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第77話

「したいこと、してみればいいだろ?」 もう一度同じことを言う。 百目鬼は俺の乳首を撫でながら「そういうとこ、本当に突飛だよな。」と言う。 「別に、お前以外には言わねえよ。」 俺が返すと、そう言う事じゃないと言われる。 それから、ぎゅうと強めに乳首をつねられて悲鳴に近い声を上げてしまう。 乳首が痛みでジンジンしている。そこに顔が近づいて、舌が触れる。 痛みが残る乳首に甘やかな感触がして、それを官能だと脳が捉える。 「あっ……。」 出た声が甘ったるくて自分でも驚く。 「一之瀬なにも理解していないで許してるだろ。」 百目鬼に言われるが、そんなことはない。 前回自分がどんな風になるのか知った。知った上で、もう一度同じことをしようとしてるのだ。 もっと思ったよりも醜態をさらすかもしれないなんて、とっくに理解している。 だけど百目鬼ならいいと思ったんだ。 左側の乳首を舐められながら、右側の乳首が指でこねられる。 コリコリとしこりができているのが分かる。 それほど強い刺激にはならない。 だけどそれが逆にもどかしくて、もっと直截な刺激が欲しい気がして下半身が疼く。 先走りがダラダラとあふれていることに自分自身気が付いている。 もじもじと太ももをこすり合わせて、ぬるま湯の様な刺激に耐える。 「なあ……。」 自分から強請《ねだ》るみたいで言葉にはできなかった。 恥ずかしい。もっとすごい事をして欲しい。 先ほど指で解された感触が忘れられない。 口の中に残る精液の味で、興奮が増してしまう。 自分のことながら、少し引く。 おずおずと浴衣の褄下を自分ではだけさせる。 下着が滲んで色が変わっている。 形が変わった昂りが下着の外からでもはっきりと分かる。 ゴクリ―― 百目鬼が喉を鳴らす。 乱暴にパンツを脱がされて、ようやく触れてもらえると安堵してしまった事に気が付いて、理解してないなんてありえない事だともう一度思った。

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