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北の山から戻った3人のお話…… カタチ

リンデルは小さく苦笑すると、指先をロッソの下腹部へと滑らせる。 彼の体格に見合うサイズのそれは、再び精を吐いても尚、主人の愛撫に応えて見事に屹立していた。 「ロッソは元気だね。嬉しいよ」 唇を離して、リンデルが優しく囁く。 「っ……」 ロッソは、何だか主人に褒められたような気がして、胸が高鳴る。 そんなロッソの耳元へ、主人は唇を寄せると囁いた。 「これ……、入れて欲しくなっちゃった」 「!」 ほんの少し甘えるような声で、リンデルはねだる。 「ねぇ、先に入れてもらってもいいかな?」 「わ、私の……を、ですか?」 あからさまに戸惑うロッソの声に、リンデルは苦笑する。 リンデルはロッソの小さな耳たぶをなぞるように舐めると、水音と共に切なげに求めた。 「うん、ロッソの……。入れて欲しい。……ダメ?」 びくりと肩を揺らしながらも、ロッソが恐縮しつつ答える。 「いっ、いえっ、私でよろしいのでしたら……」 了承をもらって、リンデルがぴょこんと元気よく顔を上げた。 「えへへ、ありがとう」 はにかむような金色の笑顔は、どこか子供っぽく、可愛らしく見える。 けれど、金色の青年は、天使のような無邪気な微笑みを湛えたままに、下衣を手早く脱ぎ捨てると黒髪の従者に覆い被さった。 「入れるよ?」 主人の言葉に、従者は従順に頷く。 リンデルのそこは、ならすこともないままに、従者のそれを受け入れた。 つぷ。と小さな音で侵入するそれは、リンデルのよく知る男とはまた違う形をしていた。 「ぅ、ん……っ」 待ち望んだ刺激に、リンデルが細く息を吐きながらも、うっとりと頬を染める。 ロッソもまた、眉を寄せて襲い来る熱に耐えようとしていた。 何度か緩やかに出し入れを繰り返しつつ、ずぶずぶとその全てを体内に収めると、リンデルは小さな気付きに微笑んだ。 ああ、そうだ。体が覚えてる。 これは、あの時、熱に浮かされてどうしようも無くなった俺を、助けてくれた形だ。 ロッソは、あの頃からずっと、俺を想っていてくれたんだ……。 胸にじんと広がる喜びに誘われるように、リンデルは腰を揺らした。 「う、ん……っ、主人、様……っ」 びくりとロッソが肩を震わせる。 ロッソは主導権を主人に預けたままで、けれど、主人に満足してもらえるまではと、襲い来る快感に耐えようとしていた。 「ロッソ……もっと……もっと奥まで、来て……」 そんな健気な従者を主人が煽る。 言われるままに、精一杯腰を突き上げる従者に、リンデルはじわりと体重を預けた。 「あぁ、っ、いいよ、ロッソ……、もっと、そこ……っ、んっ」 金色の瞳が潤む。切なげにねだられて、従者はそれに応えようと懸命に動く。 が、ロッソの脇腹に僅かに残った傷が痛んだ。 一瞬痛みを堪えたその表情に、リンデルは気付いた。 「あ……、っごめん、ロッソは楽に……っ、してて……?」 上がりつつある息の合間から、主人はなるべく優しく囁く。 主人は緩やかな腰の動きを止めないままに、片腕で自身の体重を支えて、もう片方の手でそっと従者の頬を撫でた。 「痛い……とこが、あったら……っ、言うんだよ? いいね?」 優しく、しかし命じられ、ロッソはそれを謹んで承った。 「はい」と答えた口から、時折嬌声が漏れる。 顔を真っ赤にしながら、堪える従者に、リンデルは思わず微笑んだ。 「ロッソ、俺のナカ、気持ちいい?」 「あ……っ、気持ち、いい、です……っっ」 黒い瞳を蕩けそうに緩ませて、従者が懸命に答える。 リンデルはその黒く潤んだ目元に音を立てて口付けると、嬉しそうに告げる。 「ありがと……、っ、俺も、ロッソの、気持ちいい……よ……」 その言葉に、従者は激しく追い詰められた。 敬愛する主人に求められ、それに自分が応えられているという事実が、たまらない喜びとなって胸に溢れる。 「く……っ」 ギリっと従者が奥歯を噛み締める音に、主人は困ったように少しだけ眉を寄せた。 「無理に……っん、我慢、しなくて……いいよ。……ん、……おいで?」 囁いて、リンデルは小柄な従者に口付けると、その食いしばる歯を解くように、舌で歯列をなぞる。 それに応えようと、ロッソがおそるおそる震える唇を開いたところへ、リンデルが厚みのある舌で容赦なく侵入する。 「ぅ、んっ、……んんっ、ぅ、んんんっ」 頭の奥まで痺れるような、そんな感覚に、ロッソの瞳から涙が溢れる。 もう少し、主人が満足ゆくまで、耐えねばならないのに……。 不甲斐ない自分をいくら責めても、主人が優しく与え続ける柔らかな熱と律動に、ロッソはもうこれ以上堪えられそうになかった。 「あっ、もう……っ、このまま、では……っっ」 ぎゅうと主人の腕に縋り付いて、喘ぐように訴える切羽詰まった声に、主人はうっとりと目を細めて囁いた。 「いいよ、ロッソ……俺の中に……っ、いっぱい、出して……」 ぐんとリンデルが勢いよく腰を引き、もう一度自身の奥まで従者のそれを突き立てる。 リンデルには、自分の下で、従者が全身に力を入れるのが分かった。 