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第87話 始まる閨のレッスン
僕は若干緊張しながらお屋敷の一室に座ってた。
目の前にはお父様ぐらいの主治医のように白い服を着たたおやかな紳士が、本を広げて僕に解説してくれている。
今日は僕の閨のレッスン日。閨のレッスンは身体の構造やら、生殖の仕組み、閨の技術、愛の在り方まで多岐にわたっている。
そのうち閨の技術に関しては何年も前にレッスンを終えた婚約者がいるという事で、僕は専門家を除外されたんだけれど。
僕は講義を受けながら時々よく知っている事と、全く想像もつかない事の2種類があることに気づいた。
身体の構造がそれだ。
生殖器以外の部分は、知ってる!と感じることが多かったけれど生殖器はとんでもなかった。
女性でも人によっては男性的機能を望めば後天的に得られるとか、男に産まれても女の様に子供が産める様に変化するとか。
想像以上で驚愕ししてしまった。全てはメカトリッカ神の思し召しらしい…。
僕も薄々気づいてはいたんだ。僕の狭い世界でも性別は愛に関係ないって。
実際僕が愛した人達も男性だし。でも肉体的にも完全にそれが許されている世界だったなんて驚きだった。
何で僕がこんなに驚かされているのか周囲の人にはピンときてないみたいで…。
うん、黙っておこう。例のアレだ、きっと。もうひとりの僕が何それ~って言ってる感じ。ハハ。
「…ですから、男性の身体が子供を産みたいと願うのならば、アーヌスから直腸奥にある子宮芽に時間をかけて精子を何度も繰り返し注いで成長させる事です。
また、アーヌス入り口からほど近い場所に子宮芽に直接繋がる器官ゼンがありますので、そこを刺激する事も子宮芽を成長させるためには必要ですね。」
「…先生、時間をかけてとありますが、子宮が完成するまではどのくらいの時間が必要なんですか?」
僕は何だか顔を熱くしながら聞いた。
先生は優しく微笑むといったんだ。
「そうですね、人によって違いはありますが、二年から五年。遅くとも五年有れば完成すると思います。
ただリオン様は婚約者様がお二人ですから、婚約期間中に開始するとしても二、三年で確実に完成するでしょうね。」
何だかとってもいけない事を想像してしまった。
僕ってこれから爛れた生活をして下さいって言われたのと一緒なんじゃない?
僕が赤くなったり、青くなったりしていると先生はとんでもない事を仰ったんだ。
「わたし自身も三人の夫を持ちますが、子宮の完成までの期間は我ながら記憶にないほどの激しい日々だった気がします。
幸せだったのは間違いないですが。
リオン様には複数の夫たちといかに上手くやっていくかの講義が別に必要かもしれません。頑張りましょうね?」
「は…い。先生。」
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