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No.6 亜麻色に滴る雫

 夕立の中、軒下に駆け込んで来た存在は顔を上げるなり明るい声をあげた。 「先生! 大事な原稿は無事ですよっ」  胸に抱えた鞄と白い肌に張りついたシャツに目を見張る。 「……やれやれ。ずぶ濡れじゃないか」  君のことも大切なんだと聞かせれば、君は一体どんな表情を魅せてくれるのだろうね。

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