり下ろされた下着から立派な笠根くんが顔を出して、既に晒されていた俺のモノに先端を押し付けられる。
「わっ、ばか、ぅあ……っ」
「萩のさっきの先走りでヌルヌルだね」
笠根揺らす腰の動きに合わせて重なった熱量が擦れ合う感覚。笠根のは思ったよりずっと熱くて、硬くて……目が離せない。
「あ、ぅ……っ……な、これ」
「あー、やば。思ったより興奮するね、これ」
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