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第38話「月曜日の世迷いごと」

月曜日、夜。 芽依が泰清や妻戸達と飲んでいる間、鷹夜はまた別の悩み事で私物のノートパソコンと睨み合いをしていた。 「ゔーーー、、、」 珍しく、月曜日なのに早く帰れた。 本当なら芽依と会いたかったが、今は2人の悩みよりも荘次郎の事の方が優先だ、と我慢して、飲み会行ってきますと言うメッセージにも「行ってらっしゃい」と快く返信を送っておいた。 そして彼は自分の家で1人、テーブルにぐだっと上半身を乗せながら、缶チューハイを開けていた。 (エッチなパンツも、アダルトグッズも、どぉすんだよお) パンツは芽依に見てもらえたものの、結局先日の日曜日の夜も抜き合いっこと素股で終わってしまった。 あんあん喘げるくらい気持ち良かったが、買ってきたものがほとんど無駄になった気がして虚しさが大きい。 だって結局、また尻の穴は舐められるだけで終わってしまったのだから。 特にアダルトグッズは彼に見せる暇すらなかった。 全くもって、グッズたちが可哀想だとすら鷹夜は思えている。 「、、ううぅうう、俺だって色々考えたのにぃい!」 泣きながら、飲みながら、鷹夜はまたあのブログの管理人・前田にメッセージを送っていた。 あれだけ協力して貰ったのに、直ぐには結果が出せそうになく、それを一応報告しておこうと思ったのだ。 酒の力を借りてしまったせいか、少々愚痴のようにもなってしまっている。 A[管理人様。先日お悩み相談させていただいたAです。色々記事も読み返して、アダルトグッズを買ったりもしたのですが、彼の方が今、仕事や友人関係での悩みを優先する他なく、2人の事に関しては進展はありません。ご協力いただいたのに何だか申し訳なくて、一応ですが、ご報告させていただきます] 丁寧な性格の彼らしい行動でもあると共に、感情ジェットコースターフル稼働と言った感じの心の荒みも少し伺える。 「芽依のばかたれ、、あほたれ、、」 芽依の事は大切だ。 だからこそ、芽依が今真剣に向き合いたい荘次郎の一件について後押しするし支える気でいる。 なのだが一方で、2人の間にあるセックスができていない問題を蔑ろにされているような中途半端さが、鷹夜としては辛かった。 (欲求不満とか、そう言うんじゃなくてさあ、) そうではなくて、ただやっとお互いの生活も安定してきたし、お互いの存在にも慣れてきた時期なのに、互いに集中できない現実が中々に歯痒いのだ。 決して、自分を1番最優先にして欲しいと言う話しではない。 何故今なんだ、とやるせないだけで。 (使っちゃおうかな、、バイブ) 鷹夜は管理人・前田にヒョイとメッセージを送ると、パタンとパソコンを閉じて先日アダルトグッズを詰めたまま持って帰ってきて、それから全く触っていない黒いリュックを見る為に身体を捻って振り返った。 それは、何故だか洗濯機に寄りかけて置いてあり、黙ってそこに座している。 鷹夜は思ったのだ。 今の内に1人で練習しておけば、芽依が荘次郎の問題を解決して自分とのセックス問題に集中できるようになったとき、事がスムーズに進むのではないか、と。 「、、、」 携帯電話で時間を確認する。 時刻は23時をほんの少し過ぎていた。 「やってやらあ」 彼は酒に弱い。 たかが缶チューハイでも、もうアホのように酔っていた。 やると決まると身体はさっさと動いて、食べたばかりの夕飯のコンビニ弁当の容器を素早く重ねて片付け、ゴミ袋に詰める。 閉じたパソコンには充電器のコードをさした。 リュックからゴロゴロとアダルトグッズを取り出してベッドの上に置き、洗濯物を洗濯機に全て入れると蓋を閉じてから風呂場に向かった。 30分くらいで身体を綺麗に洗って出て来ると、バスタオルで全身を拭く。 