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第42話

俺が百目鬼にさせようとしていたことがこれで、百目鬼がしたかったこともこれだって事はちゃんと分かっている。 ただ、未知の感覚に体が防衛反応を起こしているだけだ。 それでも、百目鬼を蹴ったりはしていない。 勿論動きを封じる絶妙な位置を百目鬼が抑えているというのもある。 逃げたい気持ちは今更あるけれど、逃げたくはない。 興奮した目で見降ろされて悪い気はしていないのだ。むしろもっとそういう目で見て欲しいとさえ思う。 指はもう三本だろうかそれとも四本だろうか。 バラバラと動いて中を解している。 異物感はずっとあるものの、ジンジンとするような感覚とそれから時折我慢できない快感に襲われる。前はカウパーが馬鹿になったんじゃないのかって位だらだらと流れている。 時間は多分かなり経っているだろう。 外が真っ暗になっているのが部屋の中からも分かる。 百目鬼が指を引き抜いた時、名残惜しいみたいに中がうねるのが分かった。 ちゅぽんという湿った音がして自分のせいじゃないのになにかとてもいやらしい。 「俺、ゴム持ってないからな。」 本当にいいのかと今更百目鬼が聞く。 ホント今更だ。 俺の持っているコンドームも多分サイズはあわないだろう。 それも今更。 最初に触れてみたときにそんな事分かっていた。 もっと言うなら、体形的に何となくそんな気はしてたのだ。 そこは覚悟して誘った。家に招いた。 そうなる様に仕向けた。 だから、今更百目鬼が気にすることじゃないのだ。 「精液を塗り付けたいとかも言ってなかったかお前。」 茶化すように言うと、またため息。 別にいいだろ。俺がいいって言ってるんだから。 腹がどうなるかはインターネットで調べて知っている。 でも、それでもいいんだって言っているんだ。 その位わかれ。

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