いつも表情に乏しい顔を、苦しげに顰めて、自分の内にそれを注ごうとしてくれている。 それが何だかとても嬉しくて、リンデルはロッソを夢中で貪った。 口端を幸せそうに持ち上げた主人の熱い内側で、繰り返し強く擦り上げられて、ロッソは達する。 「くっ、……主人様……っっ!!」 堪え切れない衝動にロッソが思わず腰を浮かせると、それをリンデルのしっかりした腕が支えた。 ぐいと奥の奥まで引き入れられて、それと同時に主人の内側が収縮し始めるのが分かる。 「あ、ぁああ、ロッソの、熱いのが……んんっっ、あ、気持ちい……っ、あぁぁああああああぁっっっ」 腰に回された主人の腕に力が籠る。 そのまま、ロッソは主人に内側でも外側でも優しく締め上げられた。 胸が苦しくて、息が苦しくて、けれども強く包まれて、声すらも上げられそうにない。 ロッソは目を閉じると、静かに主人の熱が遠ざかるのを待った。 「ぅ、ん……っ、ぅんん……っ」 従者の細い首筋に、主人の切なげな吐息がかかる。 ロッソの顔が触れている主人の肉厚の肩も、時折びくりと快感に震えていた。 ああ、この方を、私の身体で、悦ばせることが出来た。 その事が、ロッソには痛いほどに嬉しく、誇らしかった。 胸を焦がすほどの熱い思いは、下腹部にもまたじわりと熱を伝える。 耳元ではまだ、主人が荒い息で快感に喘いでいた。 「あっ……ん」 びくりと肩を震わせて、リンデルがそっと体を離すと、腕の中の従者を見つめる。 「……すごい……。ロッソ、まだ出来るの……?」 リンデルは、自分の内で再び力を取り戻そうとしているそれを感じて、嬉しそうに尋ねた。 金色の髪に彩られた上気した頬で、金色の瞳に期待を滲ませて、どこか妖艶に。 その表情に、ロッソは魅了される。 従者が誘われるままに小さく頷くと、主人は「嬉しいな……」と囁いた。 主人の素直な喜びが、ロッソにさらなる熱を呼ぶ。 「……今日はもう、ロッソが飛ぶまで離さないからね」 にっこりと幸せそうに微笑まれて、思わず頷きかけた従者がハッと我に返る。 「い、いえ、あの……」 さらりと言われたが、果たして、そんな事は可能なのだろうか。 ロッソの知る限り、行為で意識を失う事など、後にも先にも媚薬に侵されたリンデルが相当派手に欲に狂わされていた時のみだ。 意識もはっきりとした自分が、こんな明るい日中から、そんな事になるとはとても思えない。 「うん……、どうしたの?」 まだほのかに染まった頬で、金色の瞳を優しく細めて、主人が尋ねる。 「いえ……その……、私はそんな……、意識を失うような事は、無いと、思うのですが……」 じっと愛しげに見つめてくる金色の瞳に、誤魔化すこともできず、ロッソは正直に答えた。 「ああ。ロッソは飛んだ事ない?」 くりっと小さく首を傾げて、リンデルが問う。 問われてロッソは思い返す。厳しかった父との戦闘訓練で失神することは時にあった。が、この場合それは数に入らないのだろう。 「はい……」 と従者が素直に答えると、主人は柔らかく笑ってみせた。 「大丈夫だよ、俺がいっぱい気持ちよくしてあげるからね」 「い、いえ、そのようなこ……」 断ろうとする従者の唇を、主人が優しく塞ぐ。 繋がったままの下半身を揺すられて、従者は小さく声を漏らした。 その声を、愛しく感じながら、リンデルは従者の小さな耳へと唇を寄せる。 「……それとも、ロッソは、俺にめちゃくちゃにされるの、……嫌?」 甘く囁く主人の言葉に、従者はぞくりと背を震わせる。 そんな風に問われて、嫌だなどとは、言えるはずもない。 「いえ……」 何とかそれだけを伝える従者の黒い瞳が、期待の色に染まるのを見て、リンデルは緩やかに口端を上げた。 「じゃあ、俺に、めちゃくちゃにされたい?」 ロッソはどうしようもない質問に、ただ耳までを赤く染めて頷いた。 「ふふ、可愛いよ、ロッソ……。もっともっと、俺を感じてね……」 蕩けるような甘い声でそっと囁くと、主人はまた腰を揺らし始める。 ぐりぐりと押し付けてくるようなねっとりした動きに、ロッソが息を詰める。 不意に、リンデルがぴたりと動きを止めた。 「あ、そっか。ロッソも入れて欲しいよね」 リンデルがようやく気付いたという顔をして、ためらうこと無く、ずるりとロッソの物を自身から抜き取る。 「っ……」 ロッソが小さく身を震わせた。 リンデルは身を離したついでに、ベッドの端に掛けてあった手拭いを引き寄せると、ロッソのそれを拭おうとして、横から小さな手に手拭いを奪われる。 「私が……」 とロッソは体を起こすと、自身よりも先に、主人の放った精で汚れた主人の服と、どろりと溢れ出す主人の後ろを拭った。 「ぅ、ん……。ありがとう……」 触れられて、びくりと肩を揺らしたリンデルが、ふわりと微笑む。 ロッソは、腕を伸ばす自分の前で屹立する主人のそれに目を奪われる。 こんなに立派な、主人のこれを、自身がこれから賜れるのかと思うと、ぞくりと従者の細い背に熱が走った。

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