全裸でふらふらとユニットバスの浴室から出て来るとドアを開けて部屋に入り、そのまま寝ても良いように携帯電話に充電器をさして、アラームと目覚まし時計をセットして、部屋の明かりをオレンジ色にした。 「準備OKです」 誰に言っているんだ。 心の中で自問自答しつつ、まずは初心者向けのアナルプラグを持って、ベッドの上に座った。 プラグは球体がいくつも連なって、先に行くに連れて小さくなっていくような形をしている。 持ち手部分に丸い輪っかが付いており、忍者の武器のようにも見えるが、あくまで尻に入れるプラグだ。 「ん、」 芽依が買ったものの内で、鷹夜の家で致すときの為に置いてあるローションのボトルを開けた。 もう半分くらいは使っていて、そろそろ買い換えないといけない。 汚れたら嫌だな、とやたらとあるバスタオルを何枚かベッドの上に敷いて、その上で鷹夜はもぞもぞと動いている。 全裸の三十路が何をやっているんだか、と自分でも思うものの、反面、彼は真剣でもあった。 ただ単に、芽依と愛を深めたい。 セックスが全てじゃないのは分かっているけれど、お互い男だ。 やはり性欲はあるし、何より相手の肌に触れて癒されたいと言うのもある。 「こんなもんか」 手の上に出したローションをぐちゃぐちゃと揉んでから、四つん這いになって自分の後ろの穴にそれを塗り付けていく。 「ん、、ん"ん、、」 何とも虚しい気持ちに襲われるのは、やはりセックスが2人でやる行為だからだろうか。 それとも芽依にやられ過ぎて、彼の手に触られないといまいち盛り上がらないからだろうか。 何とか塗り終わると、そのまま穴の周りのヒダに触れて、少しずつ解していく。 「んー、、も、少し、か?」 中々指が入るまで力が抜けずに焦ったが、本当に少しずつ、エッチな気分にはなって来ている。 ええい、と思って行為を止めてベッドから降り、残りのチューハイを胃に流し込んでから、ベッドに戻ってもう一度穴を触り始めると、何だか良い気分になって来た。 「んふ、、んっ、んっ!」 ツプ、と中指の先が穴に飲み込まれ、思わず身震いした。 (あー、ヤバ、ちんこ触られたい) だるそうに勃ち上がってしまった性器からは、糸を引いて先走りの精液が漏れている。 後ろに回していた手を前から脚の間に通し変えて穴を触り、ついでに左手でやわやわと性器に触れ、顔と肩を敷いたバスタオルに押し付けて身体を支える事にした。 尻だけ突き上げているその情けない体勢で、鷹夜は自慰行為を始めたのだ。 「んっ、ンッ、きもちぃ、あ、んっ」 やはりまだ、性器の方が何倍も快感が強くて気持ち良い。 けれど後ろの穴に何か入れていないと物足りないとも感じる。 「ぁ、あ、んっ」 そしてやはり、自分の指では良いところに届かないのだ。 顔の横に置いてあったアナルプラグに手を伸ばし、ローションを垂らしてそのピンク色の球体一つ一つに絡めていく。 ヌルヌルとした感触を全体に纏わせると、いよいよ、鷹夜は緊張しながらもそのシリコンでできたプラグを尻の穴の方へと近づけて行った。 「、、あ?何かやりにくいな。どうなってんだ?」 そして、この体勢のやりにくさに気が付いた。 「え、届いてんの?どうなってんの?」 あまりにもやりにくく感じた彼は起き上がり、仕方なく、AVで女性が自慰行為をするときのようにベッドの上に座ってガバッと脚を開き、少し仰け反って尻を浮かせてからアナルプラグの先端を摘んで自分の穴の入り口に充てがった。 (あ、これだと何か入りそう、、、あ?) グッと先端を押し込むと、にゅぷんっ、と割と簡単に最初の球体が鷹夜の中に入った。 「あ、うそ、ぁ、あ、あれ?」 そしてまた力を込めると、2つめの球体がにゅぷんっと中に入った。 「ッ、はあっ、んっ?!」 何でこんなに簡単に入るの!? 思わず、鷹夜は自分の身体に驚いた。

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