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第17.5話結ばれる2人 アリン視点

最近のフェアンは、仕事にも慣れて凄く順調そう。リンダさんとも仲が良くなったみたいでよく面白かった話をしてくれる。 料理もした事なかったみたいだけど僕が遅くなる日は作ってくれるって言ってくれてあれはとっても嬉しかった!しかも飲み込みが早くてあっという間に何品も覚えてくれた。 そして、あれから毎日好き、とか可愛いとか愛情表現もしてくれる。そろそろ返事とかしなきゃって思ってるけど返事を悩んでるんだ。だってフェアンはすごくかっこいいし、体つきも男らしいし、何よりとっても優しい。今は記憶をなくしてるけど本当は恋人とかいるんだろうなって思うから。そして思い出したらきっと僕なんて、捨てられるんだろうなぁって思うんだ。今フェアンの優しさや愛に甘えて捨てられたらきっと僕は立ち直れない。そう、僕はフェアンを好きになってたんだ。 だから、仲の良い同居人でいた方がいざ離れた時傷つかなくてすむかなって…返事をしないままの方が楽になれるかなって卑怯な考えばっかしてたんだ。 そんな時、フェアンに初めてのお給料を全部渡されそうになったんだ。お給料は受け取れないけどご馳走して!って言ったら、満面の笑みで了承してくれた。これは初めてのデートだな!って嬉しそうに言うからこっちもつられて笑った。 そして連れてきてもらったお店は僕の好きな魚料理では有名でお値段も結構するところだ。しかも、聞けば個室を予約したとか! ーー僕のために、こんなにしてくれるなんて… フェアンの優しさに胸が締め付けられた。 いつリサーチしたのか運ばれてきた料理は僕の大好物ばかりでずっと美味しい!って言ってた気がする。 幸せだな~って食後のアイスを食べてたらフェアンがソワソワし出した。そして急に真剣な顔をしたから、あっこれはヤバい…ってなったけどもう逃げられなかった。 「ア、アリン!聞いて欲しいんだが!」 「はぁっ…毎日聞いてるからもうわかってると思うが…俺はアリンが好きだ。」 「必ず幸せにするから、付き合って欲しい!」 ーーあぁなんでこの人はこんなに… 出会った時から変わらない愛を与えてくれるフェアンに逃げてばかりの自分が情けなくて苦しくてポロポロと涙が溢れてきた。 言葉が出なくて代わりに涙ばかりが出てくる。それに勘違いしたフェアンがもう帰ろう。と言ってくる。 ーー言わないと!言わないと! 気持ちだけが焦るがなかなか言葉が出ない。 「アリン、さっきの事は気にしないでいい。俺の片思いだ。今まで通りにしてくれ」 諦めたような笑顔で見つめるフェアンを見てやっと言葉が出た。 やっと、好きって言えた。大好きって言えた。 胸につかえてたものが取れた感じがしてもう素直になるしかなかった。 そしてフェアンから与えられる初めてのキスはとっても熱くてとっても深くて… 僕は絶対に何があってもこの夜のことは忘れない。例え僕たちが離れる日が来たとしても。

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